ゲームのストーリーに深みを与える引っ掛けの一つは、『信頼できるナレーター』を意図的に歪める手法だ。例えば、プレイヤーが操作するキャラクターの記憶が改ざんされていたり、視点そのものが狂気に侵されている設定にすると、真実の解明がより衝撃的になる。『NieR:Automata』では、複数の周回プレイを通じて断片的な情報が繋がり、最終的に物語の全貌がひっくり返される。
もう一つの方法は、選択肢の錯覚を作り出すことだ。『The Stanley Parable』のように、自由意志を感じさせるインターフェースを用意しながら、実は全ての分岐が予測可能なルートに収束する仕掛けは、プレイヤーに戦慄を与える。重要なのは、伏線を細部に散りばめておき、二週目以降に気付かせること。音楽や背景美術のわずかな変化、台詞のニュアンスの差異など、再遊玩時に初めて意味を持つ要素が、物語の再解釈を促す。