最近読んだ中で特に印象に残っているのは『Red, White & Royal Blue』です。政治的な緊張関係にあるアメリカ大統領の息子とイギリスの王子の恋愛を描いたこの作品は、単なるロマンスを超えた社会的なテーマも扱っていて深みがあります。
登場人物の成長が丁寧に描かれている点も魅力で、最初はお互いを嫌っていた二人が少しずつ心を通わせていく過程が自然で引き込まれました。ユーモアと繊細な感情描写のバランスが絶妙で、読んでいるうちに登場人物に感情移入せずにはいられなくなるでしょう。軽やかな文体の中にもしっかりとしたテーマ性を感じられる良作です。
読書の醍醐味は、時に胸を締め付けられるような感情を呼び覚ます瞬間にあると思う。
『Call Me by Your Name』はその典型で、イタリアの夏を舞台にした少年たちの恋は、瑞々しい描写と切ない心理描写が混ざり合い、読後も余韻が残る。時間の流れとともに変化する感情の機微を、これほど繊細に描いた作品は珍しい。特にエンディングのモノローグは、失われゆくものへの愛惜がにじみ出ていて、数日間頭から離れなかった。
同じ作者の『Find Me』も続編として出色だが、最初の衝撃を超えるのは難しい。それだけ『Call Me by Your Name』が特別な体験だったということだろう。