『Call Me by Your Name』はその典型で、イタリアの夏を舞台にした少年たちの恋は、瑞々しい描写と切ない心理描写が混ざり合い、読後も余韻が残る。時間の流れとともに変化する感情の機微を、これほど繊細に描いた作品は珍しい。特にエンディングのモノローグは、失われゆくものへの愛惜がにじみ出ていて、数日間頭から離れなかった。
同じ作者の『Find Me』も続編として出色だが、最初の衝撃を超えるのは難しい。それだけ『Call Me by Your Name』が特別な体験だったということだろう。