キリスト教の倫理観を掘り下げた本なら、このテーマについて必ず触れているはずだ。『山上の垂訓』で語られたこの言葉は、単なる受動的な態度ではなく、暴力の連鎖を断ち切る積極的な選択として解釈できる。
レオ・トルストイの『神の国はあなたのうちにあり』では、非暴力抵抗を貫くことがいかに社会変革をもたらすかが描かれている。彼はこの教えを現実の政治運動と結びつけ、ガンジーにも影響を与えた。抵抗しないことでかえって相手の良心に訴えかけるという逆説的な力について、深い考察がなされている。
現代の紛争解決論を扱った『The Third Side』では、この教えを紛争予防の観点から再解釈している。相手の暴力を受け止めることでエスカレーションを防ぎ、新たな対話の余地を作り出す戦略として、この考え方が生きている。