その後、『小説 君の名は。 Another Side:Earthbound』に進むと、勅使河原や早耶香ら周辺人物の視点で物語が見えてくる。これらを読んだ後で映画を改めて観ると、新たな発見があって楽しい。本編とAnother Sideは補完し合う関係だから、順番を逆にしても面白い発見があるかもしれない。
シモン・ストーレンハーグの作品はどの順番で読んでも楽しめるが、彼の世界観の深さを味わうなら『アナウンスメント』から始めるのがおすすめだ。
この短編集は彼の特徴的なサイバーパンク美学と社会批評が凝縮されており、後の長編で展開されるテーマの萌芽が見える。特に『アナウンスメント』収録の『ノート』は、後に『The Electric Ant』で発展する人間とテクノロジーの境界線を問うモチーフの原型と言える。
その後『The Electric Ant』に進むと、ストーレンハーグがどのように短編のアイデアを長編で膨らませるかが実感できる。最後に『The Bling』を読むと、彼のスタイルの成熟と社会風刺の鋭さを最も強く感じられるだろう。