別の角度から紹介すると、海外のグラフィックメモワールにも実話ベースで鬱や躁うつを扱った優れた作例がある。例えば、'Marbles: Mania, Depression, Michelangelo, and Me'の作者は自身の躁鬱体験を率直に描き、治療や薬の調整、日々の不安といった細部をコミックという形式で伝えている。僕はこうした作品を読むと、日本の漫画表現とはまた違う語り口があって学びが多いと感じる。
同様に、'Can't We Talk About Something More Pleasant?'の作者は介護や不安、老いへの恐れをユーモアとシニカルさを交えて描き、読者に共感と安心感を与えてくれる。どちらの作家も実体験を軸にしているため、鬱の多面的な側面が伝わりやすい。僕自身、彼らの作品から「言葉にしづらい経験」をどう表現するかのヒントを得られた。