権利関係に続いて必ず確認するのが、売主の権利保証(chain of title)と既存の付帯契約だ。売主が第三者に既に一部の権利を譲渡している可能性、あるいは原著側に共同制作や二次創作に関する制限があるケースが実は珍しくない。契約には売主がその権利を完全に売却できることの表明保証(warranty)と、もし侵害が発覚した場合の補償(indemnity)が明記されているべきだ。
運用面では、独占か非独占か、契約期間、非利用時の権利返還(reversion)条項、印税と前払金の扱い、会計報告と監査権(audit rights)の頻度、収入の取り扱い(ノットについての定義:net receiptsなど)を詰めるべきだ。翻訳者への支払い方法やクレジットの記載、訳文の品質管理・差し戻しプロセスについても契約に落とし込むとトラブルが減る。さらに、翻案や映像化の交渉で利害が発生したときの優先権(first negotiation/right of first refusal)や、サブライセンス収入の配分方法(ロイヤリティの分割率、最低保証)も忘れずに交渉しておく。最後に、税務・通貨・支払期日、管轄裁判所や準拠法は現地事情で有利不利が出るので専門家とともに精査する。