『カジノ・ロワイヤル』のサウンドトラックに収録されているクリス・コーネルの『You Know My Name』は、ギャンブラーをテーマにした作品の中でも特に印象的な曲です。007シリーズのリブート作ということで、従来のスパイものとは一線を画したアプローチが取られています。
この曲は、ジェームズ・ボンドのキャラクターを再定義するのにぴったりな力強いロックサウンドで、賭け事や危険なゲームに挑むような高揚感を表現しています。歌詞の『If you take a life do you know what you'll give? Odds are you won't like what it is』という部分は、まさにギャンブルの不確実性を象徴しているようで、何度聴いても鳥肌が立ちます。
屈辱をテーマにした作品のサウンドトラックでまず思い浮かぶのは『進撃の巨人』の澤野弘之さんによる楽曲群です。特に『Call your name』や『YouSeeBIGGIRL/T:T』は、主人公たちが絶望的な状況下で尊厳をかけて戦うシーンに多用され、重厚なオーケストラとコーラスが屈辱と復讐の感情を圧倒的に昇華させます。
一方で『東京喰種』の『Glassy Sky』は、主人公が人間社会から排除される孤独感をピアノの旋律で繊細に表現。アンビエントな電子音が「異物」としての疎外感を増幅させ、歌詞の「I don't want to see the glassy sky」が屈辱を受け入れる過程を暗示しています。
これらとは対照的に『ベルセルク』の『Forces』は中世風の戦闘曲で、主人公グリフィスが受けた究極の屈辱を「踏みにじられた者の視点」から描出。チェロの低音が復讐の炎を、突然のシンバルクラッシュが心の断裂を表現する構成が秀逸です。