音の方向性で世界を形作るタイプの作品には、まずこの三作を強く勧めたい。
'ジェニーロペス'や'ポップス'みたいな一般的な選択肢ではなく、陰影や緊張感を重視するなら、'There Will Be Blood'のサウンドトラックは外せない。弦楽器の不安定な響きが場面の暗さを増幅してくれて、静かな会話ですら張り詰めた空気になる。個人的には、ウィリアムフォン作品のミニマルで陰鬱な瞬間に最もしっくり来る。
次に、シンセで組み立てられた近未来的なテクスチャを求めるなら'Blade Runner'を。都市の広がりや孤独感を音で表現したいときに重宝する。最後に、電子音とアンビエントのバランスが秀逸な'The Social Network'は、緊迫しつつも冷静な叙情性を持ち合わせていて、人物描写に寄り添わせやすい。これらを場面ごとに使い分けるだけで、作品の表情が一気に深まると思う。