大学時代に友人と留学の話をしていたとき、英語ネイティブの友人は“the grass is greener…”を使って自分の現状不満を強めに表現していた。日本語だと同じ内容を『隣の芝生は青い』と言っても、場の空気を壊さないために言い方を和らげることが多く、聞き手も深く責めることは少ない印象だった。だから翻訳や会話での扱い方は文化的配慮が必要だと感じる。
英語の表現は比較級の“greener”を用いることで、二者間の明示的な比較を強調する。さらに“on the other side”という空間的表現が“ここ”と“向こう”という対立を鮮明にするため、聞き手に“他所の方が常に優れている”という認知を促しやすい。一方で日本語の『隣の芝生は青い』は、述語の「青い」が観察の評価を示すだけで、比較対象が暗黙のまま残ることが多い。