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21話 無意識と繋がる

Author: 空蝉ゆあん
2025-06-24 08:03:00

21話 無意識と繋がる

協力者に力を貸してもらうと、天田の後を尾行するように命令をした。自分達の近くにいるのは天田だけ。過去の事も、伊月の事も知っている天田はノビラにとって恰好のターゲットだと考えるのが近道だった。

しかしどうしても考えられない事が複数浮かんでくる。その疑問を形に変える為に、見えない罠を用意していた。

「店に通っているよ、そこに奴がいる」

「そうか二人は繋がってたんだね」

天田とノビラの出会った場所はあの店で間違いないだろう。時間をかけて姿を隠していたノビラがこうも簡単に表で生活している理由に繋がっていくと、予想は確信へと変化した。

「後は書類で」

細かな事を今聞くことは愚問だろう。徹底的に調べてから一つの書類として手にする事が出来れば、なんの目的で近づいたのかが明白になるはずだ。

一日で環境に変化があった薫は、思っている以上に疲れていたようだ。ご飯も食べず、ただひたすら子供のように眠る姿に癒されながら、電話を切った。例え聞かれたとしても、仕事関係と言えば、それ以上は踏み込んでこない。そんな単純な薫が可愛くもあり、心配でも会ったのだった。

薫は遠くから感じる伊月の声に反応しながら、眉をぴくりと動かす。一瞬、苦しそうな表情になっていたが、何事もなかったように、夢の中へと沈んでいった。

夢の作る世界は何の色も持たない空白の世界。その中に地上と天空があると、異常な速度で落ちていく。地上に足を沈めると、じんわりと温かいものが纏わりつきながら、薫の心を修復するように、包み込んでいった。

「温かい」

夢の中のはずなのに、温もりを感じている。この感覚は遠い昔に知っている記憶の一部から厳選されたものだった。母体の中で眠る命の煌めきのように、美しく、悲しい。共鳴していく感情に揺られると、自分が泣いている事に気づいた。

場面は切り替わると、ノビ
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