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第15話

Author: 冷たい花火
満足のいく結果を得た悠斗は、それ以上両親を煩わせることなく、立ち上がって病室に戻った。

彼は机の上に数日間放置されていたスマホを手に取り、電源ボタンを押した。

起動までの10数秒が、この瞬間、途方もなく長く感じられた。

悠斗は、明美にこの知らせを一刻も早く伝えたい気持ちが抑えきれず、パスコードを入力する左手がわずかに震えていた。

ネットワークがまだ接続中のまま、彼はまずダイヤル画面を開き、彼女の番号を入力して電話をかけた。

「プルルル、プルルル、プルルル」

呼び出し音が何度も鳴り響き、その長さが彼の心をじわじわと締め付けた。そして最後には、冷たい機械音声が耳に届いた。

「おかけになった電話番号への通話はお繋ぎできません。恐れ入りますが、しばらく経ってからおかけ直しください」

繋がらない?

エレベーター内で電波が届かないのだろうか?

いや、そんなはずはない。

悠斗の頭の中を、無数の考えが駆け巡った。

彼はスマホを机に置き、ラインを開いて彼女に連絡を取ろうとした。

アプリを開いた瞬間、画面いっぱいに広がる赤い通知バッジが目に飛び込んできた。

それは、彼が怪我をしたと知った友人たちからの心配のメッセージで、一つ一つ見ているだけで頭がクラクラした。

スクロールして10数件確認しても明美からのものは見当たらず、彼は諦めて連絡先リストから直接彼女の名前を検索した。

数秒後、画面の中央に「佐藤明美」の名前が現れた。

悠斗はその名前をタップし、テキストで送るか音声メッセージにするか迷いながら画面を見つめた。その時、画面下部に表示された数文字が目に入った。

【悠斗、別れましょう】

日付は3月29日、午後3時47分。

5日前だった。

その瞬間、それまでフル回転していた悠斗の頭が、突然フリーズした。

彼はそのメッセージをじっと見つめ、続けて日付を確認し、最後に画面上部の名前と「通知オフ」マークに視線を移した。

確かに自分が登録した「明美」という名前であり、間違いなく明美のアカウントだった。

それでも、彼にはどこか腑に落ちない感覚が残っていた。

もし本当に明美なら、何の前触れもなく別れを切り出すなんてありえないはずだ。

怒っているのか?それともただの悪ふざけか?

心が激しく揺れ動きな
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