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Home / BL / 俺ともう一人の私、どちらが好き? / 第12話 停戦協定(01)

第12話 停戦協定(01)

Author: 星琴千咲
2025-06-21 10:11:50

穂香に悠治が具合悪くなって病院に行ったと嘘をついてから、大介は悠子の言った場所へ向かった。

途中でなんで草むらと疑問したけど、実際に到着したら、「なるほど」と納得した。

悠治・悠子はびしょ濡れで、人の目の当たらない草むらの中で震えている。

「バカか……」

呆れた大介だったが、なんとなく事情を理解した。

こいつ、何らかの原因で池に落ちただろう。

それに、くだらないプライドで意地はって、穂香に見られたくないから、自分に電話をした。

「バカってなんなのよ。こんな姿が小日向さんに見られたら、悠治はまた死になくなるかもしれないわ」

「他人事みたいに言うな。お前は本当に都合のいい時だけが出てくるな……」

「都合のいい時じゃない、危機の時よ。先ほど悠治が池からふらふら上がったら、転がって頭が打たれたのよ!ほら見て、額のところにあざがあるでしょ?」

「なぜ池から…?まあ、どうでもいい……」

思わず尋ねようとしたけど、大介はすぐその話を切った。

「それより、今はメイクもしていないから、女口をやめてくれないか?気持ち悪い」

「とんでもない差別発言だよね?」

「まだそんなプライドがあるなら、当分死なないだろ」

大介は上着をぬいて悠子に投げた。

「オレが車で来たことに感謝しろ」

「こうなったわけを聞かないの?」

「聞いたところで正直に話すと思わない」

「へぇ~でも、本当はもっと聞いてほしいの」

起き上がったら、悠子はさりげなく大介の腕を抱き寄せた。

そのちょっと妖艶になった姿に、大介は目を向けずに、進路だけを見ていた。

「今のお前はこう言ってるが、悠治に戻ったら、また『お前に何が分かる』って吠えてくるだろ」

「さすが大介君、分かりが早い!」

「……」

「それは大介君のいいところと言うか、悪

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