彼女を侮辱するのが、そんなに楽しいの?
その後、司はバルコニーに立っていた。彼は黒いシルクのパジャマに着替え、長い指で煙草を一本つまんで吸っていた。
煙が立ち込め、彼の表情はよく見えなかったが、鋭い眉間がきつく寄せられているのがうっすらと見えた。
彼は急ぐように煙草を吸っており、灰が赤く燃える火花を帯びながら、怒気を孕んで落ちていった。
彼は、自分が狂ってしまったのではないかと思った。
「地の間」に問題はなかった。あえてマネージャーに嘘を言わせたのは、彼自身だった。
真夕と和也が一緒に泊まるのが、どうしても許せなかったのだ。
彼女がコンドームとランジェリーを注文したと知った瞬間から、彼の頭の中では二人が何をしているのかという妄想が止まらなくなった。
自分の感情を、もう制御できなかった。
こんな深夜、司は自分の中にある、真夕に対するひそやかで恐ろしい欲望に気づいてしまった。彼は、彼女を手放せなかったのだ。
真夕を他の男に取られるなんて、絶対に無理だった。
彼は彼女を愛していない。
だが、彼女がくれる快楽には、強く惹かれていた。
ただの遊びとはいえ、まだ足りていない。まだ物足りないのに、どうして他の男に譲ることができるのだろう?
その時、背後から誰かに抱きつかれた。「司、どうして煙草なんか吸ってるの?」
彩だった。
彩は司が煙草を吸う姿を、滅多に見たことがなかった。
司がゆっくりと振り返った瞬間、「カチャッ」とドアが開き、風呂から上がった真夕が出てきた。
和也が前に出た。「真夕、もうお風呂上がった?」
真夕は軽く頷いた。「うん」
その時、真夕の視線がバルコニーにいる司と彩に向いた。彩は後ろから司に抱きつき、彼の指にはまだ煙草が残っており、二人はとても親密に見えた。
あれだけ酷く自分を侮辱した後、彼は今、彩と一緒にいる。
真夕は目を逸らした。「髪を乾かしてくるね」
彼女はドレッサーの前に座り、ドライヤーを手に取って濡れた長い髪を乾かし始めた。
和也が近づいてきた。「俺が乾かしてあげるよ」
司は真夕を見つめた。風呂上がりの彼女は、白いナイトドレスを着ていた。レースの襟付きで、まるでお人形のようだった。
ドレッサーのライトが彼女の顔を照らし、すっぴんの小さな顔は雪のように白く、柔らかそうで、とても愛らしかった。
和也は彼女