司はすでに出てきていた。彼はさっきの音声メッセージを全部聞いていた。
真夕「……」
その瞬間、彼女は頭の中が真っ白になり、「バッ」と立ち上がった。「ち、違うの、司、説明させて……!」
あまりの動揺に、彼女のスマホは手から滑り落ちてベッドの上に落ちてしまった。
すぐに、幸子の音声メッセージが続けて再生された。「堀田ってやつはあんなにスタイルいいし、シックスパックあるに決まってる!それにあの指の長さ!指が長い男の人って、ベッドの上で最高なんだって!真夕、行け行け!今夜、堀田を落としちゃえ!」
さっきまで説明しようとしていた真夕はこれで徹底的に言葉を失ってしまった。
一層、壁に頭打ち付けて死にたいぐらいだった!
誰か助けてくれ……幸子との会話は最初はちゃんとしてたんだ……ただ、幸子がどんどん暴走していって、どんどん下ネタになっていったんだよ!
場の空気はもはや、気まずさの極みになっていた。
真夕はシャワールームの前に立つ司を見て、乾いた笑いを浮かべた。「全部聞かれちゃったみたいだね……あれ、全部幸子が言ったことなんだから、私と関係ないわ」
今はもはや、親友を裏切るしかないと、真夕は思った。
司はシャワーを終えたばかりで、体からは清々しい湯の香りが漂っていた。彼の端正な顔には特に表情の変化がなかった。彼はただ一言、「シャワーでも浴びたらどうだ?」と言った。
「はいっ!」
真夕はバタバタとシャワールームへと駆け込み、すぐにドアを閉めた。
三秒後、外にいた司は中から彼女の叫び声を聞いた。「ああああああ!」
もう無理だ。
司は薄い唇を持ち上げ、くすっと笑った。
真夕はしばらくシャワールームで時間をかけ、やっとのことで出てきた。彼女は人生でこんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてだった。
外に出ると、司はすでにベッドにいた。彼はシャープな背中をヘッドボードに預け、スマホで仕事をしているようだった。
ベッドは一台だけだった。彼がそれを独り占めしていたら、彼女はどこで寝ればいいの?
この部屋にはソファもないし、床で寝るなんて到底無理だ。
そのとき、司が顔を上げ、彼女を一瞥した。「突っ立ってないで、ベッドに来て寝ろ」
ベッドに来て寝ろ、と彼は言った。
つまり、今夜は彼と同じベッドで寝ることになるのだ。
以前も一緒に寝たことはあった。真夕は変に