――まさか、このおじさん、私に変な気があるんじゃ?
そんな可能性が脳裏をよぎった瞬間、梨花は一気に警戒モードに入った。今の自分たちの状況じゃ、このおじさんに何かされても抵抗できる力なんてない。まして清は病人だ。彼を置いて逃げるわけにもいかない。
そのとき、まるで彼女の考えを読んだかのように、猟師のおじさんがふっと笑って言った。
「俺はお前みたいなガリガリのもやしには興味ねぇよ。もっと色気のある女が好みなんだ」
……読まれてた。
図星を突かれて、梨花の顔は真っ赤になった。なんだか、自意識過剰なやつみたいじゃないか。恥ずかしさでいたたまれなくなる。
「彼の面倒は俺が見とく。たぶん、明日には熱も下が