ビデオ通話の後、私はずっと不安な気持ちを抱えていた。
翌朝、私はなかなか寝付けず、気分転換に階下へ降りて散歩することにした。
階下に降りると、救急車が停まっていた。
私は誰かが急に病気になって呼んだのだろうと思い、気にせずに通り過ぎようとした。
その時、白衣を着た二人の医師が突然私のところに駆け寄り、左右から私を掴んだ。
「あなたたちは何者?なぜ私を掴むの?」
私は驚き、慌てて抵抗した。
「おばあちゃん、怖がらないでください。私たちはおばあちゃんを治療しに来たんです」
「おばあちゃんの統合失調症はすぐに治りますよ」
「息子さんから連絡があり、おばあちゃんがひどく錯乱していて、一人で家を出て帰ってこないと言っていました」
「家のお金も誰かに騙されてしまったそうです」
「診断書も持ってきたんですよ。悪い人たちではありません」
医者姿の二人はそう説明していたが、私を掴む力は強く、無理やり救急車に押し入れようとした。
「私は病気じゃない!これは誘拐よ!警察を呼ぶわ!」
私はすぐに説明し、心の中ではこれがどういうことか理解していた。
またあの親子が仕組んだことだ。また私に偽の診断書を押し付け、ありもしない病気をでっち上げたのだ。
彼らのやり方は、何十年経っても変わらない。
絶対に病院に入れられてはいけないと思い、必死で叫び始めた。
すぐに、姪とその彼氏が物音に気づき、駆け降りてきた。
姪の彼氏はすぐに駆け寄り、弁護士バッジを見せた。
「あなたたちが無免許医療行為を行い、誘拐監禁しようとしているのではないかと強く疑っています」
「既に警察に通報しました。今、誰もここから離れることはできません」
周りの人たちが野次馬根性で集まり、誘拐事件だと聞くと騒ぎ始め、スマホで動画を撮り始めた。
二人は私を掴むのをやめ、自分たちは正規の医療行為を行っていると説明し、立ち去ろうとした。
しかし、周りの人々に止められ、逃げることはできなかった。
すぐに警察が到着し、私たちは全員警察署に連行された。
医者姿の人たちは本物の医師だったが、診断書を書いた医師に問題があり、賄賂を受け取って診断書を作ったことが判明した。今回は医療事故寸前だった。
私たちはすぐに告訴状を提出し、加藤親子を殺人未遂で訴えた。
......
警察署で調書を終え、外に出る