-96 ご飯のお供②-
温かな朴葉味噌を熱々の白米に少しずつ乗せご飯を楽しむ一同、そんな中林田が懐で何かをごそごそと探し始めた。
林田「次は私がご紹介させて頂いて宜しいでしょうか、ゲオルさんのお店でこれを売ってたので助かりました。」
林田は懐から小瓶を取り出すと嬉しそうに中身を自ら用意した小皿に出した、誰もが食べた事があるであろうメンマの「やわらぎ」だ。
林田「そのまま食べても美味しいのですが、これを胡瓜キムチと混ぜても食感が良くてご飯にピッタリなんです。」
小皿とは別に少し大きめの器を用意し、胡瓜キムチとやわらぎを混ぜて振舞った。シャキシャキの胡瓜と柔らかなメンマがバランスよく混ざっている。メンマに和えられた辣油が味のアクセントになってご飯を誘い、それにより光と結愛はずっと箸が止まらなかった。
結愛「アクセントの辣油がキムチの味を引き立てていますね、今日ご飯足りますか?」
光「一応2升は用意しているんですが追加注文しないとダメかもしれませんね。」
光と結愛、そして羽田や林田のご飯のお供の時点で用意をしていた半分の1升が無くなろうとしていたので実は焦っていた。念の為、今現在もう半分の1升をお釜で炊いている状況だが無くなるのも時間の問題だろうか。林田のやわらぎ入り胡瓜キムチの出現は一同にとって大きかった、光は『瞬間移動』を利用して地下の貯蔵庫から追加の米を持って来る事にした。念の為に2升程追加を用意し、食事に戻った。
すると、家の入口の辺りから聞き覚えのある男性の声がした。
男性「林田さん、林田さん?いらっしゃいますか?来ましたよー。」
その声に返事をする林田、ただ口の中には米が残っている。
林田「ああ・・・、待って・・・、ましたよ・・・。裏・・・、庭に・・・、どうぞ・・・。」
光「あれ?どなたか呼んだんですか?」
林田「ごくん・・・、失礼しました。光さんもお会いした方ですよ。」
男性「こんにちは、お久しぶりです。」
優しい笑顔で見覚えのある男性が裏庭に入って来た、この異世界で車を購入したお店の店主・珠洲田だ。
珠洲田「光さん、お久しぶりですね。林田さんにご招待を頂きまして来させていただきました。私も皆さんと一緒でご飯が大好きなんです。」
光「お久しぶりです、レースの映像でお見かけしましたよ。」
珠洲田「これはこれはお恥ずかしい、まさか見られていたとは