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佐行 院
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Novels by 佐行 院

(改訂版)夜勤族の妄想物語

(改訂版)夜勤族の妄想物語

「繋がっていない様で繋がっている」をテーマに夜勤で肉を切っている間に妄想したままを書いています、宜しければどうぞ。 風光明媚な小さな町(1)を舞台に始まる俺の妄想をコメディっぽく描いてみようと思います、 巨大財閥が買い取った高校(2)における主人公たちの奮闘模様や、 「らしくない異世界(3·4·7)」で繰り広げられるドタバタ劇、 そして現実世界(5·6)を舞台にしている過去の恋愛等を自分なり(マイペース)に更新していく予定ですのでお気軽にクスクスと笑いながらお楽しみ頂ければと思います。 こちらの作品は「エブリスタ」にも掲載しています https://estar.jp/novels/26278127
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Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」180
-180 力になれるか- やはり一国の王城で大臣をしているからか、もしくは過去のやらかしをナルリスから聞いていたからか、好美がロラーシュの事を知らない訳が無かった。きっと渚の屋台での修業の相談を受けていた1人だったからという理由が1番だと思われるが好美にとってはどれでも無かった様だ、好美が大臣の過去のやらかしを初めて知ったのはテレビのニュースでだった上に王城の者で会った事があるのはパン屋でひっそりと働く王族達だけであった。ランバル「ああ・・・、あのニュースですか・・・。あれが報道された時私も恥ずかしくて顔を赤くしちゃいましたよ、本当に情けなくて仕方ありませんでした。」 兄の黒歴史を滲む汗を拭いながら話す弟、ただ今聞きたいのはそんな事では無い。守「それで・・・、ロラーシュ大臣がこの店に来た時に何を言ったんです?」ランバル「ああ・・・、そうでしたね。ついつい忘れかけていましたよ。」 顔を赤くしながら頭を何度も下げる店主、どうやらこういった行動は癖だと言っても良い位によくやってしまうらしい。ランバル「私も小耳に挟んだだけの話だったんですが兄は王様から「暴徒の鱗」という拉麵屋の支店をこの国に出す為に修業をして来る様に命じられた様なんですね、ただその直後に何処からか私が店を出すと言う話を聞きつけて飛ぶ様に帰って来たんです。この店の開店を数日後に控えていたその時、そこのドアを勢いよく開けて私に言って来たんです。」 ランバルは店の出入口を指差しながら続きを語った。ランバル「「ランバル、良かったら洋食と拉麺を融合した店を出そう!!俺が今受けている修業が終わるまで店を開けずに待っててくれ!!絶対だぞ!!」とだけ私に告げてすぐに出て行きました、兄は昔から言い出したら聞かない人でしたから私も何も出来なくて今に至る訳なんです。」守「そうですか・・・、困ったもんですね・・・。好美、何とか出来ないか?」 その場で力になれそうなのは他でも無く好美だった、やはり優秀な起業家なうえに「暴徒の鱗」の経営者の1人だからだ。好美「私?うーん・・・、ちょっと考えてみないと・・・。」 流石に他店の、ましてや渚の経営する屋台の事に付け入るのは気が引けた、ただ話の流れが読めない店主はただただその場でポカンとしていた。ランバル「あの・・・、どう言う事です?」 好美はため息をつきながら
Last Updated: 2026-05-04
Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」179
-179 兄- ランバルと名乗った未だに開店日を決める事が出来ない飲食店の店主は恋人達を店の中に招き入れて2人に冷たい水を1杯差し出した、汗が滲み出ている様子から暑い日が続くバルファイ王国からやって来た事を察したが故の行動だと思われる。ランバル「すみません、こんな物しか出せなくて。」 本人は「こんな物」と謙遜していたのだが全く使われていない綺麗なグラスに注がれていたとても冷たいその水はダンラルタ王国で最も高い山の天辺で店主が自ら汲んで来た拘りの湧水だそうだ、本人曰くこの水で作る料理や水割りにしたウイスキーは絶品らしい。守「いえ、俺達も突然やって来たのに有難うございます。開店準備でお忙しかったのではないですか?」 未だに開店出来ない理由を知らない守はきっと店主が1人で行っているが故に準備が追いついていないからだと推測していた、やはりテーブルやチェアは揃っているのでいつでも開店できるような気がしてならない。ただランバルの返答は意外な物だった。ランバル「いえ、全く忙しくはしていなかったんです。寧ろ暇で暇で仕方が無かったと言いますか。」 そこはやはり料理人らしく、拘りの食材がなかなか手に入らないので開店出来ないからなのだろうか。好美「じゃあ・・・、お料理が作れないからとかですか?絶対料理に入れたい具材が見つからないとか。」 好美の推測を聞いて店主は首を横に振った、では一体どういった理由なのだろうか。ランバル「そう言う訳でも無いんです、実際冷蔵庫には長期保存が可能な食材を多数揃えておりますのである程度の料理ならすぐにお出し出来るんです。」好美「では何で開店出来ないんですか?料理を出せるなら開けちゃえば良いのに。」 好美の言葉には「店を開けてくれ」と言うより「何でも良いから食わせてくれ」という意味が含まれている様に思われた、きっと空腹がピークに達して我慢が出来なくなってしまったのだろう。ランバル「私もそうしたいんです、しかしある理由がありまして・・・。」守「「ある理由」ですか・・・。」 ここまで引っ張ったとなるとよっぽど言いづらい理由なのだろうなと想像した守は少し気になりつつも店を後にすべきなのではと思い始めた、しかし飲食店のいち経営者である好美はランバルが店を開ける事が出来ない理由を聞きたくて仕方が無かった。と言うよりお腹が空き過ぎて仕方が無か
Last Updated: 2026-05-04
Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」178
-178 空腹と財力、そして新たな事実- 2人を乗せた車(カペン)は「竜騎士の館」の駐車場を出てバルファイ王国を縦断する様に延びる真っ直ぐな国道を抜けてダンラルタ王国特有の山道へと近づいて来た、バルファイ王国には高層ビルがずっと並んでいたが国境を越えた瞬間から建物は数件だけがぽつぽつとあるだけとなっていた。好美「同じ世界でも景色が全然違うね、バルファイ王国が都会ならダンラルタ王国はド田舎みたいな感じ。」 確かに好美の言っている事は正しい、ダンラルタ王国は他の2国と比べては発展と開発が進んでいないのでそう見えても仕方が無い。 守は周りのゆったりとした景色を見ながら山道の上り坂を走る為にギアを「5」から「4」に下げてエンジンの回転数とパワーを上げた、アクセルを踏んだ瞬間にエンジンが一気に動いていくのが体に伝わっていた。カペン「ちょ・・・、ちょっと・・・。強すぎまへんか?無理したらあきまへんで。」守「そうかな・・・、結構急な上り坂だと思うんだけど。」カペン「だからって、彼女はんも乗ってはりますのにそないな運転したら危ないでっせ。」守「その時はお前が何とかしてくれよ、世の中臨機応変って言うだろ。」カペン「いや頼られましても・・・、ワテは運転された通りに動くしか出来まへんで。」 愛車の言葉を聞いて深呼吸した守は改めてギアを「5」に戻した、上り坂もなだらかになって来たので結構丁度良かったみたいだ。 そんな中、好美からまさかの一言が・・・。好美「ねぇ・・・、お腹空かない?」守「いやいや、お前さっきボーリング場でかなり食ってからそんなに時間は経って無いのに何で腹が減るんだよ。」好美「だって・・・、本当に空いたんだもん・・・。」 流石にボーリングの5ゲームを無料でプレイしている間にカップ麺を(推定)20個以上食べていたというのに1時間も経たない内に腹が減る訳が無いと思うんだが、それに「無料」の意味が無くなる位に食ってたからちょっとは節約する事を考えた方が良いんじゃ無いのか?好美「大丈夫よ、私達の財力を舐めないでよ。」 別に舐めている訳では無い、金がある時だからからこそ大切に守る為に節約するべきだと言っているんだが。正直これから先、何があるか分からないからな。好美「何よ、ただの平社員であるあんたなんかより私は儲けているから余計な心配しないでよ。」
Last Updated: 2026-05-04
Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」177
-177 女王様と呼ばれる鬼- 好美のスマホ画面に映るイャンダからのメッセージを見た守はとある疑念を抱いていた、その場においては正直言ってどうでも良い事なのだが恋人からの答えが「No」である事を願うばかりであった。本当に神経質な奴だなぁ、全く・・・。守「うっせぇな・・・、気になるんだから仕方ねぇだろうが。こんな性格に誰がしたって言うんだよ!!」 はいはい、正しくこの俺でございます。そんなに気になるなら試しに聞いてみろよ、俺からすればくだらなさ過ぎて欠伸が出そうだけどよ。好美「何?「気になる事」って。」 ほう・・・、彼女さんもお待ちかねだぞ。早くしろって。守「分かってるよ・・・。いや勝手に想像しただけなんだけどさ、好美ってSMの女王様なのかな~・・・、って。」 顔を今までの人生(?)で1番という位に赤くしながら守の背中を殴る好美、よっぽど今の発言が恥ずかしかったんだろう。好美「馬鹿!!そんな訳無いでしょ!!私にそんな趣味がある訳無いじゃないのよ!!イャンダよ!!あいつ最近ネフェテルサ王国で数人のウィッチやフェアリー、それにサキュバス達が経営するSMクラブに休みの度に通ってんの!!その影響で私の事を何故か「女王様」って偶に呼ぶ時があるのよ!!」 今の「何故か」という言葉が少し引っ掛かっていた俺、この事象を裏付けする事実が過去にあったり無かったり・・・。好美「何よ、あんたまで私の事を「女王様」って呼ぼうっての?!まぁ、響きは悪くないんだけどさ。」 おいおい、ちょっと嬉しそうにしてんじゃねぇかよ。あれだろ、絶対「鬼の好美」の影響だろ、とうとうSに目覚めましたか!!好美「もう、本当にいい加減にしないと本当に鞭でぶつよ!!」 ああ~・・・、女王様~・・・、是非足蹴にしながら・・・、って違う違う!!全く・・・、俺も悪ノリしちゃったじゃねぇかよ。一先ず深呼吸してっと・・・、さて、話を進めますかね。 ただ守には好美の性格以上に気になる事があった、このまま卒業旅行を続けてもいいのかどうかだ。守「なぁ好美、流石に新店舗の設立ともなるとただ事ではないからすぐ帰った方が良いんじゃねぇのか?」 俺も守に同意していた、しかし好美はマイペースを崩そうとはしなかった。好美「大丈夫よ、渚さん達が話し合って決めてくれているからお任せした方が良いでしょ。それにもしも「ビ
Last Updated: 2026-05-04
Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」176
-176 契り(契約)- その場において第三者となる守の視点から見れば契約を交わした好美とベルディは書類上での「甲」と「乙」の関係となり、決して「姉(姐)弟」と言える様な物ではなかった。恋人の事を「姐さん」と呼ぶ女将から受け取った「あれ」、そう、スコアシートを見ていた守にはただもう1つ引っ掛かっている事が・・・。守「好美・・・、お前何も不自然には思わないのかよ。」好美「別に、私も了承した事だから良いと思うし、「甲」と「乙」といった契約者同士より「姐さん」と「弟分たち」の方が何となく一緒に仕事し易いもん。」 守は好美が良いと言うならと別に気にしない様にしてはいたが、対する番頭・女将夫婦は納得しているのだろうか。ネイア「納得も何も私達の方から「姐さんと呼ばせて下さい」と申し出たんです、好美さんが心の広いお方で嬉しいですよ。」ベルディ「それに共に働くとなると家族同然の様に接した方が互いに気楽ですからね、実は亡くなった私やイャンダの祖父からの言い伝えだったりするんですよ。」 ただ1つ、守には気がかりな点があった。当の本人である好美がいない間にどうして契約の話が進んでいたのだろうか。 時は恋人達が1ゲーム目を始める寸前に遡る、事前に予約してきた団体を含んだお客たちの出迎えや受付等を数人の仲居や従業員達と共に済ませたベルディは一旦その場が落ち着いたので小休止を取ろうとフロント裏にある従業員用の喫煙所へと向かった。ベルディ「ふぅ~・・・、疲れた・・・、そうだ・・・。」 ゆっくりと煙草を燻らせながら「例の事」を弟であるイャンダの耳に入れておこうと懐からスマホを取り出した番頭、アプリの連絡帳から弟の電話番号を表示させつつも1つ気になっている事を思い出して手を止めた。ベルディ「あいつ・・・、俺の事を恨んでいないかな・・・。」 本人の背中を素直に押してやる事が出来なかった事を悔やんでいた兄はあれから音信不通となっていた弟の声を聞くのが何となく怖かった、しかし自分が申し出た契約の事なので迷う事はやめて電話をかける事にした。深呼吸したベルディが電話をかけると、数回コール音が鳴った後にやや小さめの声でイャンダは電話に出た。イャンダ(電話)「も・・・、もしもし・・・。」ベルディ「もしもし、久しぶりだなぁ。イャンダ、元気にしてたか?」イャンダ(電話)「ああ・・・、兄
Last Updated: 2026-05-04
Chapter: 7. 「異世界ほのぼの日記3」175
-175 兄弟- ハッキリ言って既に分かっていた事なのだが5ゲーム目も好美の圧勝で終わった、正直言って守は今すぐ元の世界にいた頃の友人達に縋りたくなっていたが決して叶う事の無い夢だ。ただ守が好美に負けたという事実は変わらない、この流れのままだと守は好美にデザートをご馳走しなければならないが何となく認めたくなかった。守「待てよ、罰ゲームなんて突然言い出した癖に何の証拠も無い状態でデザートを奢れってのかよ!!確かに俺が負けたのは事実だが少し横暴すぎやしないか?!」 意地でも負けを認めようとしない守、ただこの様な一方的に攻められている状況でどうやって逃げ道を作るべきか分からなかった。しかし、好美には自らの勝利を証拠づける最適な方法があった。そう、何処のボーリング場でも得る事が出来る「あれ」だ。好美「守、まだ私から逃げるつもり?罰ゲームの執行を避けるつもり?」 何処からどう考えても負けを認めるしかなかった守、その様な状況にも関わらずしっかりとした証拠を突きつけようと必死だった好美。2人がプレイしていたレーンに備え付けられていたテレビ画面の表示によるとどう見ても勝負は決していたのだが・・・。好美「女将さん、「あれ」をお願いします。」 俺からすれば「あれ」と言う程大袈裟な物では無いと思うのだが、と言うか会計の時に大抵貰える物だから要求しなくても良いのではと感じてしまう。ネイア「はい!!姐さん、こちらをお納めください!!」 おいおい、この世界の住民は皆ノリが良い事は知っているがそこまでしなくても良いだろう。ましてや長命種であるエルフが普通の人間に「姐さん」だなんて、自分達の年齢を考えろよな。好美「言いたい事は分かるんだけどさ・・・、実はね・・・。」ネイア「はい・・・、姐さん・・・。」 いやいや、あんたら2人だけでそんな雰囲気出されても話の流れが分かる訳が無いだろうがよ。分かった、第三者の意見を聞こうじゃ無いか!!番頭さんを呼ばんかい!!好美「良いよ、でも結果は一緒だと思うけどね。」 何、結果は一緒だと?!よし、話を進めてみようじゃないか。 ネイアが旅館の受付に内線を繋いでから数分経過した後、番頭であるベルディが走ってやって来た。ベルディ「姐さん!!お待たせしました!!」 何でだよ!!いつの間にあんたらはそんな関係になったってんだよ!!好美「あ
Last Updated: 2026-05-02
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