-㉙会合の結果-
東側の出入口が開放されて数日、街中の人口密度が一時的に上昇しているこの状況に光がやっと慣れてきた今日この頃、街の掲示板に一際目立つ貼り紙が掲示されていた。
『-ネフェテルサ国王・獣人族・鳥獣人族主催 ネフェテルサロックフェス 今年も開催-』
お堅い仕事に就きながらロックが好きな上に全人類平等を日々主張しているこの国の国王が街中に住む獣人族と鳥獣人族と協力して毎年開催しているフェスだそうだ。光の知り合いではパン屋のウェインと、マック・キェルダの双子の兄妹が新聞屋のナルとバンドを組み参加を表明していた。
そんな中、未だ東側の出入口からは上級魔獣や上級鳥魔獣がカードを提示して街に入って来ていた。どうやら今回のロックフェスは彼らの為のイベントらしく、各々に属する者たち同士の交流を主な理由としているものだった。
光がパン屋での仕事を終えると東側の出入口の手前でウェイン、マック、そしてキェルダが誰かを待っている様だった。
光「ねぇ、ナルと待ち合わせ?」
キェルダ「ああ、光ちゃんか。実はもうすぐあたいら3人の叔父さんが来ることになってんだよ。」
光「えっ・・・、3人?!マックとキェルダが双子の兄妹なのは知ってるけど。」
ウェイン「俺、こいつらの兄貴なの。そんで俺ら全員鳥獣人族だから。」
光「なるほどね・・・、でも鳥獣人族だったら東側の出入口でなくても入れるんじゃない?」
マック「俺らの叔父さんはコッカトリス、上級の鳥魔獣なんだ。」
すると、一際煌びやかな翼を羽ばたかせ1匹のコッカトリスが出入口の守衛にカードを提示しスーツ姿の男性に化けて街に入って来た。男性が兄妹に近づいて声を掛けた。
男性「皆久しぶりだな、迎えに来てくれたか。」
3人「デカルト叔父さん、待ってたよ。」
ウェイン「今日はこの後予定あるの?」
デカルト「もうそろそろ迎えが来ていると思ったんだが、そう言えばそちらの方は?」
光「吉村 光です、3人とは同じパン屋でお仕事頂いております。」
デカルト「光さんか、よろしくね。」
すると、街中に真っ黒で長いリムジンが入って来てまさかの国王が隣のバルファイ王国の国王と降りてきてデカルトの元にやって来た。
国王「先輩、こちらにいらっしゃいましたか。」
デカルト「おう、エラノダ。やっと来たか、早速行こうか。」
隣国王「とりあえず早く会合を終わらせましょ