(本当は、俺よりも剣術が優れている雫さんがこれを使う予定だったけどね)
だから、俺に雫さんはあの時この黄昏の剣を託したのだ。
よく見るとサイファーも元の姿に戻りスカード同様地面にうずくまっていた。
(おそらくアーマーアームドの耐久が限界値を超えたんだろうな……)
それを見たガウスは俺の右手を握り、掲げ勝どきを上げる!
「聞け! ファイラスの全兵そして国民よ! ザイアードの大将魔王スカードをファイラス国王守様が打ち取ったぞー!」
「うおおおおっ! やったぞ皆っ! 俺達の勝利だっ!」
「ファイラス軍万歳っ!」遥か後方に下がっていた全兵が歓喜の大声を上げながら、次第にこちらに近づいてくる!
(よし、もういいだろう)
「……アームド解っ!」
俺は学のアームドを解除し、その場にへたり込む。
学も同様にへたり込んでいた。
「守、学っ!」
気が付くと雫さんも俺達の元へ駆け寄ってきた!
(この感じ、終わったのか……?)
俺は隣で親指を立て、爽やかな笑顔でこちらを見つめている学を見ながら激しい戦闘に終止符が打たれた事を実感したのだ。
「ッ⁈」
何故か急に寒気と、胸騒ぎがする……⁉
俺は反射的にスカードが倒れていた場所に目を移す。
何とスカードは驚いた事にその場に立ち上がり、仁王立ちしているではないか!
「ば、馬鹿なっ! お前は守様によって心臓を貫かれたはずだぞっ!」
ガウスは剣を再び抜き、その切っ先をスカードに向け威嚇する。
俺達も急いで立ち上がり、警戒態勢をとるが……?
「……なんかスカードの奴、ぼーっとしているし様子が変じゃないか?」
「う、うん……。目がなんか真っ赤に変わっているし…&hellip