「ダメだ!絶対に認めない!」
近藤母は怒りに震え、手元にあった壺を床に叩きつけた。それは、私たちの結婚の際に私が彼女に贈ったものだった。
今ではこの結婚と同じく、壊れ散ってしまった。
彼女は震える指で私を指差し、声を荒げた。
「残りの株をこの女に渡すなんて、絶対にあり得ない!」
智也が成人したとき、近藤母は彼にいくらかの株を譲った。
その後、結婚すると、智也はその株の半分を私に譲渡してくれた。
今、智也は私を守るように前に立ち、私がその場を去らないように必死だった。
「母さん、雪乃は俺の妻だよ。俺たちは家族だ。株を渡したところで、結局は家のものだろ?」
「それに、今回は俺が悪かったんだ。償いとして渡すのに何が問題なんだよ?」
近藤母は怒りのあまり言葉を詰まらせた。
「こ、この親不孝者が......」
母子の言い争いは激しくなるばかりで、雰囲気はますます険悪になっていく。
私は少し下がり、涙ぐんだ声で言った。
「お母さんが私を信じていないのは、十分わかっています......」
智也は私が泣いている姿を見て慌て、私の涙を拭いながら近藤母に訴えた。
「母さん、お願いだよ。雪乃に株を譲ってくれないかな」
近藤母は堪えきれず、箒を手にして智也の背中を叩いた。
「この親不孝者!私を怒り死にさせる気か!」
しばらく様子を見ていた私は、静かにお茶を置いて口を開いた。
「お母さんが私を信じられないお気持ちは理解できます」
そして解決策を提案した。
「お互い歩み寄る形として、その株を子どもの名義にしてはどうでしょうか」
近藤母はじっと黙り込み、一言も発しなかった。
「私が株を欲しいのは、ただ安心と保証が欲しいだけで、他意はありません」
彼女の目を真っ直ぐに見据えて続けた。
「結局、株が集中していれば、会社の混乱を整理するのも私にはやりやすいのです」
私は微笑みながら付け加えた。
「そうですよね、お母さん?」
近藤母は雪乃ベッドの中で眠る子どもをちらりと見て、最終的に渋々ながら了承した。
不安要素がなくなった私は、すぐに会社に戻り仕事に取り掛かった。
まず記者会見を開き、問題の写真が偽物であることを明確に