けれど、ぎこちなさが続き、彼も痺れを切らした。
だから、適当に事を済ませた。
......
終わった後、九条時也は起き上がり、乱れたベッドを見つめた。
水谷苑はまだうつ伏せに横たわっていた。
細い肩にはキスマークが無数につけられ、ひどく弄ばれた後のように見えた......彼はすぐに立ち去らず、ベッドの端に腰掛けてタバコに火を点けた。
水谷苑は体を丸め、シーツを体に巻きつけた。そのあどけない顔には、大きな瞳を涙が浮かべていた。
いつも、終わった後はこうだ。
九条時也は少し暗い表情で、彼女をじっと見つめた後、タバコの火を消し、立ち上がって部屋を出ていった......
彼が去った後、
水谷苑はシーツを握っていた白い手を離した。少しぼんやりとした表情になり、心臓が激しく鼓動し始めた。九条時也がこんな夜更けにやってきたのは、離婚するためだという予感がした。
たとえ体を重ねたとしても、
彼は満足していない。つまらないと思っている。
案の定、しばらくすると階段を上ってくる足音が聞こえた。
九条時也が寝室のドアに現れた。
すると、水谷苑は再び、何もわかっていないような表情に戻った。
半裸の彼女に、黒い髪が絡みつく白い肌、その姿は妖艶だった。
九条時也はベッドの脇に座り、離婚協議書を彼女の前に置いた。優しい声で、まるで子供をあやすように言った。「これにサインしたら、寝かせてあげる」
水谷苑は離婚の意味がわかっていないようだった。
そして、離婚協議書を手に取った彼女は、自分の体が半分露出していることにも、彼の目が再び暗く光っていることにも気づいていなかった......一度は静まった男の欲望が再び燃え上がったが、彼は表情を変えずにそれを抑え込んだ。
水谷苑では彼を満足させることはできない。
離婚協議書には、財産分与も親権についても記載されていない。彼女は正気を失っているのだ。彼は彼女を一生養っていくつもりで、正月や祝い事がある度に、九条津帆を連れて会いに来るつもりだった。
水谷苑は書類を開かなかった。
彼女はそこに書かれた文字をじっと見つめた後、顔を上げて彼を見た。彼女の目は、まるでウサギのように赤く潤んでいた。「あなたは......私を捨てるつもりなの?」
「ああ」
九条時也は即答したが、声は嗄れていた。
世間知らずの水谷苑の顔は、し