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Home / 恋愛 / 離婚カウントダウン、クズ夫の世話なんて誰がするか! / 第87話

第87話

Author: ちょうもも
「紹介はできますが、寒河江さんが気に入るかどうかまでは保証できません。あの人は好みがうるさいですし、気難しくて読めませんから......」

小林爺も悠良にそれ以上無理に求めることはなかった。

「いいだろう」

それを聞いた悠良はもうここに長居するつもりはなく、さっと立ち上がる。

「では、莉子にまだ連絡します」

家を出ると、一気に空気が軽くなった気がした。

さっきまで中にいたときは息が詰まるほどだったのに、今はそれが嘘みたいだった。

思わず額の傷に触れると、痛みで顔をしかめる。

「つっ......」

莉子、本気でやってきたな。

でもまあ、自分もそれなりにやり返したからいいか。

スマホを取り出してタクシーを呼ぼうとしたとき、ふと葉からメッセージが届いているのに気づいた。

【今日、父親のお誕生日で実家に帰ってるの?】

悠良は葉が何か用事があるのかと思い、手早く返信した。

【うん。どうかした?】

するとすぐに葉から怒った顔文字と短いメッセージが送られてきた。

【石川のSNS見てみて】

悠良はSNSを開いた。

半時間前に投稿されたものだった。

【これからの誕生日は毎年、最愛の人と一緒に】

その下には写真が一枚添えられていた。

玉巳が海辺で後ろ向きに男と手をつないでいる写真だった。

顔は見えなかったが、その手には見覚えがありすぎる。

史弥だった。

結婚指輪は外していても、指にはまだくっきりとその跡が残っていた。

悠良は皮肉に唇をゆがめて笑った。

これが史弥の言っていた「立て込んでいる」というやつか。

史弥は小林家での態度を知っている。

自分がいないとき、雪江や莉子がどんな風にふるまうかもわかっていたはずだ。

それでも史弥は玉巳との時間を選び、悠良をひとりその場に置き去りにした。

そのことに改めて気づかされ、悠良は玉巳のSNSを閉じるとタクシーを呼び出した。

車中で再びスマホを取り出し、葉にメッセージを送る。

【最近の寒河江さんのスケジュールを調べてもらえない?】

葉はいつも快諾してくれるから、悠良も気楽に頼める。

【わかった。五分待ってて】

その言葉に悠良はほっと息をついた。

きっと葉には手立てがあるはずだ。

葉はかつて史弥に玉巳を優先するために解雇されたが、それでも悠良には頼れる存在だった。

業界に長く
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