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روايات بقلم アイさん

悪魔祓い(デビルブレイカー)

悪魔祓い(デビルブレイカー)

悲劇は、こうして始まった。 平和だった国は突如、地獄の世界へと変貌する。 少年グレンは絶望の中で悪魔と契約し、力を手に入れた。 しかし、その代償は――人として決して失ってはいけない「他人を想う心」。 悪魔は人間の心臓と目を好んで食べる。 心臓を食べられた人間は悪魔の姿へと変わり、 さらに他の人間の心臓を求めて彷徨い歩く。 人々は、そんな悪魔の存在に恐怖した。 だが、この世には悪魔に対抗する力も存在する。 人々はそれをこう呼んだ。――"悪魔祓い"(デビルブレイカー)と。
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Chapter: 第39話 選択②
ラウスが産まれてから5歳になった頃。未だグロードはベリエルを見つけられずにいた。その日は休日出勤で働きに出ていたヒスイの代わりに、グロードがラウスの世話をしていたのだった。「お父さん!」グロードの所まで走って近づくラウス。ラウスは髪色は母親譲りの綺麗な白銀であったが、顔はどちらかというと子供の頃のグロードに似て優しそうであった。「どうしたんだ、ラウス?」「この魔法書に書かれてるやつが分からないんだけど、教えて欲しい。」ラウスはどうやら魔法書を見ながら勉強しており、グロードは分からないところを教える為に一緒に見た。ーーこうしてると、ベリエルに勉強を教えてた頃を思い出す。一瞬ベリエルを思い出したが、すぐにその思い出を振り払った。「(いかん!ラウスはあいつとは違う!あいつはもう弟じゃ無い。憎むべき男なんだ。)」グロードは邪念を払う様にして、そう自分に言い聞かせた。「どうしたの?」「あっ…えっと、何でも無い!…ここが分からないんだな?」グロードはラウスが聞いてきた分からない部分を見て驚いた。「(…これは…高等魔法の専門書じゃ無いか。とても5歳が理解出来るレベルじゃ無いぞ。)」ラウスは魔法の理解力が異常に高く、それは紛れもなく10歳で実用性のある魔法を発明していったグロードの血筋であった。「ここはな、こうだから……。」噛み砕いて教えたつもりだがどうしても難しい専門用語を使う為、高校生でも理解が困難なレベルであった。しかし、ラウスは。「ありがとう!それだけ分からなかっただけだから!」 そう言ってラウスは専門書を持って部屋に戻って行った。ーーあの難解な本の一部分が分からなかっただけ?「…凄いな。流石は、俺の息子だな。」5歳にしては凄まじい魔法の才能を発揮するラウスに驚いていたが、自分の息子がこれ程の才能を持っている事に対して誇らしくなった。それから7歳になって少し身体が大きくなったラウスは体術の面でも凄まじい才能を発揮していた。「やああ!!」ラウスは殴る時に上記の様な子供っぽい掛け声を出すものの、それまでの動きが凄かった。グロードは手加減してるものの、まるで次に動き出す足の動きが見えているかの様にラウスは予測していた。その様子をヒスイはちゃんと見ていた。その夜、ラウスが寝静まった時にヒスイから話があった。「あの子、
آخر تحديث: 2026-05-03
Chapter: 第39話 選択
月の遺跡から現れた古の化け物達が世界中を暴れ回った事により、多数の他国の人が亡くなったこの事件は世界中で瞬く間に広がった。現去流時(げざると)で生き返るのは、同じ種族の人間のみ。つまり、月の民が生き返った事により他国の人間は殺されて亡くなったままであった。これにより、今回の首謀者は今まで古の化け物達を野放しにし続けてきた月の民の責任だと言われ、これが更に月の民達への差別が助長される要因となった。この差別は風化される事が無く、時間と共に他国からの恨みばかりが募っていった。一方、古の化け物達を倒し世界の人々を救ったと持ち上げられたグロード。彼は世界の英雄として一躍有名人となった。沢山の人に賞賛され、感謝される日々。中にはグロードが古の化け物達を倒した事を記す為、絵物語を書きたいと懇願してきた絵師も居た。ーーもう、好きにしてくれ。投げやりに全てを受け入れるグロードは、ほとぼりが覚めるまで、人々の"英雄ごっこ"に付き合った。そして50年が経った頃には彼の事を知る者が死に去っていき、その頃にはもうグロードの事を英雄と呼ぶ者は居なくなっていた。50年も経てば時代の流れもそうだが、人々の価値観や文化も大きく変わっていく。しかし、変わらないものもあった。1つは月の民の差別。これはいつまで経っても、古の化け物達が世界中を暴れ回り、その生まれ変わりが現在の月の民だと後世に語り継がれていた。その為、実際古の化け物達が暴れた所を見た事がない後世の人々も、月の民が恐ろしい存在であるという価値観だけ植え付けられていた。そしてもう1つ変わらない事がある。これは50年経つ前から感じていた事だ。歳を取っていない。グロードは40歳の姿から変化が見られ無かったのだ。何故変化が無いのか?それはベリエルが掛けた呪いのせいであった。ベリエルはリオ王国の人達を超月食の日に自身の生命エネルギーに変換させ、それによってベリエルは不老不死となった。そんなベリエルに掛けられた呪いにはある条件があった。「この呪いは、術者が死ぬまで継続されるものである。」つまり、これはベリエルが死ぬまで呪いが解けないという事だ。不老不死になったベリエルは死なない為、呪いを掛けられたグロードとアガレフも必然的に不老不死となってしまった。これが、2人が400年間死ぬ事なく生き続けてきた理
آخر تحديث: 2026-05-02
Chapter: 第38話 グロード・リオ・イシス③
それからもグロード、アガレフ、ベリエルは共にリオ王国で平和な日々を過ごしていった。グロードはあれから魔法の鍛錬を積んでいったが、時々月の遺跡へ出向いてアマルとサマスに修行を付けてもらう事が増えた。アガレフもグロードと一緒に月の遺跡へ出向き、修行を付けてもらっていたが彼には既に沢山の弟子が居た為、都合が合わない日が多かった。そしてベリエル。彼はこの頃になると部屋に閉じ篭もる事が増えた。理由は分からないが、何を聞いても調べ物をしてるだけだと言い、詳しい事はグロードとアガレフに教えようとしなかった。一度気になったグロードとアガレフはベリエルの部屋に行ってみた。扉の前でアガレフがグロードに言った。「ベリエルの奴、朝から部屋でずっと何かしてるみたいなんだが…どうも様子が変なんだ。」「ああ。確かに変だ。ベリエルがこの部屋に閉じ篭もってる間、一切の魔力を感じないからだ。」異変に気付いたのはグロードも同じであった。魔力を感じない。というよりも、まるでそこにベリエルが存在していない様に感じられた。気になったグロードはベリエルの部屋の扉をコンコンとノックした。数秒待っても反応は無く、静かなままであった。「…やはり様子が変だ。扉を開けるか?」「待て、アガレフ。流石に勝手に入るのは…。」すると目の前の扉がギィィッとゆっくり開く音が聞こえてくる。中からは相変わらずクマが酷いもののいつもの変わりない表情と姿、そして魔力のベリエルが出てきた。「…どうしたの、兄さん達?」何故か扉の前にグロードとアガレフが居た為、キョトンとした表情で2人を見ていたベリエル。「…いや、…何でもない。ずっと部屋に閉じ籠ってるから心配になってな。」「そ、そうだ。偶には、外に出て身体を動かしたらどうだ?」さっきまで魔力が感じられなかったベリエルはまるでそこに居ない様な気配であったが、突然その場に現れた様な気配に2人は驚く。しかし、一先ずベリエルに変わりがない事を確認して2人は安心した。「……んー、確かにそうだね。偶には身体を動かさないとね。…明日、久し振りに兄さん達に稽古を付けてもらおっかな!」グロードとアガレフにそう言われて頭を傾げ、少し考える様な間が気になるがすぐに笑顔になった。それを聞いたグロードとアガレフもベリエルに釣られて笑顔になった。「ああ。勿論だ。」「
آخر تحديث: 2026-04-29
Chapter: 第38話 グロード・リオ・イシス②
そして次の日の朝。グロードとアガレフは月の遺跡へ向かう準備をしており、王宮の外には2人を見送る為に沢山の国民達が集まっていた。2人はリオ王国内では沢山の任務を受けていたが、国外に出て何かをするのは初めてであった。更にリオ王国内では英雄の様な存在である2人は皆んなの憧れであり、国民達全員から愛される存在であった。「グロード様!アガレフ様!お気を付けて!」「ああ。行って来る。」王宮の兵士に言われたグロードとアガレフは一礼し、王宮を出た。王宮を出た途端、国民達による大きな歓声が飛び交った。「お二人共ー!どうか無事に帰って下さい!」「月の遺跡の化け物なんかに負けないで!」「グロード様とアガレフ様が組めば敵なんて居ないさ!」「そうさ!何たってリオ王国最強の魔導士だぜ!化け物なんて全部倒してくれる筈さ!」「頑張れー!!」向けられる歓声に対し、それに応える様に2人は国民達に手を挙げて振った。リオ3世とベリエルはその場に居なかったが、王宮のベランダから2人が歩いて出て行く姿を見ていた。「ベリエル。お前もいつかきっとあいつらみたいになれる筈だ。」「…はい。僕も兄さん達に追いつける様に努力します。」リオ3世は2人の姿を見つめながらベリエルに向けてそう言った。ベリエルはそれに対し表情を変える事なく、リオ3世と同じ様に2人を見つめながらそう答えた。何を思っているのか分からない程、表情が全然変化しないベリエル。グロード達と暮らしていく内に嬉しかった時の表情だけは作れる様になったベリエル。だが、大きくなってもそれ以外の感情による表情は作れない様だった。その表情の裏に潜む感情を読み取る事は誰にも出来なかった。数週間後、グロードとアガレフはようやく月の遺跡の近くに着いた。月の遺跡の周りは乾燥地帯である。現在はティラーデザートと呼ばれる砂漠地帯となっているが、それでも当時は所々に草木が生えていた。しかし月の遺跡に近づけば近づく程、乾燥が酷く草木もあまり生えていなかった。そしてようやく月の遺跡には着いた。月の形をした石像が上に飾られた神殿が遺跡の中央に建てられ、その周りには[月の民]と呼ばれる民族が住む石造の家が多数建てられている。化け物が居ると聞いていた為、酷く荒らされているイメージを持っていた2人であるが、見た感じその様な形跡は見られない
آخر تحديث: 2026-04-26
Chapter: 第38話 グロード・リオ・イシス
今から400年ほど昔、一人の王がいた。その王は人々に知識、魔法、武術。その全てを国民に広めていき、その中でも魔法の知識量はこの世で一番だった。王には3人の弟子がいました。その内の1人、1番弟子のグロードは無口であるが根は優しく、王の次に強大な魔力を持っていた王国最強の魔導師。そう。これはグロード・リオ・イシスという男の物語。彼は400年前の人間であるが現在も変わらず生き続けていた。その400年前の話である。400年以上前。ここは現在でいう神の遺跡と呼ばれる場所。当時はまだ4大国が建国されておらず、世界ではこの神の遺跡が1番栄えていた。神の遺跡。またの名を[リオ王国]と呼ぶ。[リオ]とは神の遺跡で祀られていた森羅万象を司る神の名であり、この世界を創造した創世神とも呼ばれている。そしてこの国の国民はこの世界の創造によって生まれ落ち、リオが眠る大地で暮らす事を許された一族。[リオの一族]とそう呼ばれていた。リオの一族は神が眠る大地に住める事への感謝を表す為、国民全員が自分のファーストネームとラストネームの間に[リオ]の名を入れていたのだった。そんなリオ王国の国王であるリオ3世。ソルロ・リオ・リュミエール。彼はこの世で初めて魔法を使えた人物であった。現在では当たり前の様に生活の中に魔法が介在しているが、この時の魔法というのは空想上のおとぎ話と同等の存在であった。しかし、リオ3世は人には魔法を使う為の魔力が先天的に備わっているという事を見つけ出した天才であった。それからリオ3世はリオ王国の生活を豊かにする為、色んな人が魔法を使える様に国中に広めていった。だが、魔法を使う為の魔力量には個人差があり、誰しもが魔力量の多かったリオ3世と同じ様には出来ずあまり生活の豊かさには直結しなかった。長年の課題であったが、それを解決に導いた人が 居た。グロード・リオ・イシスである。彼は当時10歳であったが、既にこのリオ王国の中でリオ3世に次ぐ魔法天才児であった。赤髪に優しい顔立ちのグロードはとても物静かでいつも机で魔法学の本を広げている子であった。無口であるが実直で真面目な性格の彼は生まれつき強大な魔力を保有しており、それに気付いたリオ3世から養子の誘いを受けた。元々の家族は居たのだが、6歳の頃家が貧しかったグロードは家の負担を減らす為とリオ
آخر تحديث: 2026-04-13
Chapter: 第37話 繋がり④
「グアッ!何だ…この打撃は…身体が、動かない。」 竜挐(りゅうだ)を喰らったウィリディスは身体が燃えていき、何故か分からないが身体が硬直した様な感覚に陥った。 心眼点睛によって相手の弱点を見極め、そこから技之乖離(ぎのかいり)による威力強化。 更にそれらの効果を更に向上させる戮力体竜変(りくりょくたいりゅうへん)。 それらを併せた一点集中型の竜挐(りゅうだ)による攻撃は、相手に流れる魔力の"歪み"を的確に見つけ当てる事が出来る。 身体に流れる魔力の"歪み"とはその人の弱点となりうる急所の部分。 その急所の部分に強い外力が加わる事で魔力の流れは緩やかに停止していく。 ーー魔力の流れは生命の流れ。 ドグマが20体の悪魔を殴っただけで生命活動を停止させたのも同じ原理。 龍技を極めし者は全ての流れを理解し、それら全てを制する者でもあった。 「くそ!…身体が…それに、意識がどんどん…と…。」 魔力の歪みに竜挐(りゅうだ)を喰らったウィリディスは魔力の流れが弱まり、意識が朦朧としていた。 そしてウィリディスの動きは緩やかになっていき、意識が遠のくと全身の力が抜ける。 立ったまま肩が落ち上半身が前へと傾き俯いた。 この時点でウィリディスは戦闘不能に陥った…様に見えた。 ドォォォオオ!!! ウィリディスの全身から掌に溜めた時と同じ様な黒い魔力が溢れ出す。 「……ククク。やっとだ。やっとこのガキから解放されたぜ。」 前に俯きながらウィリディスは口を開いたが、声質とその喋り方はまるで別人の様であった。 そして顔を上げると先程とは違い、歯を剥き出しにした野生的な表情でグレンを見ていた。 「ありがとよ、悪魔祓いのガキ。このウィリディスにダメージを与えてくれて。お陰でこの身体は俺の物になったぜ。」 「何だと?…もしかして、あいつの中に居る悪魔…おい、リフェル。あいつはどんな悪魔だ?」 すぐにウィリディスの中に居る悪魔だと察したグレンは、自分の中に居る悪魔であるリフェルに確認をする為に声を掛けた。 (ああ。奴は悪魔だな。だが、今までの悪魔や獄魔とは違う性質の悪魔って感じがするな。) (俺がお前の身体を乗っ取る時と同じ。いや、あいつは完全にあのウィリディスって奴の身体の主導権を握ってやがる!) 悪
آخر تحديث: 2026-03-29
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