Chapter: 第8話 日向の思いと湊の未練?一週間の予定が決まり、僕は日向ちゃんに割り当てられた部屋のベッドに横になっていた。 そう言えば、スマホの電源を今まで入れていなかったことを思い出して電源を入れる。すると、日向と隆介からメッセージが入っていることが分かった。 二人には本当に心配をかけたみたいだ。「僕は友人に恵まれてるな」 小雪さんも僕の事を心配してくれているようだったし。 今日が月曜日だから今週の日曜日まで、時間が生まれたわけだ。 日向と過ごすのには変わりないけど、隆介と話もしたい。 学校終わりに家に来てもらおうか。「メッセージ送っておこう」 僕は隆介に心配をかけたことに対する謝罪と、今度話がしたいから家に来てくれないかとメッセージを送った。 すると、すぐに返信が来て明日の学校終わりにうちに来てくれることになった。 流石に日向の家に呼ぶわけにはいかないので、隆介が来たときは事情を話して隣の僕の家で話をすることにしよう。「そういえば、会長は元気してるかな」 僕は一応、生徒会に所属している。 生徒会のみんなも、僕が浮気をした最低な男だと思っているんだろうか。 不安になってスマホの画面を確認してみるけど、生徒会メンバーからは何も連絡が来ていない。 だけど、他の人たちは僕に悪口を送ってブロックしていたけど、それもしていなかった。「どう思われてるんだろ」 不安になるけど、それを今考えても益のないことだと割り切って思考から追い出す。 そして、スマホをベッドの上に置いてそのまま仰向けになって目を瞑る。 疲れもあってか、すぐに眠気が襲ってきて僕はそのまま眠りに落ちた。【日向視点】「ねえ、お姉ちゃん」「どうしたの? ひなちゃん」「学校側の対応って実際どんな感じだったの?」「基本的に隠ぺいしようとしている感じだったけど。私がすぐに問題にしたら、逆に早期解決に向けて動き出してくれたよ」 流石お姉ちゃんだ。 そう言うところの駆け引きとかがとんでもなくうまい。 でも、やっぱり隠ぺいしようとしてたのか。 学校側も完全に信用できるってわけじゃないんだな。「本当にありがとう」「ひなちゃんにお礼を言われるようなことじゃないよ。湊は私にとっても弟みたいな存在だからね。しっかりあの子を貶めた連中には報いを受けさせる気だよ」「うん。私も協力するから」 もし、あの時に私が屋上
Terakhir Diperbarui: 2026-06-27
Chapter: 第7話 湊のこれからと身勝手な浮気女「湊~ちょっといい?」「小雪さん? どうかしましたか?」「ちょっと話したいことがあって。ちょうどひなちゃんもお風呂に入ってるからさ」「はい。どこで話しますか?」「私の部屋でいいや。聞かれて困るってわけじゃないけど」 夏休みが終わっても、僕はこんな風にこうやって望月家にお世話になっている。 もう、自分で死のうなんて考えてないけどやはり一度その傾向があった人物を一人にするのは不安という事らしい。「わかりました。行きましょうか」 そうして僕は小雪さんの部屋に向かった。 小雪さんの部屋は作業部屋と言った感じで、本棚に難しそうな本が揃えられていて、部屋の中にはベッドと机があるだけだった。 仕事のできる女の人の部屋と言った感じだ。「まあ、適当に座って。ベッドとか」「わかりました。じゃあ、失礼して」 僕は小雪さんに言われた通りのベッドの上に座る。 この部屋ってほとんど黒色で揃えられていて、統一感がある。「湊が今、学校でどういう立場なのかはわかった。ひとまず、大丈夫?」「まあ、大丈夫かどうかで言えばそこまで大丈夫とは言えないけど」「だよね。本当にごめん。この問題は学校にも問題がある。来週から個別で授業を受けてもらえないかな。流石にこの状況でクラスで授業って言うのは難しいと思うから」「それは……学校側の決定ですか?」「うん。私が話を通しておいた。だから、湊には申し訳ないんだけど来週までは家でゆっくりしておいてほしい」 小雪さんはそう言いながら僕に頭を下げてきた。 こんな風に頭を下げられるのは初めてだから、少し困惑する。「頭上げてくださいよ。小雪さんが悪いわけじゃないですし。むしろそんな風に対応してもらってありがたいです」 こういう虐め関係の問題は隠ぺいするものだと思っていたけど、どうやらそういうわけじゃないらしい。 それだけでかなりありがたい。 学校中が敵だらけの状態から、教師陣が味方とわかるだけでもかなり精神的に楽になる。「いや、未然にいじめを防げなかった私たちの落ち度だ。本当に申し訳ない」「自分にも落ち度はあると思うので、そんなに謝らないでください」「そういうわけにもいかないんだが……これ以上謝っても君を困らせるだけになりそうだね」「はい。小雪さんが悪いわけじゃないですし」 何度も頭を下げる小雪さんをなだめていると、部
Terakhir Diperbarui: 2026-06-26
Chapter: 第6話 浮気男VS日向あれからホームルームが終わるまでの間に、適当に屋上で時間を潰した僕たちは終業のチャイムを聞いて屋上を後にする。 お互いに教室に荷物を置いてきていることもあって、一度それぞれの教室の戻り荷物を取ってから集合になった。「湊! 大丈夫か?」「隆介。どうしたんだよいきなり」「それはこっちのセリフだ。夏休みに入ってすぐにお前が浮気してるって噂が流れるし、連絡しても繋がらないしで。凄く心配したんだからな!」「悪い。いろいろあってスマホの電源落としてたんだ」「いや、別に怒ってるわけじゃないんだ。ひとまず無事でよかった」 教室に戻ると隆介が心配そうにこっちに駆け寄ってきてくれる。 学校の人たちは僕のほうじゃなくて、優秀で才色兼備なほのかのことを信用しているのに、隆介は僕の事を信用してくれている。「ありがとう」「いいって。俺たち親友だろ」「だね」 ニカッと笑いかけてくる隆介の顔を見ていると、今日一日で荒んだ僕の心が少しづつ回復しているような気がしてくる。 本当に隆介には昔から助けられてばっかりだ。「まあ、今日はゆっくりしろよな。学校のほうで何かあったらちゃんと伝えるからさ」「ありがとう。本当に助かる」「良いってことよ。これじゃあな」 隆介は手をヒラヒラと振って部活に向かった。 始業式の日にも部活があるなんて大変だな。 っと、これ以上長い時間教室にいると視線が痛いし早く荷物もって日向のところに行かないと。「おお~お前は浮気野郎じゃねぇか。どの面下げて学校来てんだ? 案外メンタル強いんだな」 僕に声をかけてきた人物は、終業式の日にほのかとキスをしていた男だ。 どうして、こんな風に僕に声をかけることができるのか。 その思考が僕には理解できなかった。 いや、理解できない方がいいのかもしれない。「……」「無視かよ。つまんねェ奴だな。そんなんだから彼女に暴力でも振るうのかね」 短い金髪の髪をかき上げながら、僕の事を見下してくる。 僕の事を心底下に見ているみたいで、正直気分が悪かった。「どの口が……」 咄嗟に反論をしようとしたけど、どうせこの場で僕が何かを言い返しても意味がない。 このクラスの人間にとって僕は、彼女に暴力をふるうクズでそれ以上でも以下でもない。どれだけこいつに反論をしたところで、それはすべて戯言で。 言い返せば言い返
Terakhir Diperbarui: 2026-06-25
Chapter: 第5話 尾ひれと背びれが付き、広がる冤罪日向の家にお世話になってから、流れるように時間が過ぎて。 気が付けば、夏休みが終わっていた。 あれからは日向に勉強を教えたり、一緒に料理をしたりしていると本当にあっという間だった。「う~ん、凄く行きたくない」 久しぶりに自分の家に戻って、制服に袖を通すけど凄く気が重かった。 あれ以降、スマホの電源を入れてないからどんな誹謗中傷を受けているのか。「湊くん、準備できた?」「うん、出来たよ。それじゃあ、行こうか」「……手でも繋ぐ?」「なんでいきなり」「いきなりじゃないでしょ。だって、今の湊くん凄く不安そうな顔してるよ?」 実際不安だ。 夏休み中の登校日ですら、あんな感じだったのに。 それが毎日続くと考えると気が重くて仕方がない。「……バレた?」「わかりやすいからね。大丈夫。きっとお姉ちゃんが何とかしてくれるよ」「教師が一生徒に構い過ぎるのは良くないのでは?」「それはそうかもだけど、今回の湊くんは虐めの被害者だから」 でも、確かに教室内に頼れる人物が一人いるのは大きいな。 誰も味方がいない四面楚歌みたいな状況よりも、だいぶ精神的に楽になる。「そか」「そだよ。途中まで私もついて行くし」「なにからなにまでありがとうね」「気にしなくていいって。私がしたくてしてることだし」 日向はニッコリと笑みを向けながらそう言ってくれる。 今日は制服に身を包んでいるから、新鮮な感じはあまりしないけど髪型がいつもと違った。 ハーフアップと呼ばれる髪型で、所々から彼女のインナーカラーの青色が覗いていて凄く綺麗に見える。「ありがとうね。あと、その髪型凄く似合ってる」「そ、そうかな」「うん。いつも髪をおろしてたから。雰囲気変わって凄く可愛いと思うよ」 髪型一つでこんなにも印象が変わるものなのだな。 そう思った。 いや、純粋に可愛い。 見惚れてしまうほどだ。「そんなに褒めても何も出ないよ。それより、早く行こ」「あ、ああ」 未だに怖くて、足がすくんでいる。 そんな僕の手を日向は引っ張ってくれる。「大丈夫だよ。ね」 今日は気を使われてばっかりだな。 自分の体たらくぶりに苦笑いをしながら、僕たちは学校に向かった。 夏休み前はいつも楽しんで学校に行っていたはずなのに。 今日は心が鉛のように重かった。 ◇「みんなおはよう」「
Terakhir Diperbarui: 2026-06-24
Chapter: 第4話 浮気をした側の心情と湊と日向の共同作業【ほのか視点】 湊と知り合ったのは高校に入学してからすぐの事だった。 私は人と関わるのが苦手で、そんな時に声をかけてくれたのが湊だった。 凛とした顔立ちに、神秘的な青色の瞳。 身長が高くて、優しくて。 だから、彼に告白されたときは凄く嬉しかったのを今でも覚えてる。「湊、どうしてるのかな」 あんなに酷いことをしておいて、私は今でも湊のことが好き。 私のせいで彼を酷く傷つけてしまっていると知っているのに。 それなのに、私は彼のことを未だに深く考えている。 都合のいい話だ。「はぁ、どうして私、浮気なんかしちゃったんだろ」 そんな自問自答に答えてくれる声があるわけもなく。 私は淡々と日常を消化していく。 気が付けば夏休みが半分終わっていて、登校日を迎えていた。 学校中では湊が浮気したことになってて。「湊、クラスにいない」 彼の顔を一目見たくて彼のクラスに立ち寄ったら、彼の姿は無かった。 それは当然だ。 こんな虐めを受けて学校に来たいなんて思う奴はいないだろう。「はぁ」 私が浮気をして、私が原因であんなにも酷い目に遭わせてしまっているのに。 彼の顔を見たいと思う私は本当にどうしようもない人間なんだ。「おうほのか。今日も遊びに行こうぜ」「う、うん」 こうして、私は今日も佐山先輩とデートに行く。 そしてきっと、そのままホテルに行って自分たちの欲望を満たすんだろう。【ほのか視点終了】「ねぇ、湊くん」「どうしたの?」「あと半分の夏休みどう過ごす?」「どうしようかな。特に決まってないよ」「じゃあ、私に宿題教えてよ。夏休みの」「別にいいけど。小雪さんに教えてもらった方がわかりやすいんじゃないか?」 買い物に行く道中、僕たちはそんな話をしていた。 僕の予定で言ってしまえば、まるっきり空白だ。 本当はほのかと楽しい時間を過ごすはずだったのだが、その予定は全ておじゃんになってしまったためだ。「お姉ちゃんは多分忙しいだろうから」「それもそうかもね」 小雪さんは教師。 夏休みといっても、何らかの仕事があるんだろうね。 だったら、勉強くらいは僕が教えるべきか。 こうやって僕の気分転換に付き合ってもらっている恩も返さないといけないし。「だから、教えてね? 湊くん」「任せといてくれ」 隣で小首をかしげながら言う日
Terakhir Diperbarui: 2026-06-23
Chapter: 第3話 絶望から一転「起きて、湊くん。夕飯できたよ」「ん、んん?」「早く起きないとキスしちゃうよ?」「ふぁっ!?」 目が覚めて真っ先に移りこんできたのは、日向の顔。 イタズラっ子のように口元に笑みを浮かべて、彼女は僕の顔を覗き込んでいた。 可愛いけど、こういう冗談は流石にドキッとする。 心臓に悪いのでやめていただきたい。「おはよ」「お、おはようございます」 つい、敬語になってしまってけどしょうがない。 寝起きだし、頭ちゃんと回ってないし。「うん。夕飯出来たからリビング行こ。食欲はある?」「大丈夫。というか、最近まともな物食べてなかったから凄くお腹すいてるかも」 夏休みに入ってから、ゼリー飲料とバランス栄養食しか食べていなかった。 だから、誰かが作る料理が食べたい。「ならよかった。湊くんって普段は自炊とかしてないの?」「普段はしてたんだけどね。夏休み前のアレがショックすぎてさ。料理をする気にもなれなかったって感じかな」 普段であれば、冷蔵庫に入っている物で自炊をしているしスーパーに行って買い出しだってする。 だけど、浮気されて何もする気力が起きなかった僕はネット通販で買ったゼリー飲料とバランス栄養食だけを食べていた。「そか。なんか悪い事聞いちゃったね」「気にしないでくれ」 気まずそうに視線を逸らす日向に、出来るだけ明るく笑いかけてからベッドから起きる。そして、リビングに向かうとそこにはパジャマ姿の小雪さんがお酒の缶を片手に夕食を食べていた。「おはよ湊。気分はどう?」「小雪さん、おかげさまでだいぶマシになりました」 小雪さんはさっき見たスーツ姿ではなく、ぴちっとした白地のTシャツに黒色のスウェットパンツを穿いている。 学校で見るキッチリとした教師像ではなく、年上の綺麗なお姉さんと言った雰囲気が強くなった。「なら、よかった。ほら、お腹すいたでしょう。遠慮せずに食べてね」「お姉ちゃんが作ったんじゃないでしょ。全く」「そうだった。ごめんごめん。ひなちゃんの手料理は本当においしいからさ」「これ、日向が作ったのか?」「うん。家事はある程度できるようにしたの。そうじゃないと生活力皆無のお姉ちゃんと一緒に暮らせないからね」 日向はジト目で小雪さんは見ていた。 そんな視線を受けた小雪さんはバツが悪そうにお酒を一口グイっと飲む。 美味しそ
Terakhir Diperbarui: 2026-06-22