The Cursed Mate Of The Alpha Princes

The Cursed Mate Of The Alpha Princes

last updateLast Updated : 2023-04-07
By:  Black Star Ongoing
Language: English
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Synopsis

In a world of werewolves, she was an anomaly. The daughter of an Alpha, yet to wolf out, and shunned by her brothers. But when three Alphas came to claim her for their sons, she discovered a dark secret. Her father had sold her out to make peace. Desperate to belong, she agreed to assist all three princes in exchange for a medicine to wolf out. Little did she know, fate had other plans. On the night of the competition, she discovered she was mated to all three Alphas and in love with each of them. But a curse loomed over her head, demanding she kill the very men she loved. Will she choose love or loyalty? And can she break the curse before it's too late? Find out in this gripping tale of forbidden love and dangerous secrets.

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Chapter 1

One

耳の奥で、激しい耳鳴りがはじけ、顔から一気に血の気が引いた。

花嫁の肩に刻まれた、見覚えのあるムクゲの花のタトゥーから、目を離せなかった。

あれは、親友の夏菜が恋に傷ついていた頃、私がいくら止めても聞かず、左肩に入れたものだ。

どれほど尋ねても、夏菜は自分の心をかき乱していた男の名を明かそうとしなかった。

覚えているのは、あのとき泣きながらこう言ったことだけだ。

「何か1つでも、つかんでいたかったの。

依織には何もかもある。手に入らない人を愛する痛みなんて、わからないよ」

そして今、ようやく意味を知った。

夏菜が手に入れられずにいた相手は、槙人だったのだ。

足元がぐらりと揺れた。全身から力が抜け、私は膝から崩れ落ちかけた。

この3年、私の心が崩れるたび、夏菜はすぐにメッセージを返して慰めてくれた。

それでも、会おうとはしなかった。

遠方への長期出張で忙しく、身動きが取れないのだとばかり思っていた。

まさか、彼女こそが3年前、私と向き合うくらいなら、自ら顔を傷つけることを選んだ女だったなんて。

心配そうな店員の視線を振り切り、私はよろめきながら式場へ駆けた。

車を降りた途端、槙人の友人、青木圭吾(あおき けいご)の声が聞こえた。

「依織にバレてもいいのか?」

槙人は少し黙ってから、低く答えた。

「夏菜の顔は依織のせいで傷ついた。だから俺が夏菜と結婚して償う。それが一番いい。

依織のほうは……これからも、みんなでうまく隠してくれ」

圭吾は槙人の肩を軽く叩いた。

「もちろんだ。あのとき依織があそこまで追い詰めなければ、夏菜だって依織をこれ以上刺激しないために、自分の顔まで傷つける必要はなかったんだ。

結局、やりすぎたのは依織のほうだよ」

私が生活を支援してきた学生、小野寺梨乃(おのでら りの)も、迷いなく口を挟んだ。

「ご安心ください、御影先生。私たちがちゃんと話を合わせます。しばらくは奥様と、心置きなく新婚旅行を楽しんできてください」

そう言うなり、梨乃は慣れた手つきでスマートフォンを取り出し、私にメッセージを送った。

【依織さん、御影先生は数日間、研修医の臨床指導で病院に泊まり込むそうです。

安心してください。先生のことは私が見ています。よそ見1つさせず、まっすぐ帰っていただきますから】

こらえきれなくなった涙が、画面に次々と落ちた。

トーク画面を遡ると、槙人の行動を報告してきたメッセージが500件も並んでいる。

その一つ一つが、今は私をあざ笑っている。

いちばん信じていた人たちが、私を愚か者扱いし、3年もの間欺き続けていた事実を突きつけてくる。

そのとき、圭吾が何かに気づいたように顔色を変えた。

「さっきは招待客が大勢いた。誰かが上げた動画を依織がSNSで見たらまずい。俺が削除するよう頼んでくる」

立ち上がりかけた圭吾を、夏菜が引き止めた。

「心配しなくていいよ」

夏菜は静かに言った。「前にも、依織が私と槙人の残した痕跡に気づいたことがあったの。

でも、監視カメラの映像を確かめても、そこに映っているのは依織と同じ顔をした私だけ。

それを繰り返すうちに、依織は自分がおかしくなったんだと思い込むようになった」

こともなげに放たれたその言葉に、頭の中が真っ白になった。

あの年、ホテルで槙人の浮気現場を押さえた。

私たちが付き合い始めて10年目のことだった。

床に散った避妊具と、ベッドの上で重なった2人の姿。あの光景に、私の世界は根元から壊された。

それ以来、私は槙人の行動を、取り憑かれたように監視するようになった。

帰宅が1分遅れただけで、心が崩れてしまうほどに。

槙人はいつも目を赤くし、疲れた顔のまま、それでも私が服を脱がせて確かめるのを受け入れた。

そのうえスマートフォンまで差し出し、好きなだけ確認させた。

私を抱きしめながら、ほかに女などいない、疑いはすべて私の思い込みだと何度も誓った。

不安に蝕まれ、眠れない夜を重ねた私は、本当に自分の心が壊れたのだと思ったことさえある。

けれど今、真実は目の前にあった。

私と同じ顔こそが、彼らの3年にわたる嘘を守っていたのだ。

胃の底から、激しい吐き気がせり上がった。

もう耐えられず、私は勢いよく身をかがめ、その場で吐いた。

そんな私の耳に、また梨乃の声が届いた。

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