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第2話

Auteur: 南波うさぎ
「やめて......お願い......許して......」顔を上げた私は、つま先で踮みながら喉の奥から絞り出すように哀れな呻き声を漏らし、最後の抵抗を試みた。

男はさらに興奮したようで、私のTバックを何の躊躇もなく引き裂いた。

終わった!

後ろからの灼熱を感じた私は、運命を受け入れるように目を閉じ、従順に尻を突き出した。

そして、彼が満足した後、再び私に傷を与えないことを願うばかりだった。

その時、小路の外から笑い興じる声が聞こえてきた。

数人の若い男たちが、騒ぎながら小路に向かって歩いてきた。

その音を聞いて、私は思い切って男の腕にかみついた。

彼は痛みで手を放し、状況が不利だと感じると、ズボンを引き上げて振り返り、走り去った。

その男たちはますます近づいてきたが、私は痴漢が去った方向へ逃げる勇気がなかった。ただ、急いでスカートを下ろし、顔を上げられずに壁際にしゃがみ込んだ。

男たちはどうやら、小路に女性がいるとは思っていなかったようで、急に静まり返った。

しかし、彼らは私に何もすることなく、誰かが口笛を吹くと、笑いながら仲間のもとへと駆けて行った。

私の足首からぶら下がっているTバックを見ると、心臓がドキドキし、顔が火照った。

彼らは私が小路で用を足していると思ったに違いない。

しかし、痴漢されるより恥をかかされる方がましだった。彼が遠ざかると、私はすでに破れていたTバックを急いで脱いだ。一刻の猶予も許されず、家に逃げ帰り、ふらふらしながら浴室に駆け込んだ。

シャワーヘッドから水流が勢いよく降り注ぎ、私の裸の身体を打ちつけた。しかし、その冷たい水では、私の内なる炎を消すことはできなかった。

もし......もしあの事故が起こらなかったら、私はあの男に犯されていたかもしれない。

そのことを思い浮かべると、足が震え、全身に鳥肌が立った。

私は壁に手をついて必死につま先立ちで腰を反らせ、小路にいた時の姿勢を再現した。そして、後ろに男がいるかのように妄想した。

この禁忌と恥ずかしさ、そして刺激的な戦慄が、次第に私の心の中で興奮へと変わっていった。

そしてその興奮が完全にピークに達したのは、私が裸で浴室から出たときだった。

私は家中の電気をつけ、賞状やトロフィーで飾られた壁の前で心ゆくまで踊った。それはインターネットでこっそり覚えたダンスで、人前では決して踊ったことのない放縦な動きだった。その舞いは、まるで男を引き寄せるためだけに作られたかのようだった。

そして、第六感が私を窓の外に向かせた。

向かいのビルはすべて暗く、最上階だけがまだ明かりをひとつ灯していた。

しかし、ガラス越しに見ると、一人の男性がバルコニーに身をかがめ、一心に私を見つめているようだった。

さっき......私がしたことを、彼は......全部見ていたのか?

こんなプライベートなことが他人の目にさらされるなんて、また痴漢のことを思い出させてくれた。

彼はまるで鍵のように、私の心の奥に隠された暗闇を開け、欲望という名の獣を解き放った。

私は寝室に戻り、ベッドに横たわりながら、その感情の微妙な変化を静かに感じていた。それは欲望へと変わり、より鋭い視線にさらされることを渇望していた。

身体の本能に従った私は両脚を開き、窓に背を向けてゆっくりと這いつくばった。

ドレッシングミラーの反射越しに、私はこっそりその男をちらっと見た。彼の腕が上下に動いていた。

彼は私と同じことをしていた。

この強烈な恥ずかしさが私をますます腰を低くさせ、しかし尻はますます高く突き出す。心の中の波は次々と押し寄せ、全ての神経が限界まで張り詰めている!

私たちはお互いの気持ちがよく通じ合うように、無言のまま見つめ合いながら、自分を慰めている。

力が尽き、意識を失う直前まで、私は考えていた。もしかしたら......もう二度とこの感覚から抜け出せないのかもしれないと。

私の体は、欲望を楽しむために生まれてきたようだった。
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