《(改訂版)夜勤族の妄想物語》全部章節:第 711 章 - 第 720 章

742 章節

7. 「異世界ほのぼの日記3」209

-209 所長の本当の姿- 十数秒経過して結愛はやっとスマホの電話帳から本社にある社長室の電話番号を探し出した、普段は基本的に連絡用として『念話』を使用していたのでこれ位の苦労は想定の範囲内だったはずだが結愛にとってはこっちの世界に来てから何年もの間未経験だったので焦りの表情を隠せずにいた。というより番号を見つけた後の問題の事を考えていなかった様だが・・・。結愛「やっとだ・・・、やっと社長室の番号を見つける事が出来たぜ・・・。よし、俺だって固定電話の使い方は分かるぜ・・・、ってこれボタンは何処にあるってんだよ!!」 そう、強制収容所の数か所に設置されていた固定電話は全て昔ながらのダイヤル式だったのだ。結愛が元の世界に住んでた時にはほぼ全ての家電(いえでん)や公衆電話がボタン式になっていたのでダイヤル式の電話に動揺してしまうのは当然の事だったのだろうか。きっと水洗便所やウォシュレットに慣れた現代っ子の目の前に昔ながらの汲み取り式の便所が現れた時も同じ反応になるのだろうなと思ってしまった。結愛「えっと・・・、これって・・・、下の針の所に数字と同じ穴を合わせるんだったな。俺だって落ち着いてやれば出来るはずの女だ、よく考えてみろ、俺は大企業の貝塚財閥の社長だぞ、出来ない事等何もない。落ち着け・・・、ゆっくりやれば大丈夫だ・・・。」 するとなかなかダイヤルを回そうとしない結愛を見かねた所長がそっと手を貸そうとした、いつまでも電話の前で立っているだけで指を全く動かそうとしないので我慢の限界が来たのだろう。ハイラ「あの・・・、社長さん・・・、大丈夫ですか?」 飽くまで下手に出て結愛が話しやすい様に工夫していた所長、可能な限り結愛に協力しようとしている事がよく表されていた。結愛「すみません・・・、ガキ・・・、いやこ・・・、子供の頃はダイヤル式の電話を使っていたんですがね。」 ただこの発言はある意味仇となっていた、ビクター・ラルーから転生者全員に与えられた歳を取らないという便利な機能が故にこの世界の住民はすっかり有名人となっていた結愛に幼少時代自体があったのかどうかを疑ってしまっていた。ハイラ「あの・・・、それって何百年前の話なんですかね・・・。」結愛「所長さん、何を仰っているんですか。私は貴女と同じ20代の女子ですよ・・・。」 ただ結愛の見立ては間違ってい
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7. 「異世界ほのぼの日記3」210

-210 何故隠す必要があったのか- 結愛はまた不可解な疑問に頭を悩ませていた、実の姉妹(家族)なら堂々と「クランデル」と名乗れば良いのにどうして名刺を2枚用意してまで隠す必要があったのだろうか。まさかと思うがエルフ独特の事情でもあったのだろうか、そしてこの疑問に関してハイラに聞いても良いのだろうかという疑念を抱いていた。ハイラ「やはり気になりますよね、本心では私も苗字を隠した名刺を用意したくは無かったんですがちょっと私の家って複雑だったんですよね。」結愛「「複雑」・・・、ですか・・・。」 日本(元の世界)でもよく聞く話だった様な気もするので所長の話の続きを聞く事に関しては何の抵抗も無かった、しかしハイラ本人が話したがるかどうかが問題。結愛「ハイラさん、その話って私も聞いても良い物なのでしょうか?」 所長が話しやすくするように言葉を選ぶ社長、こういった技術に関してはもうお手の物といったところか。ハイラ「少し長いですが、もし結愛さんが宜しければお話ししましょう。」結愛「ハイラさん側に何の支障も無ければ・・・。」ハイラ「ではここでは何ですので場所を移しますか、先程の場所で宜しければ参りましょう、新しいお茶をお淹れ致しますので。」 そう言うとハイラは結愛を連れて好美達のいる所長室へと戻ってきた、長い間退屈していたせいか好美は少し目が虚ろになっていた。守「お・・・、おい・・・、好美・・・。結愛達が戻って来たぞ。」好美「え・・・、あらま・・・。結愛だ・・・、電話どうだった?」結愛「長い間待たせて悪かったんだけどまだなんだ、ちょっと所長さんの話を聞こうと思って戻って来たんだよ。実は俺達の知ってる人の親類だったらしくてさ。」 眠い目をこする好美の様子を見て機転を利かせた所長、本心ではまったく望んでいないがこうするしか無かったのかも知れない。ハイラ「宜しければ珈琲に致しましょうか、他にお飲みになる方いらっしゃいますか?」 すると結愛以外が真っ直ぐに挙手した、それを見て開いた口が塞がらなかった所長。ハイラ「あの・・・、結愛さんは宜しいんですか?」結愛「私、珈琲苦手なんでこの美味しいお紅茶で。」ハイラ「あらま、無理に褒めなくても良いんですけどありがとうございます。」 人数分の珈琲を用意したハイラはゆっくりとソファに腰を下ろして一息ついた。ハイ
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7. 「異世界ほのぼの日記3」211

-211 先に言えよ- 所長の願望を是非とも叶えたいと意気込んでいた転生者達は改めて事件解決への行動を始める事にした(俺個人的には既に始めていると思っていたが)、一先ず結愛は貝塚警備に委託される前の監視カメラの解析等を頼む為に本社にいると思われる光明へと連絡を入れに所長室横の給湯室へと向かった。先程はハイラとの会話の流れで断念したがダイヤル式の固定電話をちゃんと使えるのだろうか、正直あまり心配はしていないが。結愛「お前は所々失礼な奴だな、俺はこれでも社長だぞ!!」 偉そうに講釈を垂れている様だが結愛が社長になれたのは誰のお陰なんだ、え?!結愛「筆頭株主の・・・、おば様・・・、です・・・。」 そうだろ?その「おば様」の息子の前で威張れる立場なのかよ、いくら同級生と言っても「親しき中にも礼儀あり」と言うだろうが。まぁ、守が別に良いなら話は別だが。・・・、ってあれ?「噂をすれば影」って奴か。守「おいおい、何か聞こえて来たけど母ちゃんがどうしたってんだよ。」結愛「いや別に構わねぇよ、悪かったな。」守「そうか、なら良いんだが何かあったら言えよ?お前と俺の仲なんだから何も気にしなくても良いからな。」結愛「すまねぇな、恩に着るぜ。」 あれ?この空気もしかして・・・。結愛「ほら見ろ、誰かさんと違って俺と守は長い付き合いなんだから問題ないんだよ。」 よく言うぜ、俺がいなかったら2人の関係は皆無だったのに・・・。もう良いか、早く話を進めなきゃな・・・。 結愛は改めて受話器を外してダイヤルを回し始めた、どうやらセンスは一人前みたいで上手に動かしている様に思われたが・・・?結愛「あれ?番号2つ目でもう呼び出し音が鳴るんだけどどうなってんだよ・・・。」 すると大切な事を言い忘れていたハイラが給湯室へと入って来た、ただ時既に遅しだったらしく電話の向こうから女性の声が。女性(電話)「もしもし?所長さん?あんた何回かけて来るんだい?次いたずら電話したらあんただけ今日のおかず抜きにするよ!!」 電話の声が漏れていたのか慌てた様子で結愛から受話器を受け取って女性の応対する所長、見た目の様子から本人はかなり焦っていた様で・・・。ハイラ「おばちゃんごめんなさい!!ボタン押し忘れていただけなんです!!もうしないんで今日のハンバーグは食べさせて下さい!!」 どうやら外線
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7. 「異世界ほのぼの日記3」212

-212 新兵器と護身用兵器- 社長夫妻がこの世界に転生してから今に至るまでこの様な事は無かった、携帯電話若しくは固定電話関係なく光明は何があっても必ず結愛からの電話に出る様にしていた。ハッキリ言ってこんな事は初めてだ、下手すれば線状降水帯レベルの大雨でも降るのではないか・・・? 一旦所長室に戻った結愛は所長が淹れてくれた紅茶を飲みつつ少し時間を置いて再度電話をかける事にした、個人的にはオレンジジュース(若しくはコーラ)が飲みたかったが決して今は言ってはいけないタイミングだ(と言うより正直に言ってしまえば我儘キャラが根付いてしまうのでそれは困りものになってしまう)。結愛「光明の奴・・・、いつまで話してるつもりなんだよ。まさか俺という可愛い(?)妻がいるというのに別の女と遊んでいる訳じゃないよな・・・。」 「最悪の高校時代」から一途に結愛の事を想っていた光明に限ってその様な事は無いと思うのだが、ただ最近の2人は会う度に喧嘩ばかりしているイメージがあったのでもしかしたら・・・。結愛「てめぇな、この前だって家であれやこれやをしたというのに馬鹿な事を言ってんじゃねえぞ。それとさっきから気になってたが俺の台詞に何で「?(はてな)」が付いてんだよ、何処からどう見ても可愛い女子だろうがよ!!」 結愛、はっきり言わせて貰うけど「?」でも我慢した方なんだぞ。それとこれは個人的なイメージだけど、可愛い女子はそんな乱暴な口調はしないの!!結愛「こんなキャラにしたのは誰なんだよ!!俺は生まれてから(そして死んでから)ずっとこれでいるんだから今更キャラを変えろだなんて言われても無理な相談だぞ!!」 そっすか・・・、だったらそれを貫いて下さいよ・・・。俺なんかと違ってご結婚もされているんでもう何も言わないでおいて話を進める事にします・・・。 結愛は給湯室の固定電話での連絡を諦めて自分の持っている携帯電話を使用する事にした、でも確かここって電波が通って無いはずだからどうするつもりなんだろうか。結愛「はぁ~・・・、このタイミングであれを使う事になるとはな・・・。『念話』が使えないなんてな、これ以上不便な事なんてないぜ。」 社長の一言はかなり大きな独り言だったので隣にいた守達に丸聞こえだった、まさかと思うがこのタイミングで会社の宣伝をしようと考えてはいないか?結愛「何だよ、
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7. 「異世界ほのぼの日記3」213

-213 苦労する女- 結愛は対父親用の凶器(?)を『アイテムボックス』に入れた後、十数秒程ゴソゴソしてやっと元々取り出そうとしていた無線機を取り出した。恋人達は手のひらサイズの物を想像していたが実際に出て来たのは昔から軍隊などが使って良そうなイメージのあるとても大きな物だった、ただ好美が気になっていたのは別の事の様で・・・。好美「結愛、結構長い時間探してたみたいだけど定期的に『アイテムボックス』の中を整理していない訳?」結愛「昔からなんだけど毎日仕事が立て込んでてそんな間なんてねぇよ。」 本人の言葉を真っ向から否定するつもりはないが結愛って気が付けば酒を呑んでるイメージがあるのは俺だけだろうか。社長と言うよりはただの酒飲みの女と呼べるくらいに、ただ今は何も言わない方が良いのかも知れない。結愛「おい、聞こえてんぞ。前々から言おうと思っていたがちょこちょこお前って俺に対して失礼だよな、改めて言うけど俺は社長だぞ(シャキーン)。」 はいはい、すんません。ただ今は取り敢えずご主人に連絡するのが先決なんじゃないですか(と言うか、何だよ今の「シャキーン」はよ)?結愛「全く・・・、後で覚えてやがれ・・・。」 軽く舌打ちしながら先程取り出した無線機を操作し始めた結愛、光明が妻を気遣って使いやすいシンプルな作りにしてあったのですぐに連絡を繋げる事が出来た様だ。結愛「光明ー、光明聞こえっかー?」 妻の声に反応したのか、それとも口調に反応したのか少し呆れ気味で返答をする光明。光明(無線)「お前な、これは一応ビジネスで使う物なんだからもう少し考えて声をかけろよな。」結愛「それ所じゃねぇよ、くそ親父が脱獄したのをお前も知っているだろ?」光明(無線)「勿論だ、テレビで大々的に報道されてたからな。それがどうしたってんだよ。」結愛「てめぇ「それがどうした」ってか、それでも副社長かよ。一応貝塚財閥としては迷惑をかけた責任を取らなきゃって思わねぇのかよ。」 結愛の叱責は社長としてだろうか、それとも妻、いや娘としてだろうか。ただ義弘が起こした脱獄事件と言っても既に親子の縁を切った結愛を含めた会社には関係の無い事だと思うのだが、やはり社長の心中にはまだ父に対する恨みが残っている様だ。光明(無線)「確かにお前の言ってる事は納得いくけど俺達に何が出来るってんだよ、ネルパオン
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7. 「異世界ほのぼの日記3」214

-214 ババアだって?- バルファイ王国にある競艇場にてネフェテルサ第6レースの場外販売で万舟券を取った光明はウハウハになりながら妻の待つネルパオン強制収容所へと向かう事にした、結愛とは違い通常通り能力が使えるので強制収容所のある孤島までは『瞬間移動』ですぐに行けた。俺としては「だったら結愛のいる所長室へと直接向かえば良いのでは無いか」と思ってしまうが行きたくても行けない理由が光明にはあった様だ、それも超個人的な。光明「こんなニヤケついた顔で結愛の場所へと行ける訳が無いよな、あんなに切羽詰まった感じで連絡して来てたからただ事じゃ無いって事が分かるから少し気を引き締めるために歩いて向かおうと思うんだ。」 光明は収容所の前にいる係員・ヂラークに声を掛けた、ただ光明自身がここに来るのは初めてだった様で・・・。光明「すみません、うちの妻がこちらにお邪魔していると思うのですが所長室はどちらでしょうか?」ヂラーク「あの・・・、恐れ入りますがうちの所長は205歳で未だに独身なんですが・・・。」 どうやらヂラークは目の前にいるスーツ姿の男性がハイラの旦那(?)だと勘違いしている様だ、ただ係員の発言に光明が黙っている訳がなかった。光明「205歳ですって?!俺がそんなババアの旦那に見えますかね?!俺も妻も20代なんですけど!!」 覚えて下さっている方がいれば嬉しいのだがハイラはアーク・エルフ、つまり長命種なので205歳と言っても見た目はババアからは程遠い姿だ。ヂラーク「ババアだなんて本人が聞いたら大泣きしますよ、所長に話を通してから貴方を所長室にご案内致しますが絶対にそんな事言わないで下さいね。」光明「ちょっと待って下さい、205年も生きている良い大人過ぎる人がおかしいでしょ。大体、200年も生きる人間が何処にいるって言うんですか!!」ヂラーク「私だってそんな人がいたらビックリしますよ・・・、ってあれ?ちょっと待って頂けます?」 ここでやっと話が食い違っている事に気付いたヂラークは光明の耳を確認した、所長の様に長くはない。どちらかと言うと自分の物に近い様な・・・。ヂラーク「あの・・・、貴方はエルフやドワーフなのではなく?」光明「何を言っているんですか、何処からどう見てもただの人間でしょ。」 やっと自分の勘違いに気付いたヂラークは顔を赤くした、いつの間に
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7. 「異世界ほのぼの日記3」215

-215 所長の任を任されている理由- やっとの思いで205歳の泣き虫を説得した強制収容所の係員は収容所の出入口横にある係員室のチェアに座って煙草を燻らせる事にした、深く一息を吐いた後、個人的に少し前から不安に思っていた事を思い出していた。ヂラーク「本当に・・・、あんな人が所長でこの収容所はやっていけるのだろうか・・・。実際に脱獄事件が起こっているから3国の住民の方々からの信頼度合いはかなり下がっていると思うんだけど正直誰がアイツを所長にしようって言い出したんだよ、俺は個人的に納得出来ないんだけどな。」 ヂラークは気が緩んでいた時の独り言として今の発言をしたつもりだったのだが迂闊だった1つ、そう、先程と同様に無線機のスイッチを入れたままにしていたのだ。誰にも聞かれていなかったら良いがと願っていたが時既に遅し。ハイラ(無線)「ヂラークさん、やっぱり私の事を信用出来ませんか?」 無線機の向こうで再び泣きかけている所長、これはソフトキャンディー1つでは済まされない事態になって来た気がする。ヂラーク「では所長、私を納得させて頂けませんかね。」 本当はこんな発言をしたくは無かったが、今は何となく譲れない気持ちが無いと言えば嘘になる。ハイラ(無線)「分かりました、ちょっと待って下さい。」ヂラーク「へ?何をするおつもりで?」ハイラ(無線)「貴方の私に対する信頼を取り戻して見せます。」 ハイラが無線機のスイッチを切るとヂラークはすぐ傍にあるパイプ椅子に座って何事も無かったかのように再び煙草を燻らせながら外の風景を眺め始めた、いつもと変わらず海が一面に広がるゆったりとした景色を楽しんでいると海上に突然大きな黒い球状の物体が出現した。所々から稲妻の様な物がビリビりと鳴っているその物体はどんどん大きくなり始め、周囲の生物を傷つけながら飲み込み始めていた。何となくヤバい気がして来たのはヂラークでなくても分かったのだが、どうすれば良いのか分からなかったので一先ず無線を使って所長に連絡をする事にした。ヂラーク「所長!!城門の前に正体不明の球体が出現したんですけど何とかして頂けませんか?!」 ハイラはすぐに無線に応答したが、未だにぐずっているのが誰から見ても分かった。ハイラ(無線)「えぐっ・・・、えぐっ・・・。これで・・・、私の魔力の強さを・・・、証明して見せます・
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7. 「異世界ほのぼの日記3」216

-216 慌てる社長と冷静な犯人- 転生者達はハイラのいる所長室にいたので無事ではあったのだが、部屋にあった大きな窓から自分達が通って来た城門の悲惨な状況を見て開いた口が塞がらなかった。それと同時に絶対にこの世界で罪を犯さない(どこでも犯すなっての)、そして目の前のエルフを決して敵に回さないと心に誓ったのであった。好美「ねぇ・・・、まさかと思うけどドーラの魔力も相当な物だったのかな。」守「確かに、こんな強力な魔法を使っている所なんて見た事もないし普段はただの酒飲みのイメージしか無いから魔力云々を言って良いのかも分からないな。」 唖然としている恋人達だが何か忘れてはいないだろうか、よく考えてみれば結愛が先程無線を飛ばしてから時間はさほど経っていない様な気がする。結愛「おい、それよりヤベェんじゃねぇのか?」 とんでもない事態につい「大人モード」を忘れてしまった結愛、誰だって素(?)に戻るのが自然の流れなのかも知れない。好美「何がヤバいってのよ。」 完全に大事な事を忘れてしまっている好美。結愛「光明だよ!!確か俺が無線を飛ばしてからボートの払い戻しを行ってすぐにこっちに『瞬間移動』してきたはずだから下手すれば巻き込まれているかも知れねぇじゃねぇか。」守「ホンマや!!」 気が動転していたのか、つい似非関西弁が出てしまった守・・・、って大切な友人の事を忘れたらアカンやろ!!好美「何よ、あんたも完全に忘れてた癖に。」 お・・・、俺は俺なりに現状を皆さんにお伝えしないと・・・、って俺の事は良いんだよ!!光明を探しに行かなくても良いのか?!結愛「そうだよ、俺の大事な旦那の事を探さないと。えっと・・・、こういう時はどうすりゃ良いんだ・・・、確か『探知』で・・・、って俺今能力使えないんだった!!畜生、こんな時に限ってどうなってんだよ!!好美達も能力を封じられているのにどうして光明だけは無事なんだよ(※恋人達はほぼ無事なのですが結愛の心中では封印されている事になっているのでもう少し様子を見てみる事にします、一種の悪戯心という奴ですよ)!!」 結愛が頭を悩ませていると、所長室の大きなドアが音を立てながらゆっくりと開き始めた。いの一番にその音を聞きつけたハイラが小走りで迎えに行ってドアを開けた瞬間、大きな音を立てて男性が倒れ込んで来た。正体は勿論、守が完全に忘
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7. 「異世界ほのぼの日記3」217

-217 捜査を始めたいんだけど- 好美により『付与』された『状態異常無効』とハイラによる懸命な治療により光明の傷はみるみるうちに癒えていった、その場にいた全員が所長の魔力の強大さを知っていたが故に皆「あんたが原因だろうが」とツッコミを入れようとはしなかったという(と言うか俺も出来る気がしない)。 そんな中で完治した(と言って良いのか分からない)光明を含めた転生者達は早速事件解決に向けて捜査を開始する事にした、どうやら「最悪の高校時代」等で得た経験から作戦の実行はリンガルス警部が驚く程に早かったらしい。一先ず結愛と守、そして光明はハイラの案内で義弘が捕まっていたという牢獄へと向かった。貝塚財閥前社長のいた牢獄は強制収容所内に蜘蛛の巣の様に巡らされた廊下の一番奥にある海沿いの部屋だった、ただそこには外から鍵をかけておける出入口のドアと日光を取り入れる用の窓があったのだがそれには格子も付けられていた上に景色が全く見えない程に小さかったのでとてもでは無いが人が通れる様なスペースがあったとは言えなかった。隅っこに水洗式の便所があった部屋で真ん中へと向けて伸びていた鎖の先には足枷が付いていて当時の義弘の様子が手に取る様に伺えた。 リンガルス警部に依頼されたハイラやムクル、そしてヂラーク達所員により義弘が脱獄した当時のままを維持されたその部屋で唯一変わった事と言うとレイト等の貝塚警備の者達による新しいカメラが設置されていた位かと思われた。結愛「所長さん、あれが当社による監視カメラですか?」 改めて確認をした結愛、もしかしたら別の警備会社も同型のカメラを使用していた可能性があったからだ。貝塚警備の使用している監視カメラは貝塚財閥が独自に開発した物だったが見た目は他社の物とは変わらなかったので絶対と言っても良い位に確認を怠らない様にしていた、義弘により失われた信用を少しでも取り戻す為に必死だったからだ。ハイラ「はい勿論、私達のいる目の前で作業を行って頂いたので確認済みです。」結愛「くそ・・・、いや父が脱獄した時もカメラ位置と角度はこうだったんですか?」 結愛本人は気が付いていなかったと思われるが少しだけ素が出始めていたので守と好美、そしてリンガルスは物凄く焦っていた。3人の様子から隣にいた光明は先程の巨大な球体がハイラの魔法によるものだという事を知って同様に焦り始
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7. 「異世界ほのぼの日記3」218

-218 確実な捜査の為に- 目視可能な証拠を提出する為に所長はその場を離れる事にした、ただ転生者達が今いる牢獄から所長室までの距離を考えるとあまり徒歩での移動を勧めたくは無いと思っていた。本来の自分達ならすぐさま『瞬間移動』で向かうのだがここにいるメンバーの中で最も強力な魔力を持つネクロマンサーの結愛でさえ能力を上手く使えないので今は地道な捜査を行うか唯一(?)無事な光明を頼るかの2択であった、ただ光明には可能な限り監視カメラの解析に集中して欲しいので前者の方法を取るしかないかもなと頭を抱えるばかりであった。しかし今よく考えれば魔力を持ってるのって転生者達だけじゃ無かったよな、最も頼りがいのあるリンガルス入試センター長がいるんだぞ。結愛「別に忘れてた訳じゃねぇよ、ずっと隣にいたんだからな。」 じゃあなんで時折その場にいない様な素振りを見せてたんだよ、誰だって疎外感を感じたら寂しくなるもんだろうがよ。結愛「そうか・・・、言ってなかったな・・・。俺もつい最近知った事なんだけどリンガルスさんは偶に1人で色々と考えたい時があるらしいんだ、その時は出来るだけ声を掛けない様にしてたんだよ。今回も事件の解決への切り口が見いだせるかもしれんから邪魔したら悪いと思ってな。」 そう言う事か、本人に対して気を遣っていたって事なんだな。それは失敬失敬。結愛「それとな、今はバルファイ警察の警部として来てもらってんだよ。あと「入試センター長」じゃなくて「入学センター長」な、お前が間違ってどうすんだよ!!」 仕方ねぇだろ、偶にしか出てこないキャラなんだから忘れがちになっちゃうんだよ。結愛「いや出てる時は結構ガッツリ出てるから、・・・って今はそんなのどうでも良いんだよ。ハイラに『瞬間移動』を『付与』した方が良いんじゃねぇのか?」 確かに言える事だけどお前は今何も出来んだろ?だからリンガルス入学・・・、いや優秀なリンガルス警部に頼むんだろうが。全くキリがねぇな、取り敢えず話を進めるぞ。ハイラ「あの・・・、以前の監視カメラの写真持って来ましたけど。」 あらま、俺と結愛が話し込んでいる間に徒歩で取りに行っちゃったみたいだな。何か色々と・・・、すんません。守「今は別に良いじゃ無いか結愛、折角取りに行って下さったんだから。それより所長さんにお聞きしたい事があるんですが宜しいですか
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