レストランを後にした俺は、先日サボンを購入した雑貨屋へと立ち寄った。 店内を見回してみると、欲しかったものを発見した。歯磨き問題を解決するものだ。 この世界での口腔ケアは、細い糸で歯の隙間の歯垢をとり、目の細かい布で歯の表面を拭いて、最後にペパミンというミントのような香りの葉を乾燥させた清涼剤を噛む。 ガムのように咀嚼すると、殺菌作用のある清々しい香りのエキスが口の中に広がるので、唾液と混ぜてぐちゅぐちゅとうがいをし、吐き出す。 糸が30本に、布が5枚、ペパミンがこんもりの虫歯予防セットで大銀貨1枚だった。 他にも部屋を掃除するための雑巾とホウキを買い、桶は洗体用と掃除用に大と中サイズのものを購入し、全部で大銀貨12枚を支払った。 両手に抱えるほどの荷物になってしまったので、一度宿に戻り、荷物を部屋にしまった。大通りから宿への移動が大変なので、近日中に別の宿に引っ越そうと思う。 カバンの中にスコップとナイフがある事に気づいたため、冒険者の店へと向かう。ついでにギルドにも立ち寄る事にしよう。 冒険者の店に着くと、前回見なかった2階を覗いてみる事にした。 金属製の胸当てがついた皮の鎧や、魔法使いが持っていそうな木の杖、今の俺では扱えなさそうなツヴァイハンダーと呼ばれる両刃の巨大な両手剣など、異世界を感じさせる様々な装備が所狭しと並んでいた。(圧巻だなぁ、これは) 黒曜石の短剣を手に取るとずしり重く、ダガーのような刃先は俺の顔が映るくらい丁寧に研がれていた。恐る恐る値段を確認すると、金貨2枚の文字が。「うん、見なかった事にしよう」 防具をつけても弱くなるし、スキルのバフを考えると、武器もよほど高価なものでないと宝の持ち腐れになってしまう。 属性の力を強めるような装備が無いか探してみたが、どうやらここには無いようだ。諦めて1階に戻る。「すみません、売りたい物があるのですが」「はい、承りますよ」 木製のスコップと骨のナイフを手渡した。「かなり綺麗ですね、未使用と言われても分からないくらいだ。二つで銀貨3枚ですね」 元が安かったしそんなもんだろう、問題ないとばかりに売り払った。そういえば、素材を入れる袋が欲しかったんだ。ついでに水筒みたいなのがあれば買いたいな。「モンスターの素材を入れる袋と、水を入れる容器が欲しいんですが」「こちらへ
Terakhir Diperbarui : 2025-03-25 Baca selengkapnya