Semua Bab 彩雲華胥: Bab 41 - Bab 42

42 Bab

2-11 約束と誓いと

「ありがとう、公子様。もう離れても大丈夫だと思うよ?」 宗主たちの傍を離れ、竜虎たちの待つ焚火の前まで歩く。その短い間でさえもずっと隣を歩いていた。見上げてへらへらと笑ってみせる無明とは違い、少しむっとした顔で白笶は見下ろしてくる。「離れない」「う、うん? そっか····じゃあ、ひとつ訊いてもいい? 白笶はあの妖鬼と知り合い?」「······何年か前に一度、顔を合わせたことがあるだけだ」 その時に嫌なことでもあったのだろうか?  無明は狼煙という名のあの妖鬼のことを知りたいと思ったが、これ以上は情報を得られそうにないと悟る。「無明! いい加減、誰とでも仲良くなるのは止めろ。毎回心配する俺の身にもなれっ」「なんで竜虎が心配するの? 別に仲良くなる分にはいいでしょ? あれ〜? さっきは俺を心配して来てくれたんだ? へー。ふーん?」 白笶がいることも気にせずに、無明はどすっと地面に胡坐をかいて座り、正面に座る竜虎をからかうように、にやにやと笑いながら言った。竜虎が小言を言うのはいつものことだが、それは無明を嫌ってのことではない。「公子様も座って? 一緒に休もう」 雪陽から茶を受け取って、立ったまま口元に運んでいる白笶が首を振る。「じゃあ俺もずっと立ってようかなぁ······」「駄目だ。身体を休めて」 よいしょと立ち上がるふりをした無明の肩に手を置き、座るように促す。茶碗を雪陽に手渡し、白笶はじっと見張るように無明の動きを観察しているようだった。「そんなに見つめられたら、穴が開いちゃうよ? 気になって休めないし。ね? だったら一緒に座ろう? ほら、ここ。俺の横にいてくれる?」 くいっと薄青の衣の裾を軽く引いて、自分のすぐ横の地面をぽんぽんと叩き、ここと指定する。少し考えた後、わかったと頷いて白笶は大人しく指定された場所に座った。(········あの白笶公子さえ、これだ。無明はどうしてこうも変わり者に好かれるんだ?) 誰にも懐かない野良猫さえ無明には喉を鳴らす。極端なのだ。ものすごく好かれるか、死ぬほど嫌われるか。「お前という奴は、本当に······」「なに? 恥知らずって言いたいの? それとも痴れ者? 悪いけどどっちも俺には誉め言葉だよ?」 ふふんと自慢げに鼻を鳴らし、行儀悪く斜めに立てた右足の膝に頬杖を付いて、べぇっと舌を出し
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-05-26
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2-12 雪鈴と雪陽

 夜が明け、朝早くから出立することになる。さらに高い渓谷の上から下に流れ落ちる水の飛沫の強さと大きさに、目を奪われた。 新緑が崖の所々にあり、岩だらけのごつごつした景色に風情が生まれる。薄桃色の花や、紫、青の小さな花々も映え、滝にかかった虹に桃源郷を描いた巻物を無明は思い出していた。 吊り橋は古く、数人で一緒に渡ると一歩踏み出すたびに揺れた。風もそれなりに吹くので、深い渓谷の真下に広がる青い空が映った湖が、美しいはずなのに逆に恐ろしいとも思う。「む、無理です! これ以上は耐えらえませんっ」 がたがたと膝を震わせ、情けない声で清婉はそのまま蹲ってしまう。昨日は暗くてよく見えなかったため、あまり気にせずに渡りきったのだが、まさかこんなに高い場所だったとは想像もしていなかった。(何も考えてなかった昨日の自分が恐ろしいっ) まだ半分以上距離がある。一番後方を歩いていた雪鈴と雪陽は、急に止まって蹲ってしまった清婉を、煩わしいと思うこともなく、当然のように「大丈夫ですか?」と声をかけてくれた。「あのひとたちはともかく、おふたりともよく平気でいられますね······、」 同じ従者だというのに、白群の従者である雪鈴と雪陽は、まったく動じていないようだ。紅鏡に来る際にふたりは一度ここを通っているので初めてではないのだが、今の彼にはそんなことを考えている余裕はないようだ。「俺たちは従者ではなく、護衛の術士だから」 双子の弟である雪陽が、無愛想だが呆れた顔もせずにその問いに答えてくれた。「良かったら手を繋ぎましょうか?」 蹲ったままの清婉の方へ手を差し伸べ、にっこりと笑みを浮かべて兄の雪鈴が言った。「え、ええと········いいんですか?」「はい、もちろんです」 おずおずと顔を上げて、体裁など気にせずに差し伸べられたその手を取った。双子だとは聞いたが、身長も違うし声や性格も違うようだ。顔はどちらも整っており、美少年という言葉がしっくりくる。 雪陽は冷淡そうに見えるが気遣いができ、雪鈴はにこにこと優しく穏やかだ。白群の家紋である蓮の紋様が背中に入った白い衣は、ふたりの廉潔さを引き立たせている。 一方、清婉は幼い頃から生粋の従者で、修行などしたこともないし、ましてや術士になりたいとも思ったことがない。日々の雑用をこなし、嫌なことがあってもその場では取り繕
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