Home / ラノベ / 憧れに手を伸ばせ / Chapter 151 - Chapter 160

All Chapters of 憧れに手を伸ばせ: Chapter 151 - Chapter 160

160 Chapters

#128 彼女との出会い

回想入りまーす!3・3!2・2!1・1!0! 私、藺月芽衣が由良さんという天才を見つけたのは本当にたまたまだ。たまたま流れてきた一枚のイラスト。それは今ほどのクオリティではないものの十分上手いと称賛されるようなイラスト。でも、ことSNSという数多のイラストレーターが存在する場所では有り触れたもの。話題になるほど……所謂神絵と言われる程のものではなかったと記憶している。だが、そのイラストに添えられた文言が私のスクロールする手を止めた。「初めてマウスでお絵描きしました!まだイラスト始めたてで慣れてないので線がぎこちないですが、いつかちゃんとした機材で描いてみたいです!ペイントソフトの機能も頑張って勉強します!」 私は意味がわからなかった。これがイラスト初心者の描いた絵だというのかと。いや、もちろんイラスト始めたてというのは目を引くためについた嘘である可能性もある。いや、その可能性の方が高いだろう。でも…… 私にはその言葉本当なのだと理解できた。 理屈じゃない。 彼女の先を見てみたいと思った。 彼女は今後どんなイラストを描くのだろうと。 ならばやることは一つだろう。さっそく彼女のフォローをしてコンタクトをとってみた。始めたてという彼女の言葉が本当なら急に連絡がくれば驚かせてしまうだろうし、詐欺メールを疑うだろう。だから、慎重に。そして少しずつ、少しずつ彼女の心を解きほぐしていく。 そして最後の一言「由良さん、依頼をさせてください。」
Read more

#129 それでいいのか大企業

 あれはそうだなぁ……いつだったか。まだ私が誕生日にパソコンを買ってもらう前だったか。何気なく腕を錆び付かせないようにイラストを祖父のPCとマウス、それに無料のペイントソフトで描いていた頃のこと。 これまた私は何の気なしに描いたイラストをSNSに投稿していた。死蔵するのがもったいなかったからかもしれないし、ただの承認欲求だったかもしれない。はたまた母を亡くして寂しかったのかもしれない。理由なんて今となってはもう覚えてなんていない。 私が何気なく始めたイラスト投稿で絵が好きだと言ってもらえたこと。そしてそんな彼女が私にイラスト依頼をしてきたことだけが事実で重要なことだ。それ以外のことなんてこの際どうでもいい。 で、なんか分からないけど私は彼女のママ兼パパになる。なんか他にも色々やるらしい。彼女との縁は大切にしたかったから彼女が所属した事務所に自分を売り込んでみた。そしたら……「自分で売り込んどいてなんだけどさ、私でいいのかなほんとに。」 なんか採用されてしまった。その時の私の気持ちと言ったらもうなんと言っていいやら…… いや、私の感想自体はシンプルだったな。「それでいいのか大企業!」 である。こちとらどこの馬の骨かも分からないフリーの創作者である。大事なライバーをそんな……ねぇ!なんか面白そうだし良いんじゃねってさぁ!ほんと大企業がそんなんでいいの?「ねぇ、ほんとに私でいいんd……」「くどいですよ由良さん。さ!仕事してください仕事!」「はーい……。」 さてと、積み重なってるタスクを進めていきますかね。にしても、ほんとに終わんのか?これ……
Read more

#130 作詞を親に見られそうで怖い

「おっ仕事おっ仕事〜♪」 ここで本日のタスクを紹介しよう!今日のタスクテーマはずばり!『芽衣ちゃん欲張りセット』だ! まずは彼女の立ち絵でしょ〜?それがだいたい仕上がってきたらその立ち絵からネームロゴ、オープニング動画、エンディング動画、オリ曲の構想を練る。もちろんオープニング動画とエンディング動画で使う曲も由良ちゃんのお手製だ。てかこのあと作る。 あの子めちゃくちゃいい子だからさ、後方父親ヅラしたいのよ。だから私は頑張るのだよ。あの子のチャンネルはワシが育てたと言いたい。なになに〜?2Dモデリングはしないのかって?するに決まってんじゃんか!でも今日はし〜ない!だって立ち絵できてないし。 ふっふっふぅ!うちの子可愛い早くしたいなぁ〜!とまぁ色々考えてはいるものの今日の作業はイラストだけと言っても過言じゃない。余裕だね!他のはぜーんぶ構想を練るだけ。なんとなーく頭の片隅に置いておいていい案が思い付いたらメモするイメージだね。 とはいえなかなかいい案なんて思い付かないんだよね。何よりメモを書いたとて、あとで見返したら自分が書いたメモの意図が分からないこともしばしば。いや、文字が読めないとかじゃないよ?単語で書かれてるからその単語をどう使うのかが一ミリも分からないだけ。 マジ曲作るの大変だから。一番辛いのはね、私部屋で作詞作業してたらおじいちゃんたちがたまに様子を見にくるのね?そしたら作詞作業見られないように速攻で隠すの。なんで隠すのかって?恥ずかしいからに決まってるじゃん!親に自作のポエム見られる気分になるんだよ?軽く死ねるでしょ?だからもうね、毎度毎度ビックビクだよ。
Read more

#131 限界社畜、ダウン

 はい、というわけで……完成です! うんうんうん、みなまで言うな。分かります。分かります。完成品が早く見たいんですよね?そう急かさないでくださいよ。大丈夫ですって、ちゃんと見せてあげますから。ん?違う?え?何が違うって言うんですか!? ん?あぁ!そうだね。その話をしようか。結局どこまで私が完成させたのかの話を……。※彼女の大きな大きなひとりごとです。どうか気にしないであげてください。 おいコラやめろ!私が悲しいヤツみたいじゃないか! と、言うわけで成果報告会という名のヒアリングを始めていこうか。ミュート……解除。◇◇「やぁやぁこんにちは芽衣ちゃん。君のママの由良ちゃんだよ〜!仲良くしよーうね☆ 芽衣さん、それに朝日さん。本日らお時間いただきありがとうございます。それではさっそくヒアリングの方始めていきましょうか。」「こちらこそよろしくお願いします。(変な人だ。)」「由良さん、今日はよろしくお願い致します。(変人だ。)」「あぁ〜朝日まーた寝てないでしょ。ダメですよ〜?寝ない〜!休まないと疲れてたのに急に元気になるとかいう謎現象に遭遇した後にぶっ倒れちゃいますから!今謎現象パートでしょ?ほら休んで休んで!内容は議事録まとめて送るので安心してください。締切はまだ先ですし最終決定は後日朝日さんが目を通した後ということで。」「はい、わかりました……"ブツッ"」「芽衣ちゃん、あれが限界を迎えた社会人の姿です。正常な彼女ならマネージャーとしてこの大事なヒアリングは必ず場にいようとするでしょう。でも、彼女はもう既に限界だった。」「普段の生真面目か朝日さんなら……そっかたしかに意地でもこの場いようと。それだけ無理をしてて限界だったと。」「そゆこと〜。だからほら、あぁやって逃げ道を提示すればそこに行ってしまう。だからダメだよ?朝日さんに心配かけちゃ。芽衣ちゃんなら大丈夫だと思うけどね。じゃ、朝日さんも心配するだろうし真面目にやってチャッチャか終わらせますかぁ!」
Read more

#132 個性の盛り方

「えーっと……一応VTuberとしては初めて話すし、まずは自己紹介しよっか!」 一応建前上はここが初対面。立ち絵のヒアリングのために話した時の第一印象的なの話す機会もあるだろうし、私の自己紹介聞いてどう思ったか後で聞いとくか。「あ、そういえばそうですね!そっか、VTuber的には一応前世での知り合いってことになりますもんね。私は|藺月芽依《いづきめい》です。今回VTuber事務所ウンベナントから|柿崎冥《かきざきめい》としてデビューすることになりました!改めてよろしくお願いします!」「ブハッ!ふっふっふっふっ……まだ事務所の名前聞き慣れないや。ごめんごめん急に爆笑しだしてびっくりしたよね、ごめんごめん。事務所の名前のウンベナントって由来とか冥ちゃん知ってる?」「いや、知らないです。でもなんか響きかっこいいですよね!」「冥ちゃん、君さては厨二病だな?」「ッ!?ナ、ナ、ナ、ナワケナイジャナイデスカ!」「いやね、ウンベナントってドイツ語なのよ。厨二病は……ドイツ語発音に惹かれる生き物なのだよ。私は普通に何語かな〜って調べて知ったけど、冥ちゃんは知らないのに無意識に惹かれわけじゃん。つまり、そういうことだよ。ちなみにウンベナントはドイツ語で名称未定。名前考えるのめんどくさかったのかなとか想像しちゃってさ。」 もう一つの可能性は事務所設立の時にそれよりのファイルとか入れるフォルダの名前をノリでドイツ語の名称未定にしてそのまま採用みたいな。それはそれで誰がツッコミしろよ案件すぎる。「もう卒業しましたもん私。卒業しましたから!いや、社長はちゃんと名前考えてもろて。」「まぁまぁ、そんな恥ずかしがる必要はないよ。それも一つの個性だからね。配信者的にはプラスだよ。後付けの個性の多すぎは賛否分かれるけど人間的な個性はあればあるだけプラスだから安心しなよ。」「はい!それにしてもさすが由良さんって感じですね!やっぱりイラストレーターともなるとVTuberさんと関わる機会とか多いんですか?」"ニヤリッ"「それもあるけど、私の場合はそれだけじゃないんだよね。ふふっ……夢であるトップVTuberになるための修行をしつつ転生を繰り返した現役赤さんVTuberってキャラを盛りに盛りまくったこの私YURAが保証するよ。安心したまえ!」「ん?」「改めまして、VTuberのY
Read more

#133 トロロのモノマネ

「いぇーい!ぶいっ!仲良くしよーねっ!めーいぢゃーん!」「〇ロロだー!本物だ〜!いや、モノマネだけども!あ、そういえば由良さん事務所に怒られてませんでした?仕事しすぎだから休めって。」「すぅー……さ、さぁ本題に入っていこうか!うん!今日話さなきゃいけないことはいっぱいあるからね!ほんとにいっぱいあるんだよ、マジで。とりあえず今日はできる所まで認識すり合わせして、あとは私の方でなんとかする……つもり。めちゃ頑張る。」「あ、話逸らした……。というか話さなきゃいけないこといっぱいって何をどうしたらそうなるんですか?」「ん?君の事務所に自分行けます!やらせてください!ってしたらこんな感じ(立ち絵からオリ曲までの柿崎冥ちゃんトータルコーディネートコース)になった。」「わーお……い、今からでも事務所に断りの連絡入れましょう!その方が絶対良いですって!ていうかうちの事務所の人達は知ってるんですか?そのこと!由良さんの忙しさ知ってるなら普通止めません?」「えーっと……ウンベナントの社長には言ったよ?ほら、これは契約を結ぶにあたって言わないわけにはいかないからね。一応VTuberとしての活動とは独立しててうちの所属事務所的にはなんの問題ないし、兼業のイラストレーターさんもいっぱいいるんだけどね。とはいえやっぱり君の今後を預かる以上ここは筋を通さないと。」「そんなに色々考えてくれていたなんて……私頑張ります!」「最近忙しかったのは……さっさと諸々終わらせて好き勝手するために無理してただけなので当分時間あるから大丈夫!のはず。」「由良さん?」
Read more

#134 設定は飾り

「うるさいうるさいうるさいうるさーい!!!私の負担を少しでも減らしたいなら四の五の言わずに要望言う!そしたら私の作業も進むから!曲の方は独断と偏見で進めてるからそれなりに早く終わるはず。」「お!めちゃくちゃ楽しみにしてたので嬉しいです!散々かっこ悪いとこ見せちゃってる由良さん相手だと独断と偏見ってのがかなり怖いですけどね。大丈夫ですよね?信じてますよ、由良さん。」「大丈夫大丈夫。ちゃんと設定守ってる時に聞くと「なんか意外性ある曲だなぁ〜!こんな一面もあったんだ〜!」ってなるけど、君のボロが出てきた頃に聞くと「あぁ、めっちゃ冥ちゃんだわぁ……」ってなる感じに仕上がるから期待しといてね!」「なにそれ怖さ増したんですけど!?何するんですか!私のオリ曲に何するんですか!」「ふふっ……ひ・み・つ!」「ああもう可愛いなぁ!」「真面目な話、設定を最後まで守りきれるVTuberなんて稀有なんだよ。そして君は、やべっ!っていうタイプの人間だ。でもね、それも含めて君だから。君の素と君の設定が混ざりあって最適化されて柿崎冥という唯一無二のVTuberになる。あ、でも個人情報はポロリしちゃダメだからね。冥ちゃん結構おっちょこちょいだから不安で……。」「そこは君なら大丈夫!って言うところじゃないですか!それでも不安なら君を信じているという私の言葉を信じてみて欲しいとか言ってくださいよ!ねぇ!」
Read more

#135 ※録音中

「で、要望は?はよぅ。私もう疲れちゃった。」「はぁ……要望でしたっけ?猫耳白髪オッドアイにロングヘアーで、初期衣装はメイド服がいいです!あとは……太ももに暗器仕込みたいです!」 ふむ、ふむふむふむ……なるほどなるほど〜?「やっぱり君厨二病だろ。もうね、白髪オッドアイとかメイド服に暗器とか典型的な厨二病過ぎて惚れ惚れするよ。もうワザとだろ。さては君、ツッコミ待ちだなぁ〜?」「なわけないでしょ!」「それはそうとキーワードとしてはなかなか悪くないじゃない?まぁ組み合わせてみてどうなるかは分かんないけど、私が上手いこと調整するし任せといよ。もういい時間だしそろそろヒアリングは終わりかな。」「いや、まだ三時……」「私にはおやつを食すという崇高な使命があるのだよ、君。ではでは〜おつゆら〜。」「な、生で聞けたー!」「んじゃもう寝るよ。冥ちゃんも無理しないようにね、またよろしk……すぅーすぅー……すぅーすぅー……」「寝ちゃった。ほんとに限界だったんだな由良さん。通話切る前に力尽きてるし。にしても寝息まで可愛いな。もうちょっとだけこのまま聞いてから通話抜k……いや、いやいやいや!ダメだよ倫理的に良くない!それに万が一起きたらどうするのよ私!貴方の寝息を聞くために通話残ってましたって?ただの変態だよ!」※後日マネージャーに議事録を渡すために由良が念の為通話内容録音中
Read more

#136 オワタ

「ハスハスハスッ!由良ちゃんの可愛らしい寝息!」「ん?冥……ちゃん?」「やっばいどうしよう興奮してきた。この超貴重由良ちゃん寝息ボイス録音しちゃおうかな!ナニに使うために録音しちゃおうかな!」「あの〜冥ちゃん?芽依ちゃーん!」「あ……。」「えーっと……おはよ……う?」「我が生涯に一片の悔い無し!」「ちょいちょいちょーい!死んじゃダメ!死んじゃダメだからね!?ほら、責任果たさなきゃでしょ?マネージャーに事の経緯を説明したりとかその前にやることあるでしょ?自害する前に色々やらなきゃ!迷惑かけちゃうよ?ね?」「わかりました。逝く時は一人で誰もいないところでひっそりと逝きます。」 違うそうじゃない!けど最低限時間は稼げたし、一旦マネージャーさんに諸々をぶん投げて対策とって彼女の精神状態を回復させて……あぁ〜私が菖ちゃんにもう休みなって寝かせちゃったから!あの場に菖ちゃんがいたら起きなかった事故だもんね。そもそも私がYURAだなんてカミングアウトしなければ……ひ、ひ、ひとまず時間稼ぎには成功したし今はそれを喜ぼう。 こ、こういう時こそ大人に頼るべきだよね!一歳児がやることじゃないもんね!きっと人生経験豊富な大人なら完璧な対応で彼女を立ち直させるんだろうなぁー(前世老衰の中身年寄りによるヤケクソ)◇◇「ずびばぜんでじだ〜!どうか、どうか!いっぞわだじを殺じでくだざい〜!」「大丈夫だから、大丈夫だから、ね?別に私は気にしてないからさ。一旦落ち着こ?年頃の女の子がおよそしちゃいけないような顔になっちゃってるからさ。冥ちゃんの反省は十分伝わってるから!」
Read more

#137 ただの取引先ですので

「菖ちゃんヘルプ!」「いや、私にどうしろと!」 むーりーでーすー!私ってばまだ一歳の女の子なのでよく分からないでーす!ご自分で頑張ってくださーい!私はもうさっさと退散しまーす!「ほら、こう……なんかあるでしょ!所属タレントのメンタルケアもマネージャーの仕事の一環でしょ?がーんば!」「そ、そんなぁ……ママ絵師さんじゃないですかぁ!当事者じゃないですかぁ!」 真面目な話ママ絵師って言葉って一人歩きしちゃってるよね。私はあなたのママじゃないです。ただの取引先でしかないので甘ったれないでください。って今だけ言いたい。普段は思ってないけどね?ほんとだよ?「いや、御社のただの一取引先に過ぎないので。私はここで失礼します。」「待って!待って!お願い待って!由良ざーん!そ、そうだ!もう私|会社《ここ》でギャン泣きします!引くほど!もうみんなドン引するくらい泣きます!だから助けて!」「そんなこと言われたってー!起きたらなんか私の寝息を録音しようとしてる冥ちゃんいただけなの!私もよくわかってないの!被害者なの!彼女のことはそっちで引き取ってよ!"もういっそ私怒らないからネタに走って欲しいよ!なんでもいいよ!私のことで争わないで!"とかでもいいんだよ?なんでもいいからこの空気を打破してよ!誰かほんとに助けて!」
Read more
PREV
1
...
111213141516
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status