INICIAR SESIÓN街頭ビジョンに映るVTuber達に憧れた一人の少女がいた。お世辞にも良いとは言えない彼女の家庭環境では憧れに手を伸ばすことすら叶わない。 しかし、それは彼女が諦める理由にはならない。家を出て就職し、プライベート全てを憧れに近付くための自己鍛錬に費やした。 いくら彼女に才があろうと努力をしようと両親から逃げ続けている以上は表舞台には上がれないし、憧れ続けたVTuberにもなれない。彼女は最期までVTuberにはなれず、来世を夢見て死んでいった。 これは、そんな彼女の来世が舞台のシンデレラストーリー。 ※#〇.5の回は本編に直接的には関わりません。でも、読むとキャラ達のいる世界のことをもっと知れます。
Ver más現在の時刻は10時55分 どうも皆さんこんにちはYURAです。今は楽屋から移動してスタンバイバッチリって状況ですね。そんなことよりバカほど緊張してます。助けてください。もうね、やばいの。心臓がバックンバックンいってるの。ほんとに助けて。あと5分しかないのにもう緊張して緊張してまともに喋れるかどうかも怪しいです。まじで助けて。そろそろという指示がきてからはステージと繋がる瞬間に全身全霊で怯えながら待機しておりm 「YURAさん、もう始まります!」 「みゃー!」 あ、ヤッバイびっくりして変な声出た…… 一方その頃ステージでは…… 「なんか今みゃー!って聞こえなかった?」 「まさかだろ。気のせい気のせい。」 再び戻ってYURAサイド 「開演まで、3!2!1!」 「本会場へお越しの皆様!そして配信で本ライブをご覧の皆様!大変長らくお待たせいたしました!これより、VTuber『YURA』の生誕ライブを開演いたします!はい!開演アナウンスも済みましたし、そろそろ本ライブの主役であるYURAにご登場いただきましょう!会場にいる皆様と画面の向こうの皆様にお願いがあります。YURAちゃーん!!と大きな声で呼んでいただけると幸いです。現在YURAの身体の方がですね、あまりの人の圧に緊張しきっております!皆様の声がけがあればチキりにチキったYURAも出てこれることでしょう!皆様、いきますよー!せーーーのっ!!」 「「「YURAちゃーーーーん!!!」」」 ——YURAちゃーん! ——YURAちゃん! ——YURAちゃーーーん!!! 「お待たせいたしました。こちら皆様お待ちかねのYURAちゃんボディでございます。声の方は少々お待ちください。ん゛ん゛ん゛!はーい、開演アナウンス担当のみんなのアイドルYURAでーす!今日は緊張のあまり声を戻すのに少々手間取りましたが何とか戻ってこれました!改めまして、今日は私の生誕ライブにようこそお越しくださいました!是非楽しんでいってくださいね!」 ——いや、お前なんかい! ——んなこったろうと思ったよ! ——YURAちゃんがここで開演アナウンスを人に任せるわけがないもんな! ——好きだよねYURAちゃん、実は私でしたー!ってパターン 「えぇえぇえぇ、分かりますとも。皆さんはこう思ったことでしょう!『お前
「いや〜ここまで長かったな。」「ですねぇ、私も死ぬ気で作業しましたもん。めちゃくちゃ疲れましたし、もう二度とこんなのやりたくないって思いましたね。まぁ、数ヶ月くらいでこの気持ちが美化されてまたやりたいな〜って言ってると思いますけどね。でも、人間なんてそんなもんですよね。というわけでその時はよろしくね社長。」 何度作業机で寝落ちしてて怒られたことか。自分の発言にはちゃんと発言持たないとな。あんだけ言っといて寝落ちしてんじゃないとか休めって言ってんだろとか本当に正論すぎてぐうの音も出ない。「それはどっちの方向性で頑張ればいいんだ?」「というと?」「そりゃもちろん。あの地獄のデスマーチを思い出せ!またアレを繰り返すのか!正気に戻れ!って止める方向なのか。めちゃくちゃ準備するの大変だったけどなんかんだ楽しかったし、お客さんにも楽しんでもらえて良かったよな。また頑張って準備しような!って方向なのか。」「もちろん後者ですよ。当たり前ですよね?私たちはエンターテインメントがお仕事なんですから。」 楽しませるため、わくわくさせるためにやってるんだ。せっかくなら出演者にも関係者にもわくわくしていってもらいたいな。「はぁ……お前ってもしかしてドMだったりするのか?まぁクリエイターなんて苦行を続ける修行僧みたいな連中だしな、そりゃドMか。」「え?急にどうしたんですか?そんな急に多方面に喧嘩売るようなこと言って……。クリエイターをドM扱いするのは100歩譲ってスルーするとして修行僧をドM扱いはまずいですって!」「んあ!今のオフレコで……。」「いやまぁそれ自体は別にいいんですけどね?いいんですけどぉ、後になってこのライブにケチとか付けられたくないんでほんとお願いしますね?ほんっとうにお願いしますよ?」「わかってるってば!それよりさ、ソロライブもいよいよ明日にまで迫ってきてるけどコンディションは万全?」 正直疲れが溜まってきているけど、まぁ当日の動きに問題にならない程度だからな。多少疲労が残ってても明日になればアドレナリンでなんとかなるだろうよ!たぶんだけどな!「当然!そっちこそ機材トラブルとか大丈夫なの?」「それは……わからん。機材トラブルなんて起こる時は起こる。仕方ないとは言わないけど、そういうもんだから。もしトラブったらいい感じにアドリブで繋いどいて。その
「びっくりして度肝を抜かれて心停止しないようにだ?安心しろ、これでも俺はVTuber YURAの古参だぞ?そんなちょっとやそっとのことで度肝なんて抜かれてたまるかってんだ。これまで散々抜かれて俺もうお前さんの突拍子もない行動、言動にはならきってる。だから安心して話せ。全部受け止めた上でお前を信じて味方でい続けてやるから。ちょっとタンマ今のめっちゃフラグっぽい!なしなし!」 いや、たしかに私もちょっとフラグっぽい発言だなとは思ったけど今そういう雰囲気じゃなかったでしょうよ。締まらないなぁ。でもまぁ、そんなところも社長らしいや。「フフッ……社長、いつもありがとね。今から話すのは全部本当のこと。思いも、過去も全部ね。」 ちょっとこれを話すのは照れくさいけど、言うと決めてきた。このことを話してしまえば今の関係が何かしら変わってしまうかもしれないのはわかってた。それでもソロライブのために全てを出し切ると決めたのだ。その全てには当然今の原点である前世でのことも含む。当然だよね、今私が扱う技術の大半は前世で培ったものなんだから。やっぱりなんか恥ずかしいな。でも、言うんだ。ここで。「よーし、ドンと来い!」「私はね、転生者なんだ。厳密にはみんなそうらしいんだけど、私は前世の意思を引き継ぐことができた。なんか前世の未練と執着が関係してるらしいよ?今はもうそんなに思い出せないんだけど、たぶん前世の私はVTuberって存在に憧れながらもなることは出来なかった。それが環境のせいなのかなんなのかはわかんないんだけど、夢を捨てきれなかった私は努力を続けたの。」「VTuberにはなれないのにか?」 我ながら頭おかしいことに努力やめなかったんだよね。ほんとにあれは取り憑かれていたって表現がピッタリなくらいだったな。その努力に先はないのにさ。まぁ、あったんだけどね、先。神様には感謝しかないよね。神様が言うには私の意思がもたらした奇跡みたいな話だったけどそれでも感謝の気持ちは変わらない。「うん、VTuberにはなれっこないのに。でもその諦めの悪さが今に繋がってる。不思議な話だよね。必死こいて少しでも憧れた最前線のVTuberさんに近付くために、いつかチャンスがきた時にどんな低確率でも掴み取れるように頑張り抜いた結果VTuberになりたいって想いを抱いて第二の人生を始められるんだもん。簡
父が死んだ。母さんが死んですぐ違う女とイチャついているあのクソ野郎のことは大嫌いだった。それでも親は親だ。涙のひとつやふたつ出ると思っていた。 何も思わない。何も感じない。何もしない。 私は何も変わらない。 私にとって父はどうしようもなく他人だった。 父の死体を見た時、そんな私の心が動かされた。でもそれは……人の形をした得体の知れないナニカに対する言いようのない恐怖と嫌悪感だった。 得体の知れないソレの衝撃に思わず普段の仮面が剥がれかける。 それでも取り繕うのは得意だ。顔に父を亡くして悲しみつつも気丈に振る舞う少女の仮面を貼り付けひたすらにそれらしいことを言い続ける。タイミングを見計らって意図的に涙を流す。 人を味方に付けるにはどうすれば良いかの最適解を選び続ける作業。私はそれを機械的にこなし続けるだけ。 それはそうと一応活動休止期間挟むべきかな。どこから何が漏れるか分からないしね。変に情報漏れるよりしっかり経緯の説明して印象を誘導した方が何かと都合がいい。活動休止するとなると久しぶりにまとまった時間取れるし準備に時間かかる企画ものの計画立ててちゃっちゃと準備進めちゃうか。 面倒ごと増やしやがってって思ってたけど、これはかえって良かったのかもしれない。大した理由もないのに休止なんてしたらリスナーのみんな離れちゃうかもだしね。心配させちゃうけど同情でグッズの売れ行きも良くなればライブもできるかな。ふむ、これはこれで悪くないね。「死んでくれてありがとね、父さん。」◇◇「はぁ……あの時の夢か。最低だな、私って。」
『ささ、こっちにおいで。僕が案内をしよう。顔合わせの場所は第6会議室だから……ってやべっ!』『ちょっと社長!なにこんな所で油売ってるんてすか!もうあと10分くらいでリモート打ち合わせ始まるんですよ!早く社長室に戻ってきてください!あ、この方がVTuberの……』 こういう大人にならないようにしよう。経営手腕と見る目はすごいんだろうけど……これは見習っちゃダメな大人だな。 『そうそう!彼女が新進気鋭のセルフ受肉VTuberのYURAちゃんだよ!未来のうちのエースだからね!僕自ら案内をしようと……』『YURAさん、申し訳ないのですが社長は今から打ち合わせでして……案内には代わりの者を手
「えーっと……一応VTuberとしては初めて話すし、まずは自己紹介しよっか!」 一応建前上はここが初対面。立ち絵のヒアリングのために話した時の第一印象的なの話す機会もあるだろうし、私の自己紹介聞いてどう思ったか後で聞いとくか。「あ、そういえばそうですね!そっか、VTuber的には一応前世での知り合いってことになりますもんね。私は|藺月芽依《いづきめい》です。今回VTuber事務所ウンベナントから|柿崎冥《かきざきめい》としてデビューすることになりました!改めてよろしくお願いします!」「ブハッ!ふっふっふっふっ……まだ事務所の名前聞き慣れないや。ごめんごめん急に爆笑しだしてびっくりしたよ
「いぇーい!ぶいっ!仲良くしよーねっ!めーいぢゃーん!」「〇ロロだー!本物だ〜!いや、モノマネだけども!あ、そういえば由良さん事務所に怒られてませんでした?仕事しすぎだから休めって。」「すぅー……さ、さぁ本題に入っていこうか!うん!今日話さなきゃいけないことはいっぱいあるからね!ほんとにいっぱいあるんだよ、マジで。とりあえず今日はできる所まで認識すり合わせして、あとは私の方でなんとかする……つもり。めちゃ頑張る。」「あ、話逸らした……。というか話さなきゃいけないこといっぱいって何をどうしたらそうなるんですか?」「ん?君の事務所に自分行けます!やらせてください!ってしたらこんな感じ(立
「で、要望は?はよぅ。私もう疲れちゃった。」「はぁ……要望でしたっけ?猫耳白髪オッドアイにロングヘアーで、初期衣装はメイド服がいいです!あとは……太ももに暗器仕込みたいです!」 ふむ、ふむふむふむ……なるほどなるほど〜?「やっぱり君厨二病だろ。もうね、白髪オッドアイとかメイド服に暗器とか典型的な厨二病過ぎて惚れ惚れするよ。もうワザとだろ。さては君、ツッコミ待ちだなぁ〜?」「なわけないでしょ!」「それはそうとキーワードとしてはなかなか悪くないじゃない?まぁ組み合わせてみてどうなるかは分かんないけど、私が上手いこと調整するし任せといよ。もういい時間だしそろそろヒアリングは終わりかな。」