日本舞踊の指導が始まって本日二回目。 初回は挨拶と最終的の目標で踊る演目を見てもらって基本のお辞儀を稽古したので今日は、手の基本から始める。早く演目から練習した方がいいとプロデューサーの方に言われていたが、基本から覚えていった方が軸はブレないし安定感もある。基本的な動作ができていないといい踊りなんてできない。昔、コピーをすれば全然オッケーという生徒さんがいたけどその人はすぐに辞めてしまった。一度できても基本がわからないから少しずつズレが後からやってきた。とから入った基本からしっかり稽古していた同じ演目を練習している生徒に追い抜かれたことがきっかけだった気がするが、なんにせよ基本は大事だ。 「復習から始めましょうか、では、お辞儀から」 だが、彼らはさすが俳優さんと言うべきかもうすでに完璧だった。こんなすぐに習得できるなんて……うちに欲しくなる。それに礼儀作法やすり足の仕方と扇子の広げ方を指導して次は手の基本についてだ。 女の手、男の手があるがまずは基礎から始める。 「まず、しっかりと力を入れて伸ばして指がそり上がるようにします。親指に力は入るが反らないようにまっすぐに内側に、指は閉じます」 茉縁さんはダンスの経験と、舜也さんの方はバラエティ番組の企画で歌舞伎をやったことがあるらしく上手だった。普通のお稽古なら、女の手と男の手を両方やるがドラマで踊るのが主なので別々で教える。 まず、女の手からだ。 「先ほどやった基本の手から緩め、反った形から手の甲からまっすぐになるようにします。人差し指以外の中指、薬指と小指を軽く曲げる。そうすることで力を入れていないように見えます。これが胸元にあったり、何かを指すというときに使う動作なので自然な動きをするには大切です。握り手は、親指に人差し指が包み込むように曲げます」 「なかなか難しいですね……だけど、先生みたいに滑らかに出来ないですね。動画とってもいいですか? 練習したいので」 「もちろん大丈夫ですよ」 茉縁さんがスマホを持ってきて私にカメラを向けた。手の形の説明をしながらの見本をやってみせると「ありがとうございます」と言って練習を始めていた。 なので次は舜也さんの番だ。 「……では、男の手を。男の手は基本の形をさせて、親指を開く、指の間を少し開きます」 基本が出来ていれば男の手は簡
Last Updated : 2025-04-27 Read more