「それで ? なんでわたしからなのよ……」 リコに呼ばれたかと思ったら、いきなりぶっつけ本番なんですけど。 嫌がらせ ? DIVAを使う自分の引き立て役か、わたしは ! 「全くもう。で !? 何を歌えばいいの ? 」 客はもう出来上がってる感じね。イベントって聞いて早めに酒場に来て、待てずにお酒入れちゃったんだろな。客席はほぼ満員。冒険者半分、町の人が半分ってところかな。地域性かこの辺りに大きな川や海はない地元民は普段着なのが丸わかりだし、冒険者はその逆ね。これからアリア方面に向かうとしたら絶対に買い替えが必要な安かろう悪かろう。派手すぎるからすぐ分かる 「エルザ大陸の民族音楽、あれをやろう。 まずは一曲。同じ曲だ」 …… ? 「あんた、まさか一曲毎にわたしたちの人格を入れ替える気 !? 」「その方が聞き手は比べやすいはずだ」「そりゃそうだけど ! 」「順番と言うのは案外重大なんだ。先か後かで優劣を付けられたくない。一曲目は同じ曲だ」 そりゃあそうですけど。「行くぞ」 先にセロが踏み出す。 観客席の笑い声やがなり声、食器の音が一瞬消える。 セロが中心に立ち、拍手がちらほら聞こえた。 けど、なんかタイミング分からないから、わたしもここでステージに出た。 一緒の方が良かった ? わっかんねぇのよコッチは ! 無音 !? なんか時間止まった !? いや、もう引くに引けないし !! セロのそばに立つと、観客席を向く。「うぉ〜 ! 」「き、綺麗な人……」 ふーん。裏じゃよく見えなかったけど結構、人入ったのね。流石にホール全体は見渡せないけど。 シエルもカイもいると思うけど、店中の光量の半分以上を
Terakhir Diperbarui : 2025-08-18 Baca selengkapnya