「夏也、色々とありがとう。あと、勘違いして怒ってばかりでごめんね。」この場は啓介が会計をしてくれたので、その優しさに甘えることにした。私は夏也と二人で先に店を出たタイミングで、改めてお礼と謝罪をした。「いいんだ、俺も良いやり方がこれしか思いつかなくて。それにしても、高柳さんにも俺たちが別れた理由を留学って言っているんだな。」「うん。本当は夏也が何回も謝ってきたときに許そうと思ったの。でも、夏也が『他の女を知らないのは恥ずかしい』って言ったのを聞いて幻滅しちゃって。」私の言葉に夏也は大きくため息をついた。その表情には、過去の自分の言動に対する後悔と、恥ずかしさが入り混じっていた。「あー、あれか。あれ、馬鹿だったよな、俺。絶対的に俺が悪いんだけど、言葉足らずというか、やり方を間違えたというか……。」「どういうこと?」夏也は、言いづらそうに言葉を選びながら、ゆっくりと話し始めた。「俺も佳奈も初めて同士で、異性の身体のことって相手以外知らなかっただろう?佳奈をもっと喜ばせるには、一緒に楽しくなるためにはどうすればいいか考えたら、テクニックを上げることだと思ったんだよ。それで、練習をしたかったというか、もっと色んなことを知って佳奈を喜ばせたかったんだよ。しかも、驚かせたいとも思ったわけ。言い訳がましいし、本当に馬鹿な発言なんだけどさ。」
Terakhir Diperbarui : 2025-08-19 Baca selengkapnya