LOGINバリキャリ佳奈と独身主義者でCEOの啓介は 共に結婚願望がないことで盛り上がり交際に発展。しかし、突然佳奈からプロポーズを受ける。 「私たち最高の夫婦になると思うの、結婚しよう」突然の告白に驚く啓介。 しかも、ただの結婚ではなく『自由を手に入れるための結婚』独身のような生活は維持しつつ、結婚することで得られるメリットを享受しようとする2人。合理的な選択のはずが啓介を狙う元カノや跡取りが欲しい両親、佳奈を狙う同僚が迫ってきて新婚早々二人の生活に波乱が襲う!
View More啓介side佳奈と偶然、鉢合わせをしたあの夜――――俺は、美山が印刷してきた書類を預かり鞄に入れて帰宅した。そして、佳奈と仲直りをしている時に、ソファの横に置いていた鞄から少しだけ顔をのぞかせるこの書類を佳奈が見つけたのだった。「ねえ、この書類、何?会社をどうするつもりなの?」「何って……。新規取引先の情報入力に必要だと言われて渡されたものだ。」「これ、書いちゃダメよ。絶対渡さないで。これ会社を売却したい人が作成するシートよ。」「なんだって……!?」そこから、俺は結城のことを疑い始めた。そして結城との会食の場で、不自然に美山が訪れたこと、そして葉山と佳奈に鉢合わせしたことも仕組まれたことではないかと考えるようになった。「相手の出方を伺いながら、証拠を集めましょう。」数日後に写真が送られてきたことと、その画像が葉山が作ったものに似ていることから、疑惑は深まっていった。一枚目で違和感を覚えたが、確証を得るために佳奈はわざとあのメールを受け取り続けたのだった。葉山の話を聞くことも出来て全てが繋がり、今こうして結城先輩と美山に直
啓介side「失礼します。遅くなり申し訳な……。」そう言いながら美山は中に入ってきたが、その瞬間に居合わせたメンバーを見て、その場で凍り付いた。彼女の瞳は、驚愕と混乱で大きく見開かれている。「なんで、だって今日は……。」三田の代わりという嘘の口実を信じ、この場に来た彼女の絶望を物語っていた。「ああ、言ってなかったな。二人追加になってな。クリエイターの葉山さんと妻の佳奈だ。美山はどこに座る?俺の隣か?それとも結城先輩の隣の方がいいか?」俺は、美山の動揺をさらに煽るため、冷徹に微笑みながら問いかけた。「え、社長……どういうことでしょうか。話がサッパリ……。」美山は、助けを求めるように結城を見た。しかし、その結城もまた、この状況に顔色を失っていた。「美山咲良さん、あなたのことを調べさせてもらったの。以前、本名とは別名でモデル活動をしていたわよね。その時に、結城さんと知り合って今は恋人同士なのよね。SNSも見つけたわ。」俺の隣で佳奈が冷たい笑顔で美山を見つめている。
啓介side「美山、今日の夜、空いているか?予定の会食だが三田の体調が悪くなって代わりに来て欲しい。仕事の話はないから大丈夫なら同席してほしい。」「はい、大丈夫です。十五分程予定がありますが、時間には間に合いますので終わり次第向かいます。」「ああ、よろしく頼む。」美山にそう伝えると、美山は俺のスーツの襟を正してきた。相変わらずの距離感に嫌気がさしたがそれも今日で終わりだ。―――数時間前、佳奈からもらった電話に、俺は声をあげていた。「え?あの写真を作った人が分かったって?それは、本当か!」「ええ、今本人に確認した。だけど、仕事として依頼されたようなの。」「そうか……。佳奈、もしかして最初から、写真は偽造だって分かっていたのか?」「だって啓介がこんなことするはずがないもの。送られてきた写真も微妙に加工がされていたし、先生の『いつものクセ』で気が付いたわ。」その言葉で、佳奈が俺を信じていたことが分かり、ここ数日の胸の痛みは消え去っていた。「佳奈…&
佳奈side「坂本ちゃん?何が言いたいんだい?」彼の声や仕草には、僅かな動揺が混ざっていた。私は、自分の考えが正しいことを確信した。「葉山さんが、私を信頼して担当の変更を希望して下さったように、私も葉山さんのことを尊敬していたということです。先生の作品は、どれもチェックしており、他の人には分からない小さなクセも把握しているつもりです。今回の写真、被写 体の男性が綺麗に映るように、少しだけ男性の周りの背景をぼかしていますよね?これは、先生の初期の作品に見られた手法です。それに、夜の道で撮られた写真なのに男性側だけ鮮明です。」沈黙が、重い空気となって二人の間に横たわった。私は、葉山の目を真っ直ぐに見つめた。「夫は一般人です。もちろん、素材の提供も許可していません。この写真は、先生ご自身の意思で作られたのですか?それとも依頼だったんですか?どちらにせよ、勝手に素材を使うことは今後の先生の活動に影響します。教えてください。」しばらくの沈黙のあとに、葉山は重い口を開いた。諦めと感心がない交ぜになったような表情だった。「さすが坂本ちゃんだね。僕が見込んでいただけのことはある。確かに、これは僕が作ったものだ。」「やっぱり
記念DVDを再生し終えた後、私たちの間に重い沈黙が流れた。あの悪意に満ちた映像は、啓介と私の心を深くえぐった。怒りと、そして何よりも信じられないという気持ちが私たちを支配していた。最初に私が口を開いた。「このDVDだけど、お母さん一人で考えて実行したことではないと思うの。」
会場に入り、私はグラスに入ったシャンパンを受け取ると会場を見渡した。そして、視線の先に小さな子供連れのファミリーを見つけた。その家族の近くに立ち止まった時だった。隣の幼い女の子が大きな声で指をさした。「ねえ、隣のお姉ちゃんすっごく可愛いね!」周囲に
「一つ目は、近いうちに啓介の誕生日パーティーを開いてほしいということ」母の言葉に俺は首を傾げた。俺の誕生日パーティー? それと結婚に何の関係が?「二つ目。そのパーティーに啓介の知人や仕事関係の方々を大勢呼んでほしいの。そして、そのパーティーの招待や段取りは佳奈さんが主体となって行ってちょうだい。」佳奈は母の言葉に小さく頷いた。「そして、三つ目。そのパーティーで皆の前であなたたちの婚約を報告すること」最後の言葉を聞いた瞬間、俺と佳奈は再び顔を見合わせた。驚きを通り越して戸惑いと警戒心が入り混じった表情になった。(二つ目は佳奈の力量を見極めようとしているのかもしれないと思ったが、婚約
「実は、啓介がこの前実家に来たの……。」まだ未練があるという凜に佳奈のことを話すのは酷だと思い、佳奈が来たことは話さずに啓介が子どもを望んでいないこと、そして女性は結婚したら家庭を優先すべきという価値観に苦言を言われたことなどをポツリポツリと打ち明けていった。凛は、私の話を真剣に、時折悲しそうな表情で聞いてくれた。「そうだったのですね…啓介