All Chapters of 誰が契約結婚だって?ハイスぺCEOは私しか見ていない: Chapter 211 - Chapter 216

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214.清々しい別れ

確かに二人で食事に行こうと誘った時、裕子は嬉しそうな顔をした。その顔を見れたのが嬉しくて、つい日程調整するよう裕子に指示した。しかし、俺の母親に連絡するように伝えると裕子の顔は一気に曇り、次第には「やっぱり家族で過ごしたいから行かない」と言い始めた。(あの時は、裕子の気まぐれだと思っていたが、そうさせていたのは俺だったのか?)「どうせ、店も好きなところ決めていいから予約しといて、とか調べといて、とでも言うつもりだったんでしょ?」「そ、それは…そうだけどまずいのか?その方が食べたいもの食べられるだろう」「違うわよ!日々育児を頑張っている中で、お店を調べて予約するなんて、疲れ切っている側からしたらタスクが増えるだけなのよ。疲れている奥さんの労いなら、自分で店探して誘いなさいよ!」裕子の気持ちに全く気づいてやれなかったことに、俺は鈍器で頭を殴られたような衝撃を受けていた。俺は、自分だけが被害者だと思っていたが、本当は、俺が一番、裕子を傷つけていたのかもしれない。その後も、どう誘われたら嬉しいかのレクチャーと説教が続いた。俺の隣で、相変わらず勝ち気な顔で説教を続ける凛の姿が、なぜか少しだけ眩しく見えた。「そうか、ありがとうな。誘ってみるよ。なんだか次は上手くいきそうだ。」「当
last updateLast Updated : 2025-09-08
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