「あ、の……せめてシャワーを……」 学校の帰りにそのまま来たから……抱かれるならせめて綺麗な状態でにしたい。 でも、そんな私のささやかな願いも紅夜は叶えてくれない。「無理、待てない」 短くそう口にしたと同時に、彼は私にのしかかる。 そして膝立ちの状態で私を見下ろした。 満足そうに微笑む紅夜の白い肌が、夕日に照らされ赤く染まっている。 光が反射して、赤いピアスがきらめいた。 ああ、やっぱり紅夜は赤が似合う。 赤い――花のような人。 つい、抵抗も忘れて見惚れてしまう。 そんな私に気付いた紅夜は楽しそうに笑った。「そんなに熱い視線で見られると、本当に抑えが効かなくなるんだけど?」 そうしてベッドに片手をつくと、もう片方の手がブレザーのボタンを外す。 その手がすぐに首元のリボンを外しにかかるけれど、私はもう抵抗する意思を失っていた。 熱を孕んだ紅夜の目を見つめ返すことしか出来ない。 普段は感情の読み取れない冷たい目をしているのに、そこに熱がこもったときだけは焦がされそうなほどの感情が読み取れる。 赤い炎が揺らめいていそうな、その綺麗な瞳から目が離せない。 制服のリボンを外し、ブラウスのボタンも外しながら紅夜は口を開く。「……確かに俺は色々仕込んだけど、最終的に選んだのはお前だよ、美桜」 「っ!」 その通りだった。 自分の女である証を先に渡していたり、シルバーリングとヘアクリップの交換を指示したり。 色々仕組まれたことはある。 でも、それでもこの街に来るかどうかを選ぶのは私自身だった。 最後の選択肢は、私に委(ゆだ)ねられていた。「選んで、決めたのはお前。そうしてまた俺の元に来たからには……」 シュルリと、髪を結んでいたリボンを解かれる。 そのリボンについている花のモチーフに、紅夜は口づけた。「もう、手放してやらない」 彼の瞳の炎がひときわ明るく揺
Terakhir Diperbarui : 2025-05-28 Baca selengkapnya