魔法学校の校長はしたくてやりたい仕事ではなかった。 僕、キースの両親は魔法の力を持った魔族だった。 僕たち魔族が住んでいた集落は、僕を残してマサス王国により全滅させられた。 僕たちには魔法が使えない時間があり、その秘密がマサス王国の間者に漏れていたのが原因だ。 捕らえられた両親は、俺の目の前で血を生き絶えるまで採取された。 絶望の淵にいた5歳だった僕の前に現れたのは、先代のマサス国王陛下だ。「余は我々を辱めた大陸に一泡蒸すことを考えている。キース、お前を息子のように扱うと誓う。余の大陸侵略に力を貸せ」 そう言った彼は両親を失った僕が、彼の提案に飛びつくと考えていた。 僕が選ばれたのは、村で1番幼かったからだ。 まだ、子供で庇護する相手が必要な子供を拐かすなどわけないことだと思われていたのだ。 僕は魔法の力で人の心が読めた。 そのため、彼の心を読むと建前とは違う醜悪な考えを持っていることが分かってしまっていた。 それでも、生きる為には気付かないフリ、愚かなフリも必要だと思った。 「僕にできることなら、何でもします⋯⋯」 いつか復讐してやるという気持ちを隠しながら、僕はマサス王国の魔法研究をすることになった。 レオナルド・マサスの治世になると、魔法研究と、魔法使いの訓練所として魔法学校が創設された。 地下に秘密裏に創設された設備には、薬で誕生した魔法使いが集められた。 魔法使いと人間は根本的な遺伝子構造が違う。 それゆえに、オーダーされた魔法の力がつく薬を作っても摂取した人間のおよそ9割は拒否反応で死んだ。 上位の魔法を得る薬程、死亡率は高くなった。 副作用として、薬で誕生した魔法使いは魔法の力を1人だけに分けることができた。 でも、その不思議な副作用も含めて、まだ謎の多い薬を人に使う事に僕は反対だった。「9割が死ぬ薬など使えません」 僕はレオナルド国王陛下に進言した。 僕は魔法の力でレオナルド国王陛下の心を読んだ。
Terakhir Diperbarui : 2025-06-17 Baca selengkapnya