Semua Bab このプロポーズ、姉と寝た彼からだった: Bab 11

11 Bab

第11話

彼女が許してくれるなら、ただもう一度、やり直せるなら。 この先きっと、ふたりで幸せになれると思っていた。 けれど、彼女の態度はあまりにも冷たかった。 まるで最初から何の感情もなかったみたいに、徹底的に拒絶された。 悔しかった。 思わず手を出しかけた。 幸い、小曽根がすぐに駆けつけ、俺を突き飛ばしたことで、大きな過ちには至らなかった。 そのあと、彼女が海外へ行くという話を聞いた。 さらに、両親が報復を企てているという噂も耳にした。 こういう家は、体裁がすべてだ。 一度でも顔に泥を塗られたと感じれば、手段を選ばない。 だから俺は、全部引き受けた。 まどかに何も届かないように、全部俺が背負った。 屋敷を出るときには、身体中が傷だらけだった。 そのまま、彼女に会いに行った。 場所は、彼女の両親の墓前だった。 彼女は少し痩せていた。 目の下にはくっきりとクマができていた。 言葉を交わそうとしたけれど、まどかは怒りに満ちていた。 その顔を見た瞬間、喉が締めつけられるように苦しくなった。 俺は話すのをやめて、線香に火をつけた。 風が吹いたのか、火のついた線香が跳ね返り、手の甲を焼いた。 その痛みよりも――そこに込められた拒絶の意志が、何より堪えた。 彼女の両親が、俺を拒んでいる気がした。 まどか自身も、同じように言った。 何もかもが拒絶だった。 俺は完全にひとりになった。 背中の傷はズキズキと痛んでいたが、それ以上に胸の奥が痛かった。 本当に……もう彼女を失ったのか? その答えばかりが、帰り道の頭の中を支配していた。 たった一度の裏切りで、全部終わるのか? 車をわざとガードレールにぶつけた。 救急に通報し、ついでに小曽根に連絡を取ってくれと医者に頼んだ。 命をかけた賭けだった。 ただ、一度でいい。 もう一度だけ、まどかに俺を見てほしかった。 けれど――彼女は一言もかけてくれなかった。 冷たい沈黙だけが、返ってきた。 そのまま、俺は病院のベッドに一ヶ月横たわった。 だがその間、一度たりとも彼女からの連絡はなかった。 狂おしいほど彼女が恋しくなった夜、ダメ元で電話をかけた。 冷たい音声ガイダンスが耳を貫いた。 ――この
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