マイケルも生き生きと仕事をしてるみたいで良かったわ。 もうすぐ私とノービア様の婚約式。感慨深いものがあるわね。 国外追放をされているとはいえ、一応アイリア王国で王太子妃教育を受けていたので、かなりの知識を持っているわ。特に外交に役に立つんじゃないかしら? 「アンリーヌ様!」 あら、マイケル。「ドレスの仮縫いが終わったので、ご試着をお願いいたします」 このようなことは侍女がするのではないかしら? マイケルは私達が結婚することを強く望んでいるから仕方ないかなぁ? 「どうかしら?」 私は360度見えるようにクルリと回って見せた。「アンリーヌ様、お綺麗です」 私の賞賛ではなく、ドレスよドレス!「アンリーヌ様は何を着てもお似合いで」「私達が磨き上げたってのもあるけど、もともとお美しい方だから」 だから私じゃなくて、ドレスよ! 3人ともドレスをよく見てないのかな?私がチェックした。うん、問題なさそう。「このままで問題なさそうよ。やっぱりシンプルなデザインはいいわねー」「「「アンリーヌ様の美しさが引き立ちます」」」 私は閉口してしまう。 あ、ノービア様!「ノービア様、仮縫いなのですがドレスに問題があるかチェックしてください!」 きっとノービア様なら見てくれるはず!! ……甘かった。「アンリーヌの美しさが引き立つようないいドレスだと思うよ。問題?何もないよ?」「…ドレスに問題はないんですね。わかりました。ではこのまま本縫いでお願いできるかしら?」「任せて下さい!」 縫うのはマイケルじゃないのに、『俺に任せろ』的にマイケルが持って行った。「先ほどのドレスを着たアンリーヌは女神かと思った。誰かに攫われないだろうか?婚約式の警備は大丈夫だろうか?」 その辺の手配もマイケルがしているハズです。……多分。*********** ドレスを纏ったアンリーヌ様は本当に美しかった。 ノービア様が仰られたように女神降臨!という感じに私には見えた。 これは…婚約式当日の警備計画を見直し、引き締めねばならない。 特に気を付けるのは、アイリア王国がアンリーヌ様を連れ戻そうとすることだ。 それだけは避けなければならない。 そんなことがあってはアイリア王国VS.カインド帝国が開戦してしまう。 どう考えてもカインド帝国が勝つだろうけど
Last Updated : 2025-06-19 Read more