しばらくして、遥香から返信が来た。【じゃあ、どうしてほしいの?】【相沢家に住んでほしいの】【住んでどうするの?】小夜は二文字打ち込んだ。【撮影】以前、この手で遥香を脅しておいたおかげで、彼女はずっと大人しくしていた。温存していたこの駒を、今こそ使う時だ。たとえ遥香の件が若葉の差し金でなかったとしても、彼女と相沢家が敵対関係にあることに変わりはない。彼らのせいで、このところ散々頭を悩ませてきた。小夜だって、いつまでも黙ってやられっぱなしでいるような性格ではない。相沢家にも同じくらい頭を抱えさせてやるべきだ。哲也が愛人を殺害しようとした件については確証がないため、軽はずみなことは言えない。だが、相沢家に隠し子が存在するのは動かぬ事実だ。この事実を利用して遥香を若葉のそばに送り込み、彼女と圭介の親密な写真、できればキスしているところやベッド写真、動画を撮らせる。それを離婚裁判をやり直すための新たな証拠とし、彼女を証人として利用するのだ。遥香は少し戸惑っているようだ。【撮影?】【圭介は頻繁に相沢家に泊まっているわ。あなたが相沢家に住むことになったら、二人がキスしているところや、ベッド写真、動画を撮って送ってほしいの】向こうは長い間沈黙していた。あまりに直接的な要求に驚いたのだろう。しばらくしてようやく返信があった。【あなたには助けてもらったしね。約束するわ】以前、小夜が長谷川家に閉じ込められる前、第三者の口座を使って遥香に一千万円を送金し、彼女の母親の当面の医療費などを肩代わりしていたのだ。だから、遥香が断らないことは分かっていた。小夜は微笑んだ。【定期的に状況を聞くわ。連絡はこのLINEだけでして】【分かった】遥香はさらに尋ねた。【いつ公表するの?】【一週間以内。いつでもいいわ】昨夜、芽衣と話した際、来週の月曜日に宗介が公の場に姿を現し、ネット上で噂されている失踪説や死亡説を覆すと聞いていた。その時、世間の風向きは大きく変わり、間違いなく大騒ぎになるだろう。そんな時に相沢家のスキャンダルを流しても、かき消されてしまうだけだ。少なくとも、天野家の件が落ち着くのを待たなければならない。考えがまとまると、彼女はマスコミの友人に連絡を入れ、相沢家の隠し子の情報を数日後に流すよう指示
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