「何で……オレが生かされたんだ……? セレナが生きていた方が、皆んな幸せだったろ‼︎ 意味分かんねーよ! そんなの望んでいない! 双子の兄諸共そのまま殺してしまえば良かったのに‼︎」 恐らくはそれが最適解で取るべき選択肢だったのだ。 自分はこの国に来てはいけなかった。 ゼリゼと共にマーレゼレゴス帝国に来ずに、日本で一人ひっそりと年をとって内側にいる兄と共に朽ちてしまうべきだった。 そしたらこんな事にもならずに済んだ。 例え辛かったとしても、周りに救いなんて求めなければ良かったのだ。「そんなの急に色々言われても理解出来るわけないだろ! 本当に、意味……っ、分かんねえよ。オレなんて要らなかったろ! オレなんて……ッ居なくていいから……皆んなに、セレナを返して……」 日本だけでなく、ここでもセレナは愛されていた。 ラルから聞く話でもセレナは優しくていつも綺麗な存在で、とても眩しくて尊い。 あんなに求められていたのに、何故そのセレナが居なくなって自分がいるのだろう。『邪魔じゃない。俺にはお前が必要だ』 ゼリゼの顔が思い浮かんで、玲喜は座り込んだまま地に額をつける。 ——ゼリゼ……。『お前と子と家族になりたい』 ——ごめん。 今同じ事を言われたら、あの時と同じように頷けそうになかった。 きっとこれからゼリゼにも、腹の子にも同じ運命を背負わせてしまう。それがツライ。 ゼリゼを愛してる。 片時も側を離れたくないくらいには愛してしまった。 でも、恐らくは愛してはいけなかった。 自分がゼリゼに出会うのは必然的で己に課せられた運命だったのだろう。 しかし、日本でしっかりと離別していなければいけなかった。 自らゼリゼを誘惑する真似をして、その上で助けも求めてしまったから、ゼリゼや本来関係なかった人たちにまで危険が及んでいる。 少女がこうして自分の元に現れたのを考えると、日本に居ても会いに来たのだと予想出来た。 自分は時が来るまで耐え抜いて、大人しく日本にいるべきだったのだ。「オレ……、選択すべき道を……間違えたんだな?」 ——オレはどうすれば良いんだろう。 頭の中がぐちゃぐちゃで思考回路が働かない。 何を考え、何を優先して、何をすべきか、答えなんて出そうになかった。 いくら考えたところで今さら何も選べやしない。「間違えていない
Last Updated : 2025-07-31 Read more