「玲喜、何処へ行く?」「帰れたんだからオレはもう用済みだろ。オレは何処か暮らせる所がないか探してくる。もう日本には戻らない」 出て行こうとした所で、距離を詰めてきたゼリゼに後ろから抱きしめられた。「俺にはお前が必要だと言っただろう」 緩く首を振る。 嫌われながらも生活を共に出来る程、強い精神力は今の玲喜にはなかった。「お前にはもう抱かれたくない。関係も終わりにさせてくれ。それに嫌いなオレの顔を見なくても済むぞ。良かったな」 振り返ると何故かまた泣いてしまいそうで、玲喜は扉の方向を見つめたままゼリゼの腕から逃れようともがく。「先程から思っていたが、俺はお前を嫌いだと言った覚えはないが?」「顔を見るだけで苛々するって言ってただろ。もういいってそれは。いい加減離してくれ。日が高い内に寝床を確保しに行きたい」 力を込めれば込めるだけ、ゼリゼの腕の力も強くなった。「住むなら此処に住めばいい」 告げられた言葉に玲喜が力なく笑う。 親切心をそのまま受け取れる状態でもなくて、玲喜は嘲笑するかのように口を開いた。「それでまた夜の慰みものになれとでも言うつもりか? そんなにオレの体は良かったかよ…………ウンザリだ」「お前何言って……」 力が緩んだ隙に振り返り、正面からゼリゼを睨みつける。「お前の顔なんて見たくない。オレはお前と縁を切りたいんだ! 分かれよ! 王族だろうが関係ない。お前との事は全部忘れたい。無かった事にしたい。いい加減オレを解放してくれ!」 叫ぶように言った直後に、有無を言わさず抱え上げられて奥の間にあるベッドに放り投げられた。 逃げ出そうとしたところで押し倒されマウントポジションを取られてしまい、逃げ場を失う。「ゼリゼ!」 両腕をいとも簡単に頭上で固定され片手で押さえ込まれる。 全力で拒否しているのにゼリゼの体はピクリとも動かない。やがて息が上がってきて力さえまともに入らなくなってきた。「玲喜、良い事を教えてやろうか」「何だよっ⁉︎」 上着をたくし上げられ、素肌に手のひらを這わせられる。「ちょ、やめろ! こう
Terakhir Diperbarui : 2025-07-28 Baca selengkapnya