第1章ラスボス戦&第1章完結です。 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――― ここはバレスチカ家、わたくしの自室のベッドの上。 時刻は深夜2時。「すぅ……すぅ……」「……寝てますわよね?」 枕元に置いてある炎属性の魔石を動力源にする光源を調整して眩しくない程度の灯りをつけますの。 すると可愛らしい桃色の下着を身につけて穏やかな寝息を立てるロゼの愛らしいお顔がよく見えるようになりましたわ。「ふ、ふふ……」 今まではロゼを軽く抱きしめて、それをおかずにして致すまでが限界でしたけれど、今日のわたくしは一味違いますの。 これからロゼの唇を奪ってやるのですわ!!! ……。 だって、あの時(第23話参照)は|処刑者《しょけいしゃ》キルリスとかいうカスとレイライトとかいうグレた家出少女のせいでわたくしのファーストキスが|気付け薬《ヘドロ》味になってしまったんですもの! 一刻も早く本当のファーストキスをして上書きする必要があるのですわ! それに今日はダンジョンから帰ったばかりにも関わらず休む暇もなく、王都で延々と手続きをさせられたんですもの。 いっぱい頑張ったわたくしにはご褒美をもらう権利があるのですわ! ……よし。 言い訳もしっかりした事ですし、早速やりますの。 今ならロゼにキスをしても脳が焼き切れるような事はない気がしてきましたわ。 わたくしは勢いのままロゼの頬に手を添えて、唇を近付けて–––– ちゅっ。 「……ふぅ」 ……。 ほわああああああぁああっ! ついに!ついにやりましたわ!! ロゼの唇、すっごい柔らかかったですわ! わたくしの大勝利ですわ!「ふ、ふふふ……」 一拍置いて落ち着いてからもう一度、呑気に寝入ってるロゼの顔を見つめ直していたら、心の奥底からムクムクと嗜虐心が鎌首をもたげて来ましたわ。 ねぇ、ロゼ。 今どんな気持ちですの? 出会ってから3年もの長期間、自分をいいように扱き使い貶めてきた大嫌いな女に、それも自分の知らない間にファーストキスまで奪われて。 うふふ、どんな気持ちなんですの? ねぇ?どんな気持ちなの?ねぇ?「あなたの初めてのお相手はアクアルお姉様でもアーサー殿下でもないっ! このわたくし、リリアーゼなのですわぁっ!!」
Dernière mise à jour : 2025-08-10 Read More