承平が郁梨の投稿に気づいたときには、すでにその投稿は十数万回も拡散され、いいねは五十万を超え、コメントも十万件を突破していた。承平はもう、完全に頭に血が上っていた。スマホを握りしめ、その投稿を睨みつけながら歯を食いしばる。「郁梨!」あの女、俺のことを犬呼ばわりしやがって!どこまで図太いんだ……!郁梨の投稿のコメント欄は大盛り上がりだった。【あはははは、何この可愛さ!郁梨、完全に推せる!】【おばさん=清香、犬=折原社長、自分=少女ってことでしょ?かなり皮肉だけど、可愛すぎて無理!今日から郁梨の一番のファンになる!】【待って、それ私のポジション!郁梨推しは私が一番!】【急に折原社長が不憫に思えてきた……折原社長の家って犬飼ってるの?もし飼ってたら、立場はその犬より下ってこと?】【郁梨がどう反応するか、何通りも想像したけど、まさかこう来るとは!可愛すぎて無理!私が折原社長でも絶対離れない。郁梨は清香よりずっと面白い】【三年前、清香は折原社長と別れてから海外に行ったんでしょ?じゃあ折原社長が独身に戻って郁梨と一緒になったって何の問題もないじゃない。少なくとも悪いのは郁梨じゃない。清香のファンが郁梨のところで吠えてるの、ほんと気分悪い!】【今回は郁梨を推す!ていうか前回も郁梨派だったけど!】【清香って本当にあざとい!】――明日香は、郁梨という女は普段は静かだが、ひとたび動けば世間を騒がせる――まさに一撃必殺型だと感じていた。本当に掘り出し物を見つけたものだと、彼女は内心で笑みをこぼした。「郁梨さん、折原社長から連絡ありました?」「電話はかかってきましたけど、出ませんでした」明日香は思わず吹き出した。「郁梨さんの投稿で、折原社長に新しいあだ名がついたの知ってます?」郁梨は気軽に聞き返した。「え?どんなあだ名ですか?」「今、みんな犬社長って呼んでるんですよ。だから郁梨さんがその犬……じゃなくて折原社長の電話に出なかったのは正解だと思います。今ごろ相当怒ってるはずです」「そうなんですか?でも私、ただみんなに面白い話を一つ共有しただけですよ。勝手に自分たちで当てはめただけで、私のせいじゃないです」「ははは、もう笑いすぎてお腹痛いです」「白井さん、そんなに面白いんですか?」「当たり前じゃ
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