始まりは婚約破棄~王弟殿下の溺愛~ のすべてのチャプター: チャプター 11 - チャプター 20

58 チャプター

初めての夜の始まりは

二人ともとても緊張しているようだった。こういう時はすぐにでも何か申し付けた方が良いだろうと思い、言う。「早速で悪いけど、今夜の夕食に着ていくドレスの相談をしたいのだけど。私の持って来たドレスとアクセサリーの把握をして欲しいの。なのでクローゼットに行って確認して来てくれる?」二人とも笑顔になり、ハイと返事をしてクローゼットに向かう。私は微笑んでギリアムの煎れてくれたお茶を飲む。「さすがですわ」アンが感心しきりに言う。「二人ともとても緊張していたんです。すぐに指示を出してくださってありがとうございます」私は微笑んで言う。「二人とも挨拶がきちんと出来ていたので、どこかのご令嬢なのでしょう?それでしたらドレスやアクセサリーの把握をして貰っていた方が私としても動きやすい、それだけです」◇◇◇ドレスを選んでアクセサリーを決める。家での夕食なのでそれ程、飾らなくても良いだろう。淡いラベンダー色のドレスを選び、薄いピンクのアクセサリーでまとめる。「とても素敵です……」感嘆の溜息と共にアンが言う。「ありがとう」すぐにギリアムが部屋に来て言う。「お食事のご用意が整いました」そ広間へ向かう。広間へ入ると大きなテーブルなのに食器は二人掛けの椅子の前に並んでいる。そういえば食事の時は二人掛けの椅子を用意させると仰っていたなと思う。テオ殿下はまだいらっしゃらない。二人掛けの椅子に向かう。すると廊下からバタバタと足音がしてドアが開く。「すまない、遅れた」タイを結びながらテオ殿下が現れる。テオ殿下は黒の正装をしていた。私を見るなりテオ殿下は手を止めて一瞬、その動きを止める。そして咳払いをすると私の前に来る。「余りに美しくて見惚れてしまった」そう言われて何だか気恥ずかしくて俯く。テオ殿下こそ、慌てて走って来たりして、待ちわびていてくれたのを感じて、胸が疼く。テオ殿下は私の手を取ると口付けて椅子に座るように促す。テオ殿下の横に座る。こんな形式で食事をするなんて事は今まで無かったので、少し戸惑う。テオ殿下の引き締まった体を包む正装はとても素敵だった。本当にこの方は何を着ても絵になるのだなと思う。楽しく食事をし、テオ殿下に連れられて広間を後にする。「少し話をしよう」そう言ってテオ殿下は私をテラスへと連れていく。夜風にテオ殿下の銀髪が揺れる。テオ殿下は着ていた上
last update最終更新日 : 2025-07-25
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夜は更けて…

昼間、騎士団の訓練の時に見た時と同じように胸元が肌蹴ていく。みぞおちのあたりまでボタンを外すとグラスを傾けて今度はゆっくりと飲む。こうして見ると本当にテオ殿下は整ったお顔をしている。長い銀髪に精悍な顔つき、サファイアブルーの瞳、鍛え上げられている体……肌蹴た胸元には傷が見える。ただ単に鍛えているだけでは無いのだと実感する。この鍛え上げられた体は戦いに勝つ為のものだ。「あの、お聞きしても?」聞くとテオ殿下は微笑んで頷く。「良いよ」また一口飲んでから言う。「辺境地への移住をお考えになっていたと伺いました……」テオ殿下は苦笑いする。「そうだね」そのお顔は切なく歪んでいる。「それは……やはり私と王太子殿下の事が理由ですか?」聞くとテオ殿下はグラスの中のお酒を飲み干して言う。「そうだよ」テオ殿下は悲しそうに微笑んで私に手を伸ばして私の頬に触れる。「ジルがあの青二才と結婚してしまうと思っていたからね。俺にはどうする事も出来ない事だった。この世で一番愛している人が手の届かない所に行ってしまう事に耐えられなかったんだ」胸が締め付けられる。「だから王都には戻らないつもりで国境の警備と称して辺境地へ行こうと思った。会わなければ、会えなければ、苦しさから逃れられると思った……」テオ殿下はそこでフッと笑う。「それがあの日、変わった。あの青二才が婚約破棄を宣言したんだからな。驚いたけど俺にはチャンスだった。だから掻っ攫ったんだ」テオ殿下は私に近付いて言う。「居ても立っても居られなかった。躓いて転んだジルを見て俺は胸が張り裂けそうだったよ。俺ならあんなふうに扱わない、あんな目に絶対遭わせない。愛して、愛して、何よりも大切にする。そうする自信があったから」サファイアブルーの瞳がキラキラと揺れている。あぁ何て素敵なんだろう。手を伸ばし聞く。「触れても?」テオ殿下は微笑んで頷く。「許可なんて要らない。好きな時に好きなだけ触れてくれ。誰も止めないし、咎めない」テオ殿下の胸元にある傷に触れる。「これは、もう痛くは無いんですか?」テオ殿下が微笑む。「もう痛くは無いよ」よく見れば小さな傷がたくさんあった。「たくさん傷があるんですね」テオ殿下が笑う。「たくさん戦ったからね」テオ殿下は私の肩を優しく抱く。テオ殿下に寄り掛かる。大きな体は鍛え上げら
last update最終更新日 : 2025-07-26
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蜜事は甘く

そして、あの日、目の前で全てが変わった。掻っ攫ってしまおう。俺のものにすれば良い。そう出来る自信があった。口付けた瞬間、溶け合うような感覚になる。あぁ、やっぱりだ。ジルは俺の運命の人だ。そう確信した。長く甘い口付けから唇が離れる。頭が痺れてうっとりとテオ殿下を見上げる。テオ殿下は私を見つめて言う。「本当ならこんな事は結婚式を挙げた後じゃなきゃいけないんだが、理性が飛びそうだよ……」テオ殿下の顔が切なく歪む。テオ殿下の頬に触れる。「私はもうテオ様のものです……それとも一度契りを交わしたらそのお心は虚ろってしまうのですか?」テオ殿下は私を抱き締めて言う。「そんな事、ある訳無い……こんなにも愛しくて、愛しくて、心が張り裂けそうなのに……」テオ殿下の腕の中は温かい。テオ殿下は私を見下ろすと言う。「ジルは今日ここへ来たばかりだ。疲れているだろう?なのにこんなふうに……」「テオ様……」呼び掛ける。テオ殿下は私の頬を撫でる。「私もテオ様と……」そこまで言うとテオ殿下が唇を奪うように口付ける。長く甘く、激しい口付け。テオ殿下の手が私の体を撫でている。不意に唇が離れる。テオ殿下が立ち上がり、私の手を取り言う。「おいで」立ち上がるとテオ殿下はベッドの前まで歩く。立ち止まると私をフワッと抱き寄せて背中にある紐を解き始める。耳元で囁く。「もう止めないよ……」そう囁いて耳の周りをその唇でくすぐる。鳥肌が立つ。「んっ……」思わず声が出る。背中の紐が解けてドレスが落ちる。コルセットの紐を解き始める。恥ずかしくてテオ殿下の胸板に頬を寄せる。「大丈夫、俺に任せて……」テオ殿下がまた囁く。コルセットが落ちるとテオ殿下は私を抱き上げベッドに優しく乗せる。自らボタンを外してシャツを脱ぐ。彫刻のような鍛え上げられた美しい体に溜息が出る。私に覆い被さり口付け、口付けながらテオ殿下の手が私の胸を包む。その指で乳房の先端を嬲る。唇が離れるとテオ殿下の唇が落ちて行く。「綺麗だ……」テオ殿下が呟く。テオ殿下の唇が私の乳房の先端を含む。「あっ……」体が仰け反る。テオ殿下の舌先で転がされた所が熱い。鳥肌がまた立つ。テオ殿下の手が滑って下りていく。足の間にその手が入る。ゴツゴツしたテオ殿下の指が優しく私のそこに埋まる。指がホンの少し中に入る。「すごいね、もうこんなに濡れて
last update最終更新日 : 2025-07-27
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蜜事のその後は…

優しくゆっくりテオ殿下が動き出す。痛いけどそれだけでは無かった。徐々にテオ殿下の動きが早くなっていく。「あぁ、ジル……愛してる、愛してる……」熱に浮かされたようにテオ殿下が言う。テオ殿下が腰を打ち付ける度に一番奥にそれが当たって息が詰まるのにそれが快感に変わっていく。体の中心が熱くなっていく。テオ殿下にしがみつく。「あぁ、ジル……!」テオ殿下の腰が一番奥に押し込まれる。そのまま押し付けられる。次の瞬間、体の中に熱いものが注がれる。それを感じた瞬間、ガクガクと体が震えて私のそこがキュウキュウとテオ殿下を締め付けていた。体の力は抜けているのに、そこだけ別の生き物のように。テオ殿下が私を見つめる。息を切らしているテオ殿下はとても素敵だった。「ジル……愛してるよ……」切なく歪む顔に触れる。「私も……愛してます……テオ様……」テオ殿下は少し微笑んで言う。「こんな時くらい、呼び捨ててくれ」テオ殿下が目を閉じて自分の額を私の額にくっ付ける。「愛してます、テオ……」言うとテオ殿下は目を開けて私を見ると微笑み、優しく口付ける。裸のままテオ殿下は私を抱き寄せると息をつく。「このまま眠ろう、片時も離れないように」テオ殿下の腕に抱かれて眠る。テオ殿下のあんなに切なく歪む顔を見られるなんて、私は何て幸せ者なのだろう。こうして私を抱き締めてくれるこの人をこの先も愛していこう。「誰にも引き裂かれる事の無い二人になろう……」テオ殿下が呟くように言う。私はクスッと笑って言う。「もう誰にも引き裂く事なんて出来ません」テオ殿下を見上げる。テオ殿下は少し驚いている。「私の気持ちが虚ろう事はありません。こんなにも愛しているのだから」テオ殿下は私を抱き締めて言う。「ジルには勝てないな……」翌朝目が覚めるとテオ殿下が私を優しく見つめていた。「おはよう」その様子に私の胸はまたときめく。あぁ、何て素敵なんだろう。「体は大丈夫?」聞かれて私は少し体を動かす。ホンの少し鈍い痛みがあった。「大丈夫です」言うとテオ殿下は微笑み私に軽く口付けると言う。「名残惜しいけど俺は仕事に行かなくちゃいけない。ジルは寝ていて良いよ」テオ殿下が部屋を出て行く。ベッドから見送って私はまたベッドに潜り込む。テオ殿下の優しい香りがした。昨日の蜜事が思い出される。体が疼く。あんな事を
last update最終更新日 : 2025-07-28
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侍女長メアリー

ノックが響く。入って来たのは昨日挨拶してくれた侍女長のメアリーともう一人の侍女。私付きのメイドでは無い人だ。「おはようございます、ジル様」メアリーは朗らかにそう言う。もう一人の侍女が言う。「はじめまして、侍女のケリーと申します」メアリーはその場で私に聞く。「お風呂を準備させて頂きます、どちらのお風呂をお使いになりますか?」聞かれて私は思う。そうか、テオ殿下専用のお風呂ももちろんあるだろう。でもそれを使うのは気が引けた。「では私の部屋のものを」言うとメアリーは私に近付きながらケリーに言う。「すぐにお風呂の準備を」ケリーは失礼しますと言ってパタパタと部屋を出て行く。メアリーは私に近付いて来る間に床に落ちている私の服を拾い、私の側まで来るとベッドの端に座り聞く。「お体は大丈夫ですか?」恥ずかしくて俯く。「大丈夫です……」メアリーは少し笑って言う。「お顔をお上げください。恥ずかしい事など何もありません」メアリーを見るとメアリーは目を細めて微笑んでいる。「お風呂の準備が整うまで少しお話しても?」聞かれて頷く。私の部屋と繋がっているドアが開いてケリーが何かを持って来て、メアリーに渡すとそのまままた戻って行く。メアリーはそれを受け取ると私に掛ける。「これは……?」メアリーはクスッと笑って言う。「殿下がジル様の為に用意したガウンです。殿下とお揃いのものです」肌触りの良いガウンは薄いピンク色だった。「綺麗な色……」言うとメアリーが微笑んだまま言う。「ジル様の為に何もかもご自分でご用意されたんですよ?お部屋の調度品も、ベッドも、身に付ける物も」メアリーはクスクス笑って私の手を取る。「ここ何年も殿下のお心は暗く閉ざされておりました。表面上は誰にも弱さを見せない方ですが、人一倍そのお心は傷付き易く、ここ何年も塞ぎ込んでしまって。私たち使用人一同心を痛めておりました。それが数日前に殿下は変わられたのです。急に婚約した! 婚約者を屋敷に住まわせる! 全て自分が指示する! 完璧に用意をする! と息巻いて」メアリーは嬉しそうに笑う。「あんなに嬉しそうな殿下を見るのは初めてです。もう妙齢も過ぎて正直、結婚など諦めておりましたのに」メアリーの瞳には涙が浮かんでいる。「私はこの屋敷に来てからずっと殿下に仕えております。もう何年になりますか…
last update最終更新日 : 2025-07-29
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恋焦がれるという事

髪を梳かして髪を結って貰う。食事が運ばれて来る。食事を摂る。外が騒がしい。「これは……?」聞くとメアリーが微笑んで言う。「殿下が団員の方たちと走っておられるのでしょう」私はそれを聞いて立ち上がり、窓に向かい、窓を開ける。テラスに出ると丁度、たくさんの人たちが走って来るところだった。先頭にはテオ殿下がいらっしゃる。風に靡く長い銀髪、逞しく凛々しいお姿にうっとりする。テオ殿下は私に気付くと手を上げてくださる。私はホンの少し手を上げて振る。走り去って行くのを見送って息をする。息をするのも忘れるくらい、見惚れていた。そしてハッとして戻る。「ごめんなさい、食事の途中なのに」言うとメアリーはクスッと笑う。「良いのですよ、ジル様が何をしようとそれを咎める者はここにはおりません」◇◇◇走り出して屋敷の方へ来る。ジルはもう起きただろうか。部屋の方を見上げる。テラスにジルが居た。俺がジルの為に用意したガウンを着ている。手を上げるとジルも手を上げ小さく振る。何て麗しいのだろう、俺の愛する人は。嬉しくて笑みが漏れてしまう。◇◇◇侍女たちを下がらせてベッドに横になる。まるで初めて恋をしているような自分がおかしかった。ホンの少しでもテオ殿下を見たいと思ってしまった。息をするのも忘れる程に、私はテオ殿下を見つめていた。メアリーが話してくれた事を思い出す。テオ殿下は一度たりともこの屋敷に女性を入れた事が無かったという。女性の影も無く、誰一人として寄せ付けずにいた。そこでハッとする。あんなに切なく歪む表情も愛していると囁く事も私が一番最初で、唯一の……。胸が熱くなって鼻の奥がツンとする。涙が溢れて来て、それと一緒に思う。あぁ、逢いたい、テオ殿下に。ノックが響く。私は慌てて涙を拭って体を起こす。失礼しますと言って入って来たのはメアリーだった。メアリーは私を見て私の元へ小走りにやって来て、ベッドの端に座る。「どうかされましたか?」溢れて来る涙を拭う。メアリーは私の背中を撫でる。「どうされたのです?メアリーに教えては頂けませんか?」私は泣きながら言う。「逢いたいのです、テオ様に……」メアリーは少し笑って私の頭を撫でる。「それでは逢いに参りましょう」驚いてメアリーを見る。メアリーは微笑んで言う。「ジル様がお逢いになりたいのであれば、そうされれば良いのです」私は聞
last update最終更新日 : 2025-07-30
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木漏れ日の下で……

ジルは頷いてそのサンドイッチを俺の口元へ持って来る。俺は口を開けてサンドイッチを口に入れる。サンドイッチが小さいせいでジルの指も一緒に口に入る。舌先でその指を一瞬だけ舐める。ジルは小さくビクンと体を震わせる。ジルの体を支える為に触れている手がジルの体温が上がるのを感じる。ジルは恥ずかしそうに視線を外してバスケットの中の小さなサンドイッチを手に取ると自分も食べる。俺なら一口のそのサンドイッチをジルはハムハムと啄むように食べる。「小鳥のようだな」笑いながら言うと、ジルが微笑む。「テオ様のお口が大きいのです」俺は片手を離してジルの手を包んで持っている食べかけのサンドイッチを俺の口へと運ぶ。「それは、私の食べかけ……」ジルがそう言った時には俺の口の中にまたジルの指ごとサンドイッチが入る。さっきよりもずっと長くジルの指を意識して舐める。チュパといやらしい音がしてジルの指が俺の口から出る。ジルは小さく体を震わせている。「美味しいな」ジルは頬を染めて俯く。俺の太ももがジルの熱を感じ取る。体の中が熱くなっているのだと悟る。ムクムクと欲望が湧き上がる。あぁ、ダメだ、これ以上、刺激してはいけない。そこからはお行儀良く食事をした。あっという間にバスケットの中が空になった。その頃には俺の欲望も少し治まる。団員たちは俺たちから離れた場所で食事している。低木のお陰か俺たちは木々に阻まれて誰からも見えない場所にいる。水筒の水を飲む。ホンの少し水が零れて俺の口から滴る。ジルがハンカチで零れた水を拭く。零れた水は俺の肌蹴た胸元へ落ちている。ジルがそれを拭く。不意にジルはハンカチを落とすとその手で俺のシャツの中に手を入れて肌に直接触れる。「んん……」ジルに触られるだけで背筋がゾクゾクする。ジルは俺に寄り掛かり小さな声で言う。「愛してます、テオ……」あぁもう限界だ。そう思ってジルの顔を上げさせ口付ける。触れて良いと言ったのは俺だ。いつでも好きな時に好きなだけ、と。ジルに触れられただけで体が熱くなる。こんなに煽られるとは。もっと余裕を持ちたいのに。唇を離すとジルは軽く息を切らして俺をうっとりと見つめる。ジルの頬に触れて聞く。「体は大丈夫なのかい?」ジルはうっとりしたまま言う。「痛みはありません、でも……」そう言って俺の手を取ると自分の臍の下あたりに当てる。「ここが苦し
last update最終更新日 : 2025-07-31
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真昼の情事

「ジルの部屋の風呂と俺の部屋の風呂は造りが違うんだよ」言うとジルは俺の手に触れて言う。「そうなのですね」俺はジルを見下ろして聞く。「一緒に入るかい?」ジルは頬を染めて言う。「でも私、こんな状態ですし……」俺は笑って言う。「それなら問題は無いさ。俺が入れてやる」頬を撫でていた手の指を伸ばしてジルの唇を撫でる。「お支度が整いました」背後でギリアムが言う。「ん、下がって良い」言うとギリアムを始めとする侍従たちが会釈して出て行く。「体起こせるかい?」聞くとジルが起き上がる。そのまま背中に手を回して背中の紐を解く。今日のジルは華美なドレスでは無く、シンプルなワンピース姿だった。紐が解ける。ジルのワンピースを脱がす。白く扇情的な肌が露出する。俺はシャツを脱ぎ捨てジルを抱き上げる。風呂場に入り、ジルの下着を脱がせ、大理石で出来ている湯船にジルを座らせる。「待っていて」そう言って俺は着ていたものを脱ぎ捨てる。湯船に入り、ジルを自分の上に乗せる。ジルは俺に寄り掛かる。ジルの体を撫でる。俺はジルの胸元に唇を這わせる。豊かな乳房の先端を口に含む。「んっ……」ジルの可愛い声が俺を刺激する。もっと感じさせたいと思う。俺は左手でジルを支え、右手をジルの足の間に埋める。中に指を入れると中は熱くヌルヌルとしていた。「こんなに濡らして……」言うとジルはビクビクと体を震わせ俺にしな垂れ掛かる。俺は湯から一旦出てジルを上に乗せたままへりに座る。指をジルの中に入れて中を掻き混ぜる。ジルはビクビクと体を震わせ、俺にしがみつく。指が一際コリコリと硬い部分を探り当てる。直感でここだと思った俺はそこを指で押すように愛撫する。「あっ、ダメ……テオ……」ジルの声が一段と上擦る。そこを擦っているとどんどんジルの中から愛液が溢れ出して来る。クチュクチュといやらしい音が響く。ジルの体が強ばる。「ダメ……漏れちゃうぅ……」ジルが俺の耳元で息を切らして言う。あぁ見たい、お漏らししているジルを見たい。俺は手を緩めず刺激する。「ダメ……あぁっ……」ジルの体がビクンと跳ねてその途端、ジルのそこから飛沫が上がる。飛沫は俺の手を濡らしていく。体をビクビクと震わせジルが俺を見上げて言う。「止められないの……」息を切らしてそう言うジルに煽られる。飛沫が治まる。湯船に入る。ジルに俺を
last update最終更新日 : 2025-08-01
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レモン水

「こうすると気持ち良いのですか?」ジルが俺を見上げて聞く。俺は息を切らしながら言う。「そうだよ」ジルの頬を撫で、その唇を指でなぞる。そのまま指をジルの口の中に入れる。ジルの柔らかい舌を指で嬲る。ジルの手が動いて俺のそれをしごく。口から指を出す。ジルの唾液で濡れた手で自分のそれを握る。ジルがその様子を見て俺のそれに口付ける。「あぁっ……」そのままジルは口の中にそれを含む。ジルの頭を撫でる。「そのまま……歯を立てないように……」ジルの手と共に自分でそれを握ってしごく。ジルは両手で俺のそれを握って頭を動かしながらしごく。チュパチュパといやらしい音が響く。あぁ何ていやらしいんだ。こんな事をさせて、俺は……。背筋がゾクゾクして身体が強ばる。「もう良いよ、ジル……」止めさせようとしてもジルは動きを止めるどころか、激しくさせる。「あぁ、ダメだよ、ジル……っ!……これ以上は……っ!」天を仰ぎ見て限界を超える。咄嗟にジルの頭を押さえつける。ジルの口の中で俺の熱い飛沫が噴き出す。驚いたのか、ジルは口からそれを出してしまう。俺はジルの手を掴んでそれを優しくしごく。噴き出した白濁液がジルの顔にかかり汚す。その様子を見てゾクゾクした。あぁ何て綺麗なんだ…俺の精液で汚されているジルを見て恍惚とした快感を覚える。次の瞬間にはハッとして我に返り、慌てる。「すまない、すぐに拭くから」俺は自分のガウンでジルの顔を拭う。でも拭い切れる筈は無かった。「目を閉じていて」そう言ってジルを抱き上げ、風呂に向かい、湯船にそのまま入る。「流すよ」そう声を掛けてジルの顔にお湯をかけて精液を流す。次の瞬間、ジルがコクンと何かを飲み込んだ。「飲んだ、のか?」聞くとジルは目を閉じたまま微笑む。「はい……」俺は慌てて言う。「口を濯ぐんだ」ジルはうふふふと笑って言う。「私が潜った方が早そうですわね」髪に手をやり結っていた髪を解き、ジルが湯船に潜る。湯の中でジルが自分の顔や精液がついたであろう場所を擦り、フワッと浮かび上がり、湯から出て来る。ジルを受け止めるとジルは微笑む。その様子を見て笑えて来る。俺の愛する人は完璧じゃないか。ジルを抱き寄せてその頭を撫でる。「嫌じゃ無かったかい?」聞くとジルは微笑んで言う。「何故です?昨日、テオだってしてくださったでしょう?」そう言わ
last update最終更新日 : 2025-08-02
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王城への招待

水が運ばれて来る。「そこに置いておけ」言うとギリアムはパッと周囲を見て、すぐに床に落ちている濡れたガウンとタオルを発見し、それを拾う。「すぐに替えのものをご用意致します」そして何も言わずに出て行く。執事として完璧な対応だなと思う。ベッドを出て水を汲み、飲み干す。ジルの分のグラスに水を注いでベッドへ持って行く。「ジル、お水だよ」ジルがゆっくりと体を起こす。俺から水を受け取るとゆっくり飲む。「これからは常に水は用意させよう」そう言うとジルが笑う。「そうですね」ノックが響く。俺はジルに布団を被らせ、言う。「入れ」失礼しますと言ってギリアムが入って来る。「新しいガウンとタオルでございます」そう言ってベッドに近付き、俺にそれを渡す。「ん、すまない、ありがとう」ガウンに袖を通す。「ジル、ガウンを」ジルが起き上がるのと同時にギリアムが下がる。ジルがガウンを羽織る。ジルの髪はまだ濡れたままだ。俺はタオルを手に取り、ジルの髪を拭く。「テオ、そんな事なさらなくても……」ジルが止める。俺は笑う。「良いんだ、俺がやりたいんだから」入口に居たギリアムが言う。「殿下、国王陛下からのお手紙が届いております」俺は笑う。「後で見る。置いておけ」するとジルが俺を見て言う。「国王陛下からのお手紙ですよ?私の髪よりお手紙の方が大事です」俺は真面目な顔をして言うジルの頬に触れて言う。「俺にはジルの髪を拭く事の方が大事だよ」「テオ!」まるで子供を呼ぶようにそう言うジルに降参する。「分かった、分かった」ギリアムは微笑みを称えて手紙を持って来る。手紙の封を切り、中を取り出すとジルが少し俺から離れる。そんなジルを強引に引き戻す。「何故、離れる?」聞くとジルが俯いて言う。「国王陛下からのお手紙ですよ?大事な事が書かれているかもしれないので」俺は笑って言う。「兄上は何かと手紙を書くのが好きなんだ。どれも大した内容じゃない」手紙に目を通してジルに渡す。「読んでごらん?」ジルが手紙を受け取りながら聞く。「良いのですか?」俺が頷くとジルが手紙に目を落とす。手紙は短い挨拶から始まり、ジルとの婚礼の儀を何時にするのか決める為に王宮に来いと書かれている。「婚礼の儀……」ジルが呟く。ジルの肩を抱く。「そうさ、俺と兄上とジルの父上で婚礼の儀を
last update最終更新日 : 2025-08-03
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