夜が深まっていた。その頃、警察署の外では。仁美と明浩たちが、焦燥の色を浮かべて待っていた。舞彩は家の大黒柱だった。彼女に何かあれば、川奈部家は完全に没落するだろう。だから、川奈部家は救出のために、ありとあらゆる手段を使い尽くし、使える人脈はほぼ全て動員していた。皆が待ち望んでいる中、一人の巡査が不意に出てきた。それを見た明浩は、すぐに駆け寄った。「兄貴、状況はどうだ?うちの姉を出してもらえるか?」「明浩、先ほど聞いてみたんだが、この件は須山刑事が直々に担当してるからな。俺のような下っ端では、全く手が出せないよ」巡査は困った顔で首を振った。「じゃあどうすればいい?他に何か良い方法
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