宮中の宴で、皇太子は詩を完成させた者を皇太子妃にすると宣言した。前世、私が先に詩を完成させてしまったため、皇太子は倚梅園(いばいえん)で意気投合した相手は私だと勘違いしたのだ。結婚式当日、私の侍女が実は倚梅園で皇太子と詩を交わした本人だと明かし、そして毒を飲んで自害した。皇太子が皇帝に即位後、最初にしたことはその侍女を皇后として追封することだった。そして次にしたことは、私に毒酒を賜り、腸を腐らせて死に至らしめることだった。「お前が青荷(せいか)のふりをして詩を詠まなければ、皇太子妃の座は彼女のものだったのだ。これは青荷への償いだ」しかし、あの詩はそもそも私が作ったものだったのだ。私が死んだ後、彼は私の家族全員を野ざらしにして、野犬の餌食にした。再び目覚めた時、私は自ら侍女を皇太子の前に出した。皇太子は彼女を妃に娶りたかったのだろう?ならば、私は二人の仲を応援しよう。……「逆風意を解するが如くんば、後半を詠める者は、我が皇太子妃となる」言葉が終わるか終わらないかのうちに、席間の貴女たちは我先にと答え始めた。「清きこと極まりて寒きを知らず」「孤高すぎて物語には馴染まぬ」皇太子・蕭琮(しょう そう)は首を横に振った。今回の宮中での宴は、皇后が蕭琮の妃を選ぶために催されたものであった。本来は貴女たちが芸を披露する場だったが、蕭琮が急遽定めを改めたのだ。名家出身の貴女たちは腕を振るったものの、誰一人として彼の目に適う者はいなかった。そして皆の視線は、一斉に私へと注がれた。皆、私が一気にその座を射止めることを期待しているのだ。皇后でさえ、期待を込めて私を見ていた。なにしろ私の父は文書作成や歴史編纂などを司どる翰林院(かんりんいん)の院長であり、母は最高学府・国子監(こくしかん)の役人の正妻の娘だったのだから。私は生まれた時から妃になる運命にあった。しかし、今世では宮中には入りたくなかった。私は立ち上がり、蕭琮に一礼して、かすれた声で提案した。「皇太子様、本当にあなたと心を通わせる相手は、必ずしも貴女ばかりとは限りません。名家の庶出の娘や、あるいは侍女であるかもしれません。候補者の範囲を広げてみてはいかがでしょうか?」蕭琮は喜びに満ちた表情で、こう言った。「誰であろうと、後半を詠む
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